映画「Patriots Day パトリオット・デイ」を観た

2016年の映画。2013年に発生したボストン・マラソンのテロ事件から犯人逮捕までの102時間を描いた作品。ピーター・バーグ監督、マーク・ウォルバーグ主演。

監視カメラなどは実際の映像を多用しているのだが、それと映画として撮影したカットが混ざっても全く自然に見えるほど、再現度が高くて驚いた。ボストン・マラソンの会場もそうだし、ケヴィン・ベーコン演じる FBI 捜査官のリチャード・デローリエ (実在の人物) 始めキャストの皆様、とってもそっくり。

警察と FBI による捜査の進め方も、事実を基にしているだけあってリアリティが凄かったし、どのくらい真実かは分からないが、テロの実行犯である二人の兄弟の様子も興味深かった。単純な「テロ犯が悪、警察が善!」という描写ではなく、「どうしてこのようなテロ犯が生まれてしまったのか」というところにも踏み込んで描かれている。

そして、どちらを善と見ようと悪と見ようとに関わらず、被害者たちの描写には最大限の敬意が払われていることがとてもよく分かる。爆発によって手や脚を失ったり、命を落としたりした方々のことをとても大切に描いていた。

ラストは実際の関係者や被害者のインタビュー映像が入る。マーク・ウォルバーグが演じる警察官は、様々なインタビューを基に構成した架空のキャラクターだが、それ以外の登場人物はほぼ実在する人をそのまま描いている。犯人を逮捕しようとする彼らの執念、そして被害者たちへの最大限の敬意を持っている素晴らしい映画だった。