「ポケットモンスターソード・シールド」を見てゲーフリが実現したかったことを感じた

妻が Nintendo Switch の「ポケットモンスターソード・シールド」シリーズのソードをプレイし始めた。今日は妻がプレイする最新作のポケモンを隣で見ていて感じたことを書いてみる。

目次

我が家のゲーム遍歴

Switch のソフトとしては、

  1. 本体付属の「スーパーマリオオデッセイ」
  2. 妻が買った「モンスターハンターダブルクロス」
  3. 二人でプレイした「大乱闘スマッシュブラザーズ Special」

に続いて4本目。

ポケモンシリーズの遍歴でいうと、

だった。

DS や 3DS で発売されたポケモンシリーズはタイトルすらもおぼろげで、僕が最後に購入した「エメラルド」からすると実に16年ぶりにプレイするポケモンシリーズの本流作品だった。

システムの変更点

「フェアリー」タイプが増えたとか、対戦中にポケモンが巨大変形するシステムが追加されたとか、それまでのシリーズでの変更点はおぼろげに聞いていたが、今作は、前作「ウルトラサン・ウルトラムーン」と比較しただけでも様々な変更点があったようだ。

今作は「ダイマックス」なる変身システムが登場。オンラインでレイドバトルが出来たり、Switch の性能とインターネットを活かした機能が盛りだくさんだ。

これまでの作品だと、「そらをとぶ」や「なみのり」は特定のジムリーダをクリアし、パーティのポケモンに秘伝技として覚えさせないと使えなかった。しかし今作では、割と序盤から「そらをとぶタクシー」という「アイテム」での移動ができたり、自転車になみのり機能が付いたりして、いわゆる「秘伝要員」が全く要らなくなっていた。

また、移動中どこでもポケモンボックスにアクセスできるし、アイテムの所有個数は「20種類」といった制限もなし (というかパソコンに道具を預けるという概念が消えている)。極めつけは「がくしゅうそうち」ナシでパーティ全員に経験値が入るというシステム。

これらのシステム変更は、正直言ってかなりヌルゲー化しているなと感じた。

ただ、コレまでの作品にどうしてそういう制限があったかというと、ゲームボーイやゲームボーイアドバンスなどのハードウェア性能的な制限によるものが強かったと思われる。道具を無尽蔵に持てるほどのメモリ容量はないし、どこでもポケモンボックスにアクセスできるようなルーチンを組んだりするのは難しかったのだろう。

「そらをとぶ」や「なみのり」の秘伝技廃止についても、「ネット対戦」の機会を増やすための措置かなぁと考えられる。もっと純粋にポケモンバトルを楽しんでもらいたいという狙いから、シナリオ攻略に必要となる「秘伝技」というシステムを廃止した、と考えると納得がいく。

ゲームフリークが実現したかったポケモンの世界

本作は、街中に多くのポケモンが佇んでいる。さらに草むらでも、野生のポケモンの姿が見えている場合がある。そして、自分のポケモンとキャンプをして、カレーを作って食べられたりする。

こうしたシステムを見ていて、はたと気付いた。ゲームフリークは「ポケモンと人間が共生する世界」を本気で想像していたんだ、と。

思えば初代から、ポケモンセンターの端っこにはプリンを連れたおじさんが立っていたり、ワンリキーに地ならしをさせるオッサンが居たりした。ピカチュウ版ではピカチュウを主人公の後ろに連れて歩けるようになったし、育て屋では自分の預けたポケモンが庭で遊ぶ様子を見られた。

これらは全て、ハード性能上の限界から「ちょっとした演出」に終わっていたが、Nintendo Switch のハード性能、3DCG の特徴を活かして、これらをより現実的な世界観に落とし込んできたのだ。

もしかしたら自分が知らないだけで、3DS あたりの世代からこのような演出はあったのかもしれないが、それにしても本作の 3D の描画は目をみはるものがある。あぁ、ゲーフリが実現したかった世界観って、こういうことだったんだ、と、少し感動したくらいだ。

単にシナリオ攻略だけ考えると、キャンプのシステムなんかは「時間がかかってダルい」とも言えるが、今後他のソフトとの連携も含めて長く遊べるように、そして「自分のポケモンとともに生活している」感を出す演出として、素晴らしいモノだと思った。

任天堂・ゲーフリの探究心を感じる作品

シナリオクリアまでは数日で辿り着いた。初代なんかと比べると、エンドロールのボリュームは段違いで、国際化対応もあって多くの国のスタッフが絡んでいた。自分が「ピカチュウ版」を初めてプレイした1998年から20年余り。コレだけ大きな作品に成長して、今の子供達も遊ぶゲームになっていることに感動した。

ウルトラサン・ウルトラムーン世代までで、旧作品からポケモンを移送できる「ポケモンバンク」というサービスが登場していたり、今後「ポケモン Go」などと今作を連携できる「ポケモン Home」というサービスを予定していたりと、旧作品を含めて楽しめる仕組みを頑張って作っている感じがする。

初代や2代目はさすがに GB との連携ではなく、2DS のバーチャルコンソールとの連携にはなるものの、現行世代とは異なる技やステータスのシステムなのに、どうにか互換性を保って実現させてやろうとしている意気込みを感じる。

なお、本作は現時点では歴代の全ポケモンが登場しない。3DCG のクオリティを保つために、登場数を400体程度に厳選したそうだ。こうした「妥協」は、開発者としては大変心苦しい選択だと思われる。ゲームを、ポケモンを、もっと面白くしたい、楽しんでもらえるものにしたい、と思って開発されていることが手に取るように感じられるので、ソフトの発売に間に合わせられなかった要素が存在することは、当のゲーフリが一番悔しがっているのではないかと思う。

今作で久々にポケモンに触れて、「楽しいモノを作ろうとしている人達は、素晴らしいな」と、しみじみと感じた。そして、これまで様々な制約によって実現が難しかった「本当のポケモンの世界観」を、ようやく自由に表現できるだけの舞台が整ったな、と感じる。これからも追求されていくであろう、「ゲーフリが描く理想の世界」が楽しみでならない。