Apple ID がロックされたが「確認コード」が携帯電話番号の SMS に届かない

面倒くさいことになっているのでその記録を残す。現在進行形なので結果は別途お知らせ。

事の発端。

iPhone6Plus で使っている Apple ID が突然ロックされた。Apple ID に紐付けている Gmail に「Apple ID保護のためパスワードのリセットが必要です」というメールが届き、以下のようなことが書いてあった。

ご利用のApple IDが無断で使用された可能性があります。セキュリティ保護のため、古いパスワードを無効にさせていただきました。できるだけ早く新しいパスワードをリセットしてください。

ほう、と思い、メールの中に記載がある Recover Your Apple ID - Apple にアクセスした。

確認コードが届かない

https://iforgot.apple.com/ にアクセスし、Apple ID を入れてみる。

すると「復旧キーを入力」という画面に飛んだ。

ご利用の Apple ID は 2 ステップ確認によって保護されています。
手順1 : 2 ステップ確認を有効にしたときに提供された復旧キーを入力します。

とのこと。「復旧キー」は「RK-」から始まる12ケタのコードで、ずいぶん昔に作った記憶がある。が、これが思い出せず、記録も見つからなかった。

仕方がないので、

復旧キーを紛失しましたか?
信頼できるデバイスと現在のパスワードを使用します。

のリンクをクリック。すると「確認コードを送信」という画面に飛んだ。

確認コードの送信先となる、信頼できるデバイスを選択します :

というところに、以下の項目が1つ。

末尾が「XX」の電話番号
電話番号へSMSを送信

ラジオボタンがあるので、複数設定していればどれかを選べるのだろう。ただ、ココに出ていたのはこの1つのみ。「XX」部分はぼくの iPhone の電話番号だ。これしか選べないので、このまま「続ける」に進む。

すると、

確認コードが、末尾が「XX」の電話番号へ送信されました。続けるにはコードを入力してください。

という画面に飛び、4桁のコードの入力画面が現れた。これは前に見たことがある。iPhone の方に「あなたのApple ID確認コードは次の通りです。 : XXXX」というメッセージが届くのだ。これを入力すればいいということだ。

しかし、この確認コードを知らせるメッセージが一向に届かない。確認コードの発行をパソコンから試したり、iPhone から試したり、間隔を空けてみたり、SMS 以外のメールのプッシュ設定も変えてみたり、機能制限を解除してみたり、色々変えてみたが、一向に携帯電話番号に確認コードの SMS が届かないのだ。

Apple サポートに相談

こんな状態で3日経ってしまったので、Apple のサポートに連絡してみた。

Apple ID - Apple サポート 公式サイト から Contact Apple Support に飛び、「Apple ID が無効になっている」を選択。

「今すぐアドバイザーと話がしたい」「指定した日時に電話してほしい」など、電話の仕方が選べる。初めは「指定した日時に電話してほしい」を選んでサポート側に電話をもらうことにした。

最初に対応してくださった方は女性で、電話越しに iPhone や Apple ID の状況を確認してくれた。20分ぐらいかけて色々調べてもらったが、結局は「確認コードが届かないことを何とかする術はない」「復旧キーも確認コードも得られないと、現行のアカウントは捨ててしまい、別のアカウントを取得して使ってもらうしかない」とのことであった。

元々ロックされた原因に心当たりはないが、復旧キーを忘れたのは自分の責任だし、Apple ID 自体に紐付けているデータはほとんどないので、あまり損失もないだろうと思い、新しいアカウントを取ることに関しては問題なかった。

「iPhone を探す」のせいでサインアウトできない

しかしここで問題がある。

ロックされた Apple ID のアカウントでは「iPhone を探す」をオンにしており、サインアウト時にはこれをオフにする必要がある。そして、「iPhone を探す」をオフにする時には、再度アカウントのパスワードを入力する必要がある。

「iPhone を探す」をオフにするタイミングであっても、パスワードを入力すると「Apple ID がロックされています」というダイアログが出てしまい、アカウントのロックを解除してからでないと「iPhone を探す」をオフにできないのだ。

なるほど、セキュリティの観点からは、確かに理に適っている。Apple ID をクラッキングしようとしたり、iPhone 端末を盗んだりして「iPhone を探す」を解除してやろう、とされている場合は、Apple ID が無効になっているわけだから、2ステップ認証や2ファクタ認証を通して確実に本人が操作していることを確かめようとするわけだ。

SE としてこの仕組みに感心もしたが、とりあえず困った。盗んだ iPhone ではないのに、Apple ID がロックされていて、2ステップ認証に必要な復旧キーが分からず、「iPhone を探す」が解除できず、サインアウトができないのだ。このままでは、アプリのアップデートもできないし、そうなると強制的にアップデートを進めてくる Ingress がプレイできなくなってしまう。早急に対応したい。

(だいたい SE ならパスワード管理ぐらいしとけやって話なんだけど…。その情けなさもあってアカウントを捨てることは仕方ないと考えてた)

「iPhone を探す」を強制的に解除してもらうために

「ロックされたアカウントをサインアウトして捨てて、別のアカウントを使ってね」は分かった。しかし、「iPhone を探す」機能が解除できないから、ロックしたアカウントからサインアウトすることができない。

サポートの人もこれは分かっていて、「iPhone の『購入証明書』を提示してもらえれば、『iPhone を探す』機能を解除することができる。そしてココからは別の専門の人に『iPhone を探す』を強制解除してもらうためのサポートをしてもらいます」ということで、サポートの担当者が別の男性の人に代わった。

その人曰く、「『iPhone を探す』機能をサーバ側から解除することで、iCloud からサインアウトできるようにする」ということであった。だが、そのためには先ほどのとおり、「購入証明書」が必要なのだそうだ。

急いで探したが、現物が見つからず。実家にも電話をかけたが見当たらない。iPhone6Plus を購入した日の写真を見返して見ると、開封したての iPhone6Plus の下に、その「購入証明書」と思われる資料が少しだけ見切れている。クソ、この紙資料もなくしてしまったようだ。

そのことをサポートの男性に伝えると、声の調子から「お前何めんどくさい状況つくっとんねん」感はあったものの (ぼくが悪いのだから仕方ない)、それでも親身に対応してくれた。どうやら、「購入証明書」の代わりに、以下のような必要な書類と必要事項を揃えて1枚の写真に撮って送ってくれれば対応できる、ということであった。

必要事項は以下のとおり。

要するに、ソフトバンクショップの店舗で発行した紙資料に、その店舗の担当者の証明をもらうことで、iPhone が盗品ではないことなどを確認したい、ということなのだろう。

資料が用意できたら写真を撮り、指定のメールアドレスに添付して送ってくれ、ということで、一旦サポートの電話は終わった。二人目のサポートの人とも20分程度話していただろうか。

ソフトバンクサポートに電話してみた

この iPhone はソフトバンクオンラインショップで購入したもので、店舗で購入したワケではない。初めは紙資料を無関係な店舗でもらえるのか分からなかったので、まずはソフトバンクの iPhone サポートに電話してみた。

ソフトバンクの電話サポートの対応は、Apple のサポートと比べると明らかに対応が悪かった。「電話がかかってきたこと」自体への嫌悪感が物凄く、困っていること、対応してほしいことを話しても「知ったこっちゃない」感が物凄かった。これは最悪だな。

とりあえず電話で、「アカウントロック解除のために紙の資料が欲しい」と伝えたところ、「『契約事項証明書』か『割賦残債明細書』であればサポートから送付できるが、サインなどはできない」ということであった。ひとまずサインなしで書類だけもらうことにしておいた。発行には手数料がかからないようであったが、送付には1週間程度かかるとのこと。ウーン使えない。

最寄のソフトバンクショップに出向いた

次に、家の近所にあるソフトバンクショップに電話をかけて聞いてみた。すると、「『割賦残債明細書』であれば、購入した店舗でなくても発行できる。ソフトバンクショップで発行できるのはこの『割賦残債明細書』のみ」ということであった。店員のサインがほしい旨を伝えると、「そういう運用があるわけではないが、必要であれば対応は可能」と云われた。

さっそく店舗に出向き、運転免許証で本人確認をしてもらい、「割賦残債明細書」を発行してもらった。発行は即時で、お金もかからなかった。明細書に、店員さんの自筆サインと印鑑、名刺をもらい、店舗スタンプも押してもらった。店員さんがアジア系の人で、店の裏に行くときに「アップルってこういうのめんどくさいんだよな」という独り言が漏れていた。スミマセン…;;

ひとまず、アップルサポート指定の「割賦残債明細書」をもらえたが、この紙には「iPhone のシリアルナンバー」が記載されていない。これで大丈夫なのだろうか?

不安になったので、「割賦残債明細書」と「ソフトバンクショップ店員の名刺」を写真に写すときに、合わせて iPhone の「設定」でシリアルナンバーを表示した状態の iPhone6Plus 自体も置いて、デジカメで写真を撮った。代わりになるかは分からないが、できることをしようとした。

この写真の画像ファイルを指定のメールに添付したところ、すぐに担当者から返信があり、「内容には問題ないと思うので、『iPhone を探す』を解除する担当者に解除依頼を出します。解除には1週間程度かかる見込みです」とのことであった。

ひとまず解除依頼がとおったところで今に至る。

所要時間

アカウントがロックされてから一人で試行錯誤していた3日間を除いての所要時間は以下のとおり。

  1. 最初の Apple サポートの人との電話 : 約20分
  2. アカウントロック解除に関するスペシャリストに電話を代わってからの会話 : 約20分
  3. ソフトバンク電話サポートへの打診 : 約15分 (結局ココから発行してもらう資料は届いていないが、使わなかったワケだ)
  4. 最寄のソフトバンクショップに電話で相談 : 約5分
  5. 最寄のソフトバンクショップに出向いて書類発行 : 約30分
  6. 写真を撮ってメール送信し、解除依頼が出された旨の返事をもらうまで : 約15分

実際には 3. の時間をかける必要はなかったので、こんな事態に陥ってしまっても、最短で1時間半程度で解決に向けて動けるようだ。

サポートの対応

Apple サポートの人は二人とも親身に対応してくれた。アレもダメ、コレも上手くいかない、という状況で万策尽きた感はあったものの、こちらも「アカウントを捨てることは仕方ないと思っている」「復旧キーを覚えていなかった自分が悪い」ということを伝えると、「いえいえとんでもございません、お手数をおかけしてしまってすみません」と物凄く低姿勢だった。

多分、セキュリティレベルを上げるためのこれらの策によって、同様に困っている人が結構いるんだろう。あとで親にも聞いてみたら、親父もいきなりアカウントロックされたことがあって、同じような電話対応をしたことがあったようだ (親父はちゃんと2ステップ認証の復旧キーを覚えていたみたい)。

一方、ソフトバンクの電話サポートとソフトバンクショップの電話対応はかなり悪かった。「めんどくせー」「うちの仕事じゃないんで」感が満載で、感じが悪かった。最終的に店舗での対応はちゃんとやってくれたので、申し分はないんだけど、Apple サポートに電話した直後だったので歴然とした差を感じた。給料の違いか、勤務時間の問題かは分からないけど、こうも違うものか、と。

そしてぼくの反省

最初に Apple ID がロックされた理由は定かではないが、ロックされた旨のメールが届いた時間帯からいっても、自分の操作によるものではなさそう。

とはいっても、そのあとそれを自分で解除する術があったにも関わらず、パスワードは覚えていない、証明書の類はなくしてしまう、ではダメだろう。

自分も SE の端くれなので、今回のことで猛反省。そして Apple のセキュリティシステムに感心。そしてサポートの対応に感謝。

このあとは

このあとは、「iPhone を探す」機能を Apple のサーバ側から強制的に解除してもらうのを待つ。同じような解除依頼が立て込んでいるそうで、順番待ちで1週間ぐらいかかるようである。

これで「iPhone を探す」機能が解除されたら、iPhone の iCloud にサインインしている、このロックされたアカウントをサインアウトし、別のアカウントを取得し直してそちらでサインインする予定。

これまでのデータは基本的にパーになるが、iCloud に置いていた情報は連絡先情報ぐらい。写真もメモもバックアップできている。連絡先はアプリでバックアップを取得してあるので、復元は可能。

iTunes Store も同じ Apple ID を使っているので、有料で購入したアプリなどは買い直しになる。ただ、有料のアプリはほとんど使ってないので、これも被害はほぼなし。

LINE の情報などは電話番号に紐付くアカウント情報なので、Apple ID を変更しても問題ないだろう。Ingress も Gmail アカウント連携なので平気か。とりあえず一安心。

ひとまず、Apple サポートの返事を待つばかりである。

ちなみに

ここまで色々と Apple サポートに協力を仰いできたけど、「確認コードの SMS が一向に届かない」問題を改善する方法とか知っている人がいたらおしえてください。

(Apple サポートの方で再発行だとか、送信先を変えたりだとかはできないようなので今回の騒動に至ったワケだけど…)

追記

突然なんとかなりました。