HTA でメモアプリを作った

前回の記事で、HTA で IE11 のページを開きつつ、枠線がないウィンドウを開く方法を学んだ。

そこでこのテクニックを応用して、HTA を使ったメモアプリ「HTA Memo」を作ってみた。

ファイルは以下の GitHub リポジトリに置いてある。

必要な環境

その他、jQuery・Bootstrap の CDN を読み込ませているので、ネット環境が欲しい。jQuery 部分は Vanilla JS に書き換え可能なレベルだし、Bootstrap も大して使っていないので、自力でカスタマイズしてオフライン利用できるアプリにしてもらっても結構。

インストール

ローカルで動作させる前提なので、Execute.htaMain.hta をローカルの任意のフォルダに配置して使用すること。

後述するが Main.hta と同階層に Memo_YYYY-MM-DD.md という名前のテキストファイルが日付ごとに生成されていくので、メモアプリ用のフォルダを作っておくと良い。

ファイルと外観

Main.hta が本体。直接開くと以下のようにウィンドウアプリとして開く。

HTA

Execute.htaMain.hta を枠線なしのウィンドウで開くための起動用ファイル。これを介して開くとウィンドウ枠がないアプリになる。デスクトップの背景色に合わせて背景色を指定したりすれば、以下のキャプチャのように、デスクトップに馴染ませて「アクティブデスクトップ」のように見せかけることができる。

デスクトップに同化させる

Execute.hta の機能

Execute.hta は、Main.hta を枠線のないウィンドウとして開くための起動用ファイルだが、その他にも以下のような機能を持たせてある。

常に最前面表示

Excel の API を利用して、常に最前面表示されるようにしてある。動作させるには Excel がインストールされている必要があるが、Excel がなくても最前面表示にならないだけでメモアプリとしての動作には影響なし。

ウィンドウをドラッグして移動できる

「Save」ボタン右にある余白部分をマウスでドラッグすれば、ウィンドウを移動できる。

Main.hta の機能

メインの機能の紹介。

メモファイルの日付ローテート

その日最初に起動させると、Main.hta と同階層に Memo_YYYY-MM-DD.md という形式で当日日付のファイルを生成する。翌日起動すると、翌日の日付でまたファイルを生成する。つまり日付ローテートするメモアプリになっている。

拡張子は .md、Markdown ファイルとしたが、.txt と考えてもらって良い。内部的には FileSystemObject を使用しているため、エンコードは UTF-8 ではなく ASCII (Shift JIS) 形式。

なお、その日のファイルができている状態で一度アプリを閉じ、再起動しても、その日のファイルを読み込み直すので、いつでも続きからメモが書ける。

Ctrl + S で保存可能

「Save」ボタンを押下すれば変更内容が保存できるが、Ctrl + S でも保存できるようにした。

Tab キーでインデントが挿入可能

Tab キーでスペース2つのインデントが挿入可能。カーソル位置を取得するのに selectionStartselectionEnd という API があることを知ったので、これを基にテキストを範囲選択した状態でも普通のテキストエディタのようにインデントが挿入できるように工夫した。

作成した背景

オフラインの Windows 環境で、タスクバーを占領せず、メモを書きたかったので作ってみた次第。

日付ごとにファイルを自動生成することで、あとでメモを探したり移動したりしやすくしたつもり。

今後の課題

…とはいっても、今後オフライン環境で仕事することもないと思うので、もう更新しないかも。