田舎道で3人が並ぶ

小さい頃、父が運転するクルマでよく旅行をしていた。父が旅行好きで、ほとんど毎週どこかしらに出掛けていた。

どこに行った時かは忘れたが、海岸沿いのギザギザした道をドライブしていた。田舎なので人やクルマはほとんどおらず、2・3分に1台クルマとすれ違う程度だった。

そんな時、横道から出て来て歩道を歩き始めた歩行者と、向かいから来たクルマ、そして自分たちが乗るクルマの三者が、ちょうど一列に並んですれ違う瞬間があった。

その瞬間は自分は何とも思っていなかったが、ふと父が、

「全然名前も知らない、人生も違う人たちが、なんであの瞬間にあの場所で、3者1列に並んだんだろうね。お互い1秒でもスピードがズレてたら横一列に並ばなかったのに、何の巡り合わせなんだか。」と言っていた。

確かに、なんなんだろうなこの偶然は。

って思いました。

おわり。