カメラ素人の知見まとめ : カメラにまつわる数字の読み方

東京ディズニーシーの年パス2年目の Neo です。

2017年初頭に Nikon D5600 のダブルレンズキットを購入し、東京ディズニーシー15周年記念ショー「クリスタル・ウィッシュ・ジャーニー・シャイン・オン」の写真を撮りに行っていて、ようやくデジタル一眼レフの使い方を覚えてきたので、素人なりに学んだ知見をまとめておこうと思う。

完全に独学かつ感覚的なモノなので、間違っていたり、「それはセオリーから逸脱している」とか「こうした方がもっと良い」とかツッコミは多々あるかと思う。そんなときはぜひコメントでツッコんでいただきたく。

今回は、カメラにまつわる色々な数字の読み方をおさらいしようと思う。


スマホカメラやコンデジしか触ってこなかった人がデジイチを買って最初に実感するのは、レンズが何ミリで、シャッタースピードがいくつで、絞りがああで、ISO がどうで、と、あれやこれや数字が出てきて意味が分かんない、というところかと。

自分は Nikon D3100 を使ってきていたので、数字の読み方自体は知っていたけど、レンズの幅が広がったのは D5600 を買ってからだったりするので、それらの数字の読み方をおさらいしておく。

レンズの焦点距離

まずはレンズの焦点距離。単位は「mm」。どれくらいの範囲が写せるのか、どれくらいズームできるのか、という判断が付く。

数字が小さいほど広く写せる。数字が大きくなるほど写せる範囲が狭まる、つまりズームして被写体に寄った状態にできる、ということだ。

大抵のキットレンズは 18~55mm 程度。人間の目でモノを見た時の感覚がだいたい 50mm 前後と云われていたりする。ポートレートとかで人にグッと寄って撮りたいときは 50~80mm くらいの幅を使うし、ディズニーシーのショーを撮るときは 200mm 以上はないと、キャラクターやダンサーとの距離が遠すぎて小さくしか写せない。

「単焦点レンズ」と呼ばれるレンズはズーム機能がないので、スペックには「35mm」のように1つの数字しか書かれていない。一方、キットレンズなど通常のズームレンズは、「18-55mm」とか「70-300mm」とか、2つの数字が書いてある。これが、「一番引きで撮れる数字」と「一番寄って撮れる数字」の範囲である。

類語としてはこんな感じだろか。

「ズーム倍率」と言ったときは、このワイドの数字を 1 倍として倍率を表記する。たとえば「18-55mm」のレンズなら、ざっくり「20-60mm」と考え「ズーム倍率はだいたい3倍」と割り出すことができる。

APS-C 機は実際の焦点距離が違う

焦点距離に関して、よく「35mm 換算」とか「フルサイズ換算」とかいう単語が出てきて、「Nikon DX フォーマットの場合は」とか「APS-C 機の場合は」とか書いてあると思う。

これはザックリいうと、フィルムカメラ時代に標準的なサイズとして広まった「35mm 判」というフィルムの大きさの規格があり、「このフィルムサイズで言うと焦点距離はいくつである」、という表記が、デジタルカメラ時代になっても残っている。

35mm フィルムと同様の大きさで撮れるカメラが、フルサイズ機と呼ばれるものだ。Nikon だと FX フォーマットと呼ばれていて、呼び方はメーカーによって異なる。

一方、APS-C 機とは何かというと、フィルムで表現すると、使用できるフィルムが少し小さい規格のカメラ、ということになる。デジタルなのでイメージセンサーのサイズになるが、要はデジカメを安く売るために、「このくらいは画像のサイズを小さくしてもアマチュア用途なら大丈夫だろ」というところまで、画像サイズを小さくした規格が、APS-C と呼ばれる規格となった。Nikon ではこれを DX フォーマットと呼んでいる。

APS-C 機は、画像を受け取るセンサーが小さくなった。ということは、フルサイズ機と同じレンズを使って、同じ距離から撮ったとしても、APS-C 機の方が焦点距離が長く (=少し寄った状態に) なってしまうのだ。

APS-C 機のサイズは、フルサイズ機の 1.5 倍ぐらいズームしたような感覚になっている。

つまり、APS-C 機に表記される焦点距離が 18mm だとして、フルサイズ機で同じ画角にしようとすると、約1.5倍した 24mm 程度で撮ることになるワケだ。逆に、フルサイズ機で 18mm の写真を撮ったとして、APS-C 機で同じ画角の写真を撮ろうとすると、12mm で撮らないといけなくなる、ということだ。

ざっくり言ってしまえば、APS-C 機は広角が撮りづらい、とも表現できるかもしれないし、APS-C 機の方がフルサイズ機よりも手軽に望遠の画が撮れる (画像サイズはフルサイズより小さくなるが)、とも言えるかもしれない。

APS-C 機はフルサイズ機と比べて全体的に安いので、広角が苦手と言ってもフルサイズを揃えるよりも安く広角レンズが買えるし、イメージセンサーが小さいといっても撮れる写真の画像サイズは 6000x4000px といった大きさになるので、アマチュアが利用する分には「フルサイズじゃないと…」と思うような機会はまずないといえる。「レンズの数字の基準が違って、フルサイズ換算と聞かれたら1.5倍して答える」ということだけ覚えておけば良いだろう。

最後に類語をまとめておく。

シャッタースピード

次はシャッタースピード。ザックリいうと、シャッターを切ったときの「カシャッ」の間隔を滅茶苦茶速くするか、ゆっくりにするか、というものだ。

単位は「秒」で、たいてい 1/400 とか、1/2000 とか、何分の1秒、という表記になる。

分数として小さくなればなるほど、切り取る瞬間が一瞬になっていくので、被写体がブレずに写真が撮れる。しかしこれは「一瞬しか光を取り込まない」ということになるので、シャッタースピードを短くすればするほど、撮れる写真は暗くなってしまう。

コンデジやフルオートで、暗いところで写真を撮ると、「カッ…シャッ」となり、ブレブレの夜景が撮れたりするが、これはシャッターを開ける時間を長くすることで光を多く取り入れ、なるべく明るく撮ろうとカメラが自動判定した結果だ。

人間が手持ちで撮影してブレないようにするなら、1/125秒が限界だと思う。ビデオカメラが 60FPS で撮影できたりすることを思うと、動きの少ない被写体であれば、1/60 秒でギリギリいけるかもしれないが、基本的には1/125秒以上が、手持ち撮影で最低必要なシャッタースピードだと思う。

室内や夜に手持ちで撮る時は、撮れる写真がいくら暗くなってしまおうと、これより長いシャッタースピードにしたらブレて仕方ないので、まずはブレない写真にするために、夜はシャッタースピードの指定が大事だと思う。

絞り

シャッタースピードよりも意味が分かりづらいのが「絞り」だと思う。カメラに取り込む光の量を数字にしたもので、レンズが光をどれだけ通すかが変わってくる。

数字には「F」という記号がついていて、「F2.8」とか「F6.3」とか表記されている。

数字が小さいほど、レンズが絞りを開いていて、光をたくさん取り込む。光をたくさん取り込むとどうなるかというと、より明るい写真が撮れ、同時にボケ味が増える

一眼特有の強いボケ味は、一気に写真が上手く撮れるようになった気がするのだが、下手すると「ピンボケした写真」を量産することにもなる。何でも安易にボケればいいワケではなく、時にはシャープな写真を撮るために、あえて絞り値を上げる = より絞る、ということもする。

なお、ボケ味のことは「被写界深度」と呼び、絞りと焦点距離によって決まる。

一番絞りを開いた状態のことを「開放」と呼ぶ。どれだけ絞り値を下げられる = 絞りを開けられるかは、レンズの性能によって変わってくる。

多くのレンズは「70-300mm・f/4.5-6.3」などと書いてあると思うが、これは「70mm で撮る時は F4.5 まで絞りを開けられて、300mm の時は F6.3 まで開けられる」という見方になる。つまり 300mm でズームして撮影する時に、F 値を 4.5 には設定できないワケだ。ズーム中の中間の絞り開放値はレンズによって異なり、注意深く見ていると「ある焦点距離を堺に急に暗くなる」といった特徴で、絞り開放値が切り替わるポイントを実感することもある。こういうレンズは「F 値可変のレンズ」となる。

ちなみに、スペック表に「MTF 曲線」という曲線図が書いてあって、これがレンズの焦点距離に応じた画質を表しているので、これをいろんな製品で比較してみると、おおよその検討が付けられるようになる。

また、「F 値が固定のズームレンズ」、つまり、ワイドからテレまで、同じ絞り開放値を持っているレンズもある。よく「F2.8通し」なんて表現される。ただ、それだけ精密なレンズになるので、お値段も張る…。

数字としてどのぐらいが「明るいレンズ」なのかというと、F2.8 以下はかなり明るいレンズと言える。特に 300mm 程度の望遠になってくると、F6.3 は暗くて、F4 だと明るめ、F2.8 通しとなると現行製品ではシグマの30万クラスぐらいしかない?という感覚。この辺は「価格.com」でスペックから検索し、雑多に値段と品数の感覚を見てみると、「この辺のスペックは少なくて高い = 技術的に難しい = 優秀なレンズ」といった感覚が掴めると思う。

ちなみに、映像作品における記念写真のシーンなんかで「シャッターが切られる演出」があるが、これは「絞りを閉じる」動きと見るのが自然である。

ISO 感度

ISO 感度とは、カメラに入ってきた光を受け取る能力の数値、と呼ぶと分かりやすいと思う。弱い光を、どれだけ過剰に反応して記録するか、といった感じ。フィルム時代は ASA 感度とか呼んでいたモノ。

ISO 感度 (数字) を上げれば、より明るく撮ることができるが、感度を上げるというのは電気信号をより増幅させることなので、結果的に写真にノイズが乗ってくる。

感覚的には、シャッタースピードと絞りで全体を制御し、足りないところを ISO 感度で補う、という使い方が良いのではないかと思う。基本は低い数字で。

だいたい、昼間の野外だと ISO 感度は 100 とか 200 とかで十分。あとはシャッタースピードと絞りで制御できる。暗いところで写真を撮る時は、ISO 感度は 6400 まで上げてしまうとそれなりにノイズが乗るので、6400 を限度と考えておくと良いかと。


今回はここまで。