カメラ素人の知見まとめ : 「結局どういう設定値で撮ったらいいんだよ!」という人のために、ぼくの設定値晒す
カメラ素人が学んできたことをまとめるシリーズ。今日は僕が色々なカメラに関する記事を見ていて思っていたことを記事にしようと思う。
結局どういう設定値で撮ったらいいんだよ!
デジイチのセッティングに関する記事を見ても、「よく見て見極めて…」とか、「良い塩梅で…」とか曖昧な表現ばっかりで、「素人には分からんのじゃー!お前が設定してる数字を教えろ~!」という思いがずっとあった。だから今回は、恐らく初心者が求めているであろう、「数字そのもの」を書くことにする。
何故具体的な数値の情報が少ないのか
なんで「こういうセッティングで撮ってます」という情報が思ったより少ないのかというと、数字だけ真似たところで、出来はカメラとレンズの性能で変わるからだろう。
「私は F5.6 で撮ってます」といっても、それが廉価レンズの開放値で、Nikon D3000 みたいなエントリーモデルで設定したものなのか、F2.8 通しの望遠レンズを少し絞っていて本体も型番が1桁なハイエンドモデルで設定したのか、で、同じ出来にはならないからだ。
カメラもレンズもその人と同じで、被写体に対する環境要因も全部同じ、ということはまずなくて、数字だけ聞いてもそこまで参考にならないということだ。だから「数字で語る」ということが少ないのだと思う。
カメラ雑誌には数字が載っているものの、自分が撮りそうな被写体じゃないとピンと来ないし、「プロとかハイアマチュアの機材での話でしょ…?」と思ってあんまり参考にできない感じも理解できる。
キットレンズでの情報なら役に立てるかも…?
そこで思ったのが、「エントリークラスの本体に付属するキットレンズであれば、皆同じ組み合わせで商品を買わされるワケだし、参考にしやすい・比較しやすいのではないか」ということ。同じ本体、同じレンズに限れば、この設定でこんな写真になりますよ、真似たら大体同じ写真が撮れると思いますよ、というワケだ。
写真の出来はともかくとして、参考情報として、これからそれを晒していこうと思う。
紹介するカメラとレンズ
これから紹介するカメラとレンズの組み合わせは以下のとおり。
- ボディ : Nikon D5600
- 標準レンズ : AF-P DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR
- 望遠レンズ : AF-P DX NIKKOR 70-300mm f/4.5-6.3G ED VR
このカメラとレンズの組み合わせは、「Nikon D5600 ダブルレンズキット」として販売されている組み合わせである。標準レンズと望遠レンズでは大体同じ設定で普段撮っているので、どちらのレンズでも以下の情報を参考にしていただきたい。
ぼくの設定値の決め方
ではいよいよ、用途に応じてこういう設定値にしているよ、という決め方をお話する。以下のとおりである。
- 昼間・屋外で動くモノを撮る場合
- モード : シャッタースピード優先
- シャッタースピード : 1/400 秒 ~ 1/500 秒
- 1/400 秒もあれば基本ブレない。1/400 秒にするか 1/500 秒にするかは全くテキトー。
- 絞り : (シャッタースピード優先なのでカメラにおまかせだが、ほぼ開放 = このレンズでズームしていると F5.6 ~ F6.3 くらいの数値になる)
- ISO : 100 ~ 400
- 天候・場所・被写体によってこの範囲ぐらいで設定する。
- 昼間・屋外で街撮りなどする場合
- モード : 絞り優先
- シャッタースピード : (絞り優先なのでカメラにお任せだが、1/250 ~ 1/800 秒くらいになる)
- 絞り : F8 ~ F9
- 少し絞るとシャープな写真が撮れるのでこのぐらいにしている。
- もっと背景をボカして撮りたければ、標準レンズなら F4 開放にすると良いかと。望遠だと開放が F4.5 なので仕方なく開放 F4.5 で。
- ISO : 100 ~ 400
- 先程と同様、昼間の屋外は天候や被写体などに応じてこの範囲ぐらいで設定する。
- 夜間・屋外 or 室内でフラッシュを使わない場合
- モード : シャッタースピード優先
- シャッタースピード : 1/160 秒 ~ 1/320 秒
- 被写体によるが、1/125 秒も許容範囲。なるべく明るく撮れて、被写体がブレないようにこの範囲ぐらいで制御する。
- ある程度の暗さなら後でシャドウを明るくするよう画像編集すればいいと思って撮ってる。
- 動かないモノで、どうしても明るく撮れない場合は最悪 1/80 秒まで使うこともある。
- ISO : 4000 ~ 8000
- シャッタースピードと絞りは「数字を下げれば明るくなる」が、ISO は「数字を上げると明るくなる」。しかし、上げるとノイズが出るものなので、なるべく小さい数値にしておきたい、というのが基本的な考え方。
- 夜でも被写体にライトがちゃんと当たっているとかで、白飛びが酷くて 4000 も要らない、という場合は当然下げていい。
- 10000 以上にするとノイズが酷すぎるので、暗くても極力使わない。一応試しに 10000 以上で撮ってみたりするが、結局使わない写真になる。
今のところフラッシュを使う機会がまずないので、フラッシュを使った場合というのがない。
設定の標準値が見えてきた : 「4 で揃える」!!
以上の設定の中で、いくつか似たような数字が出てきていることに気付いただろうか。それは、「4」にまつわる数字が多いということである。
- シャッタースピード : ブレずに撮るなら 1/400 秒・暗所なら 1/160 秒程度 (16 = 4×4)
- 絞り : ボカすなら F4・シャープに撮るなら F8 程度 (8 = 4 × 2)
- ISO : 明るい所なら 400 以下・暗い所なら 4000 以上
こうして見ると、「まずは全ての設定を 4 で揃える」というのをベースにして、明るさに応じて設定を1段階ずつ変えて調整するのが良いと思う。
参考になりましたか…?
今回は Nikon D5600 ダブルレンズキットを使った時に、ぼくが思う標準的な設定値を晒した。
同じ Nikon の別のレンズキット商品だとか、別メーカーで同等程度のスペックのキット商品でも、ある程度は参考にできるんじゃないかな~と思う。レンズは絞りの数字と、カタログに載っている MTF 曲線を比較して明るさや画質を想像し、ISO は本体の性能 (定価の値段で推し量ってもいい) からノイズがどんな塩梅になるか推測して、それに応じて設定値は前後に調整してもらうと良いかと。
そして大事なのが、「一度決めた設定は別に何度変えてもいい」ということ。撮影につい夢中になっていると、「う~ん上手く撮れない…」と言いながら設定をいじらない、というおかしな焦り方をしている時がある。設定はいくらでも変えていいし、自分が良いなと思った写真が撮れたセッティングが正解なので、「セオリー」にハマりすぎず、自分の好きにすればいいのだ。
いきなり撮り直しが利かない被写体でチャレンジすると失敗した時につらいので、最初は何度でもやり直しが利く被写体で、設定値を少しずつ変えて確認しながら、「どんなことがあってもこれ以上の数字にはしない」といった制限を自分の中である程度作っておくと良いだろう。そして、余裕があれば本番でもその数字を超えて写真を少し撮ってみて、出来を確認すると良いだろう。
参考にしてほしい過去記事
ディズニーシーのショーを 70-300mm レンズで撮影した写真を、以下の2つの記事で上げている。それぞれの写真の下に、シャッタースピード、絞り、ISO、撮影時の焦点距離を載せているので、こちらを見ていただくと「その数字でどのような写真が撮れるか」が一目で分かると思う。
東京ディズニーリゾートで写真を撮る人に参考になりそうな記事
他人様のサイトで、自分が参考にしたモノを紹介。
- だいぶ暇だったのでPENTAX K-1を使ってカメラのテストというか露出とか被写界深度とか色々と写真のお話 - TDSで綺麗なお姉さんを撮ってる人のなんちゃら
TDS でショーの写真を撮りたい人はこのブログがとても参考になると思います。 - 夜のパレード撮影方法 | ディズニーリゾートの楽しみを追求する Disney breeze
TDR でパレードの写真を撮りたい人はこの記事が参考になるかと。