「勉強のやり方を聞いている間は勉強しない」。それでもなお勉強法を尋ねたい人にはこう答える。

受験勉強でも、技術習得のための勉強でも、「どうやって勉強するの?」という方法論を求める人は、一生勉強しない。

こういう質問が出てくる人の真理を考えると、「効率的に勉強したい」と考えていて、それは「そもそもなるべく勉強したくない」という思いからだろう。どちらかというと、必死に勉強しなくていい理由を探しているのに近い。勉強が必要なモノに対して、勉強しなくて良い方法を探しているのだから、動機が不純なのだ。

どうやって勉強するか、というより前に、「本当に勉強する気があるのか」を問おう。できれば「勉強しないとこうなってしまうから勉強する」というネガティブな動機は使わない方がいい。それは時間をかけて「勉強しなかった場合」を許容できるようになってしまえば、勉強しなくなってしまうからだ。できれば、勉強して達成したい目標があるとか、勉強すると得られる効果とか、そういうポジティブな動機を持とう。

その上で、それでも勉強法が知りたいと思うのなら、ぼくからできるアドバイスは一つ。

参考書も問題集も、「コレ1冊で!」という本はない。全ての本を読まなければいけない。全部の問題を繰り返し解かなくてはいけない。

あなたが効率や省力化を求めようとしても無理だ。勉強というのは、まず全てを知る必要があり、複数の情報を自分の頭の中で総合することで、ようやくアウトプットすることができるようになる。だから、参考書は片っ端から読み漁らないと勉強にはならないし、問題集もありったけやる。コレ1冊だけで何とかする、なんて発想はハナから捨てるべきだ。

「そんなに沢山の本は買えない」と思うかもしれないが、別に中古本でいいし、勉強する対象のジャンルにもよるが、少し古い本だろうと、大概無駄にはならない。それに、会社で推奨される資格の勉強などであれば、合格した時にいくらか報奨金が出て、本にかけた値段なんてまかなえる。お金が出ない勉強であっても、勉強した知識を生かして、仕事における自分の生存戦略に使っていけば昇給が見込める。たかだか数千円の書籍への投資で、それから数年後の給料が月数千円~数万円変わってくれば、まったく損ではないだろう。

勉強しない理由探しはそこまでだ。とっとこういう発想に切り替えよう。あなたはまだ勉強していなくて、方法論を聞いて吸収できるほど頭も良くないんだから、書籍は頭から最後まで読み、沢山の本を読み漁って知識を総合していくのだ。