「口頭で伝えた方が早く済む病」のバカを駆逐したい

ビジネスにおいて、何かにつけて「メールなどの文章より口頭で済ませた方が早い」と言う奴がいるが、口で説明した方が上手くいくという発想はほぼ 100% 失敗する、間違った思考だ。

口頭の方が上手くいくと思っているのは伝える側だけで、総じて聞き手を意識できない自己中だ。

だいたい口頭伝達を好む奴は文章を書くのが苦手で、それはつまり日本語の言語能力が低いということだ。話し言葉と書き言葉は違うなどというがそれは日常会話の話で、ビジネスで伝えるべきことを正確に伝える技術としては、文章に落とし込めるだけの「言語化」ができる能力が必要なのである。

それがなぜか、口頭だと言語化する能力が要らなくなると思っているのか、「そっちの方が伝わる」と言いたがる。日本語が不自由な奴は話しても書いてもダメなんだよ。だったら記録が残る文章でのやりとりの方が良い。


受け手として、文章であれば、何度も読み返したり、主述の関係を整理して読み取ったりすることができる。その文章を引用して内容を確認する返事が書けたりする。

逆に口頭での会話というのは、受け手は話し手が展開する話の順番に支配され、話し手の時系列に合わせて聞かなくてはならない。これは初めて理解する内容が多い程難しい作業になる。話し手は書く時と違って言いたいように喋るので、時系列や物事の順序が整理されていないことが多く、それを受け手が再整理しながら聞く必要がある。

そうすると質問による確認の回数が増えるし、口頭は大抵記録が残らないから、「言った・言わない」とか「自分は伝えた・いや伝わってない」といった揉め事の種になる。

一度聞いて全てを理解し、二度と忘れない、というようなことは人間には不可能だ。だから時には何度か同じことを聞いてしまうことになるものだ。そうしないようにいくら気を付けたところで、人間には忘れる能力が備わっているものなので無理な話だ。だったら1人で読み直せる文章の方が、話し手に時間を取らせずに済む。


要するに、話し手の方が情報を持っているのに、それを整理して理解する労力を聞き手に委ねているのが、口頭伝達というものなのだ。

ビジネスにおいては大抵は話し手が上司で、内容が業務指示になるワケだから、指示を受ける部下の方には絶対的に会話の内容に対する知識が足りていないはずだ。

それを部下の方に丸投げしてうまく理解しておけというのは、上司としては無能でしかない。

指示を出すなら、文章に理路整然と落とし込んで伝え、不明点や確認事項は文書でやり取りして記録を残すのだ。急いでいる時、「些細なこと」と思っている時こそ、口頭で済ませてしまうとあとあと記録が残っておらず、面倒なことになるのが見えている。


こうしたことを、話し手は考えない。口頭で発信するのは話し手としては楽だからだ。自分が問題の種になっている場合、その人は問題を認知出来ないので、周りが直接的にその行動を否定してあげないといつまでもそいつは変わらない。

自分が日本語をまともに話せていると思うな。お前の日本語に一番問題があって、みんな迷惑してんだ。