「前例がそうだったから」だけでは根拠にならない

よく後輩が意味不明なコードを書いてきたり、手順書に不必要な手順を入れてきたりする。

「なんでこんなことが書いてあるの?」と聞くと、決まって「参考にした別の資料やコードにそう書いてあったので」と言う。「じゃあこれはどういう目的で書いているの?」と聞くと、「コピペしただけなので分かりません」とほざく。

「他の資料に何と書いてあろうと、今キミが作っているものに対して必要なかったら要らないのだから、『他がそうだから』を根拠にするのは止めなさい。それ根拠にならないから」と何度も言っているのだが、一向に治らない。

これには恐らく「自分が今何を作っているのか分かっていない」という問題があるのだろう。僕を含めた先輩上司からの仕事の振り方が悪いところもあるだろうし、後輩らが理解できるところまで言語レベルを下げていかないといけないのだろう。

だが、仕事を任された側は、任された以上は「自分が分からないもの」を作ってはいけない。分からないことがあれば事前に聞いたり調べたりして解決するのが仕事だ。

それを「前もそうだったらしいから、意味は分からないけどコピペしておく」なんて姿勢・考え方で、筋の通ったモノが出来上がるワケがない。カーゴカルト。

他の資料にそう書いてあるのには、何らかの理由があるはずだ。大抵はその状況やタイミングにおいて必要だから書いてあるのであり、全ての場合に適用できるものは少ない。同じやり方や内容が自分が作っているモノに適しているのかをよくよく調べなくてはならない。

そして、その資料からそう書いてある経緯や意図・理由が読み取れなかったら、その資料はキミと同じような思考でテキトーに作られただけだ。参考にならない。

残念ながら、キミのようにテキトーに仕事をする人間はごまんといる。そういうクソみたいな先人が残した資料を参考に、不必要な伝言ゲームをしているようなものだ。形骸化というのは自分が何をしているのか理解できていない連中が無神経に伝言ゲームを続けているから起こるのだ。

今回も前の資料と同じ内容を書くのだとしたら、それは何故か。今回の場合においてもこういう理由で必要だから、と言えなくてはならない。

逆に、今回は要らないのであれば、それは何故か。今回の場合は前回と比べて何が違い、だから要らないのだ、と説明出来なくてはならない。

そのくらいのこと出来るようになってから会社入ってくれ。