なんで分かったフリをするんだろう?
若手に作業指示を出したり、若手からの質問に答えたりしている時、明らかに分かっていなさそうな顔をしているのに「はい分かりました」と言って自席に戻ろうとする。
「ちょっと待って、本当に分かってる?何か疑問に思うこととか腑に落ちないことがあるんじゃない?」と聞くも「はい、大丈夫です、特にないです」としか言わない。
ならいいのかと思って見ていると、2時間後ぐらいに「分かりません」とか言ってやってくる。コイツラ何考えてるんだろう?
僕は「分かったフリ」をしたこともないし、しようとも思わない。自分が分からないでいることを放置するのはチームや組織の目標達成において阻害要因にしかならないし、何より自分が分かっていない状態のままでいることが気持ち悪いからだ。
だから本当に彼らの気持ちが理解できないのだが、とりあえずそういう人種がいるので、何とかしないとこっちも迷惑している。さて、どうしようか、というのが今回の話。
目次
分かったフリをする理由と、改めてほしいところ
彼らが分かったフリをする理由は分からない。想像できる限りだと、以下あたりだろうか。タイプ別に「こうしてくれ」って思いも書いてみた。
- 分かっていないことを認めるのが格好悪いと感じている
- 若造がくだらねープライド保とうとしてんじゃねえよ、お前が分かってねえのはとっくにバレバレなんだっつーの。認めない方が余計に恥ずかしいわ。
- 年次が上の人の場合は、「部下の前で無知を晒せない」とか思うのかも?コチラも部下からは既にバレているので、プライドが理由なら変に取り繕わない方が良い。
- 分かっていないことで怒られるのが怖い
- とにかく怒られたくないから、対人しているその場から逃げようとしているだけ。
- 聞こうにも聞けず一人で調べたりして足掻くが、そんな自分のことしか考えていないバカが一人で問題を解決できるワケない。
- 諦めて怒られろ。怒られるのはお前に問題があるからだ。逃げたって無駄だ。その場で学ぼうとしろ。
- 自分が分かっていないせいで、教えてもらったりする時間を取らせるのが悪い、と思っている
- 「相手に時間を取らせてはならない」が先行するタイプ。だが、こういう奴は少し先を見据えたスケジュール管理ができていない。
- バカが足掻いてる間に作業が遅延していても気付かないし、分かっていないまま適当に取り繕った成果物を出してくるからレビュー指摘が多くて根本から直したりすることになって、レビュー工程で工数がかさんだりする。
- 最初に分かったフリをしないで聞いておけばその場で済んだのに、後になって余計に迷惑かけてるっつーの。自分のことが出来てないヤツが先輩上司に気を遣おうとするな。ちゃんと教われ。
- 分かっていない自覚がないので「分かった」と言っている
- 聞いたことをなんとなく理解している気になっているタイプ。
- 天然で自覚がなく、いざ作業を始めようと思うと「そういえばこの処理のやり方ってどうやるんだっけ…?」とかなってる。
- もう少し自分に学がないことを認めて、「理解するとはどういうことか」を考え直そう。先々のことまでイメージして、実際に手を動かしたりできるレベルにまで咀嚼できてようやく「理解した」と言えるんだ。
先輩上司をナメているからこそ「分かったフリ」ができる
最後のド天然パターンを除いて、何かの意図をもって「分かったフリ」をする連中は、先輩上司・他人のことをナメている。
先輩や上司だって、これまでの人生の中で何かしら「知ったかぶり」をしたり、準備不足や嘘を取り繕ったりした経験はあるだろう。それに、過去にそうやって誤魔化そうとする後輩も何人か見てきたことだろう。
ということはつまり、今まさに目の前で何かを取り繕うとしている人間のことなんか、見え透いているのだ。
お前程度がやる誤魔化しなんて、こっちだって若い頃やったことあるんだ。そんなことで誤魔化せると思うなよ、というワケだ。
それなのに嘘をつこうとするということは、「この先輩上司は誤魔化せる」とナメてかかっている証拠だ。見透かされているかもしれない、という頭が回っていたら、ごまかさず正直に分かりませんと言えるはずだ。「分かりました」と嘘をついてやり過ごせる、と、上司を甘く見ているのだ。
先輩上司はこうした視野の狭い行いから人事評価もキッチリ下げるから、誤魔化そうとなんてしても無駄だ。
反射で「はい」って言うな!!
分かってないのに「分りました」って言うな!!
やりもしないくせに「頑張ります」って言うな!!
やってる人間には分かっちゃうんだ。
分かっていないのに分かった気になってしまうタイプの人は
さて、一方ド天然タイプは、「分かった」とは何か、もう少し概念的なところを考えないと、一生ボンクラのままだ。
何かを見聞きして、理解したと自己判断する前に、次のことをやってみよう。
- 上司からの指示は自分が理解した内容を自分の言葉で言い直し、「~~する、という意味で宜しいでしょうか」と聞いてみる。
- 相手の言葉をオウム返しするのではなく、「要するに」「つまり」と言い直して自分の言葉で表現してみる。そうすると理解のズレが見えてくる。
- 言い直す際に使う類義語を正しく区別して理解できているか、という日本語の語彙力にもかかってくるかもしれないが…。
- 手順や段階が絡んでくる内容は、文字で書き直し、フローチャートにしてみる。
- 物事の順序や、後続への影響などを正しく理解できているか、時系列で表現し直す。
要するに、見聞きした内容を違う形で再度アウトプットしてみろ、ということだ。面倒臭いと感じる人は残念ながら劣っている人種だ。こんなこと普通の人はみんな当たり前にやっている。それが自分の理解度を相手に共有する手段であり、認識のズレを事前になくすための行うべき作業だからだ。
分かったフリをすることによるメリットはない
今すぐ知ったかぶりも誤魔化しも止めよう。あなたが無知でバカなことは既にバレている。取り繕っても無駄だ。
知らないことは知らないと素直に認め、すぐにキャッチアップしよう。そして理解度を相手と適切に共有しよう。それが一番チーム全体のタメになるし、自分自身のタメにもなる。