なぜか「は」より「が」を多用して話す人
新人が朝会で作業内容を報告する時に、
- 「昨日の実績が、〜〜タスクをやりました」
- 「今日の予定が、〜〜の実装を引き続き行います」
といったように、なぜか「は」ではなく「が」で文章を繋ぐ癖があった。
気になったので本人に「どうして『が』って言うの?」と聞いてみたが、「無意識に話していたので分かりません」とのことだった。
「お前は人様に話を聞かせるっていうのに無意識に話してるのか?」と別の怒りを覚えたが、とりあえず、話をしている時に「は」と「が」の違いが気にならない人がいるようである。
平たく言うと、通常「が」を使うのは述語が動詞文の時で、「(誰 or 何) が、(Do) する」という構成の時に使う。それ以外の名詞文や形容詞文、つまり「(誰) は教師です」「(何) は小さい」といった文章は「は」を使う。
そして、この「は」と「が」をそれぞれ逆転させると、限定の意味合いが強くなる。すなわち、
- 「(他ではない) (誰 or 何) は、(Do) する」(動詞文)
だったり、
- 「(他はともかく) (誰) は教師です」(名詞文)
- 「(他ではない) (何) は小さい」(形容詞文)
といった具合だ。
主語の手前に、「他ではなく」といった隠れたニュアンスがあるのだ。
これを考えると、作業報告は「名詞文」に近いので、
- 「(私が行った) 昨日の作業は、○○である」
と表現する方が自然で、
- 「(他ではない) 昨日の作業が、○○である」
と限定を表現するのは不自然なのだ。
以上が、「は」と「が」の使い分けに感じた私の違和感だ。
新人には「無意識で喋るのは止めよう。そして、特に理由がないなら『は』で作業報告しなさい」と言っておいた。
自分が使う言葉には一文字単位で注意を払いたいものだ。