「モンスターズ・ユニバーシティ」を観た

2013年の「Monsters University モンスターズ・ユニバーシティ」を観た。

あらすじ

舞台は2001年の「Monsters, Inc. モンスターズ・インク」の前日談、サリーとマイクが大学で出会うところ。

マイクは幼少期からその小さい身体つきをからかわれていたが、モンスターズ・インクの仕事を見て「怖がらせ屋」になることを目指し、モンスターズ・ユニバーシティに入学する。

一方、サリーは優秀な怖がらせ屋を代々輩出するサリバン家の一族で、努力家のマイクをバカにしながら、天性の才能で教師群からも評価されていた。

こんなソリの合わない二人だったが、ひょんなことから「怖がらせ大会」に参加するためのチームを組むことになり…。

感想

前作「モンスターズ・インク」ではサリーの名アシスト役として活躍していたマイクだが、彼がどうしてそのようなポジションに就いたのか、という経緯が描かれている。

マイクは元々、彼自身が怖がらせ屋になることを目指していたのだ。しかし、生まれつき小さな身体つきで、努力だけではどうにもならない限界があった。大学の女性学長、ディーン・ハードスクランブルからも、「怖がらせ屋にはなれない」と言われてしまっている。

しかし、サリーや仲間を率いて「怖がらせ大会」でチームを勝利に導いたことから、マイク自身が上手く怖がらせることはできなくても、周りの人をアシストすることで「怖がらせ屋」になることはできる、と気付く。

自分が元々思っていたとおりの形にはいかなかったが、それでも夢の核心は持ち続けた、だからこそ「モンスターズ・インク」の職員として活躍できたのだ。

一方のサリーは、「家柄もあって元々デキる子」だったので、自分の才能に慢心して努力をしていなかった。サリーはサリーで、学長からそこを指摘されて「怖がらせ屋にはなれない」と言われていた。

観ている人の中には、「小中学校の頃までは優秀な方だった」という人もいるのではないだろうか。自分もどちらかというとそっちの方で、「小学校のテストで100点以外なんか取ったことない」方だった。だけどその慢心のせいで、高校・大学は芳しくない成績で卒業することになった。

これはこれでコンプレックスだ。サリーのようなタイプは、マイクのように周りでフォローしてくれていた人たちの存在に気付かず、自分はデキると思い込んでしまっていたのだ。仲間たちとの協力あってこそ、自分も成長できる、ということなのだろう。

サリーのように慢心してしまっていて、うっすらその自覚がある人、もしくはマイクのように、思ったようにいかない中で、どのように自己実現を果たすかの分岐点にさしかかっている人。

本作はそんな「大人」のための映画ですらあったように思う。ディズニー・ピクサーお得意のストーリー構成ではあったが、思わず大人がハッとさせられるシーンもあったりして、楽しく観られた。

そうそう、DVD には特典として「ブルー・アンブレラ」という短編も入っていた。コレがなかなか面白かったので、コチラもぜひ見てみて欲しい。