プログラミング中に使う英語、コレだけ気にしておけば英語ができない人も大丈夫、だと思う話

英語ができない人が書くコードは、とにかく物事の関係性が無茶苦茶だ。主述はハッキリせず、クラスの役割もグチャグチャで、オブジェクト指向を理解していないように見える。それはきっと、「概念的な理解」が弱いからだと思っている。物事を適切に抽象化する能力がないのだ。

そんな奴には早いところ仕事を辞めてもらいたいものだが、何故かいつまでも居座りやがるので、マシなコードを書いてもらうために注意してもらうことを考えた。

すなわち、コレから話すことだけ気にしておけば、英語ができない人もそれなりなコードが書けるようになるだろう、というコツだ。

目次

英単語の品詞を必ず確認する

英語ができない奴に限って辞書を引かない。辞書の読み方を知らないからだろう。ホントどうやって成人したんだろう。

これから書こうとする英単語は、Google 検索から Weblio 辞書あたりを使って必ず辞書を引いて、品詞を確認すること。品詞とは、「動詞」「名詞」「形容詞」など、単語の種類を示すものだ。まずはその単語の品詞を知る。

例えば、register は動詞だ。日本語にするなら「登録する」であって、「登録」という名詞ではないのだ (register of と使えば名詞だが)。辞書を引くと分かると思うが、名詞形の単語で「登録」というなら registration だ。

この「品詞」を知っておくと、次に紹介する「文型」に当てはめて、単語を正しい順番で組み立てて文章を作れるようになる。

文型を覚える

英文章の構造は主に5つの「文型」で表せる。

  1. SV
  2. SVC
  3. SVO
  4. SVOO
  5. SVOC

主にこの5つだ。S や V は、大雑把に以下のように覚えておけばいい。英語のできない連中はどうせこれに当てはまらない難易度の単語や言い回しはできるはずがないのでコレでいい。

形容詞だとか副詞だとか、コレ以上の細かい文法要素は、プログラミングにおいては覚えなくて良い。

プログラミングにおける文型をオブジェクト指向からおさらいする

コレで、使用したくなった英単語の種類と、英文章の一般的な組み立て方が理解できるようになる。

次は、コーディング時にどのようにコレを当てはめていけばいいか、をおさらいする。ココではめちゃくちゃシンプルに。

基本は名詞。メソッド名、関数名だけが動詞、と覚えていい。これに則って命名を決めていくと、以下のようになる (TypeScript コードを例にした)。

// User クラス : クラス名は名詞
const user: User = new User();

// 対象の User の名前を知る : メンバプロパティ name は名詞
// 例えるなら「the name of this user」なイメージ。「user の name は…」という作り。
console.log( user.name );

// 対象の User の年齢を設定「する」 : メソッド名は動詞 (set) をベースにする
// この場合、「年齢を」(Age) は目的語、引数の値は「〜歳と」と表現できるので補語、つまり全体で SVOC の構造だ。
user.setAge( 25 );
____ ---___ ----
 S    V (O)   C

というワケだ。

これから作ろうとする処理を何という単語で表現するか考える時に、辞書を引かずに英単語を導き出すのはバカがやること。辞書を見て、単語の品詞を確認して、文型に当てはめるのだ。辞書を引かなくて良いのは、単語の品詞を覚えきっているときだけ。僕は今でも毎回辞書を引いて正しい情報を再確認している。

ローカル変数なども原則名詞。何かを「行う」変数、となると、その変数に関数を代入した時ぐらいだろう。結局その変数はメソッドのショートハンドとして命名するので、それが動詞になるのは分かるだろう。

名詞は基本は単数形

ところで、名詞は基本は単数形で使う。複数形を用いるのは、「複数のリソースを扱う場合」。

例えば「ユーザ一覧」は userList と表現しても良いけど、あまり list という単語に意味がないし、実装上の ArrayList を表現しているなら、型で言えば良いので変数名には不要。だから users で良い。

「複数のリソース」というのは、「機能のまとまり」を表現する時にも使える。REST API の URL 設計と同様に、「ユーザ登録画面」「ユーザ編集画面」みたいなコンポーネントのまとまりを表現するディレクトリ名も users と表現すると良い。

言語・用途別にベストプラクティスを調べまくる

「プログラミング 命名規則 メソッド名」などという風に検索すると、良いメソッド名のサンプルが見つかる。例えば「登録」に近い単語で言うと、以下のようなものが出てくる。

盲目的に「登録 = register」としか思っていないと、この辺のボキャブラリーが貧弱で、全部 register と書いたりする。それぞれの単語の違いや、使うタイミングを考えると、

みたいな使い分けが見出だせるようになる。

で、コレ以外に「こういう場合はこういう言い回しをよくする」「CSS の場合はこういう命名規則をする」みたいなモノがあるので、それらは言語別・用途別に調べてメモしておく。

例えば、「対象データの登録者」「登録日」などの情報を、よく「registerUser」なんて表現したり、「名詞にしなきゃ」と思ったのか、存在しない単語「regist」を使って「registDate」とか書いてたりする。コレは極上のバカだが、ニホンノエスイーでは残念ながらよく見かける。

世界的に一般的な表現の仕方は、createdBycreatedAt だ。コレはオブジェクト指向が理解できていれば、容易に読みやすいコードになることが分かる。つまり、フィールド変数名とその値がイコールで結べるというワケだ。

// 商品情報 ProductItem クラスのデータの登録者を設定する
productItem.createdBy = '山田太郎';  // 「誰が作ったのか?」=「この人が作った」の図式が出来上がる

// 商品情報 ProductItem クラスのデータの登録者を調べる
console.log( productItem.createdBy );  // → 「登録者名」が得られる

こうしたベストプラクティスは、1度調べて1つの文献を見れば十分、というワケではなく、「良いとされているもの」のサンプル数、そしてその信憑性 (= 複数の文献で同じように言われているか) を自分の中で増やしていかなくてはならない。


バカほど調べないで「自分の考え」に固執しがちで、繰り返し文献を読むということを怠り、そのうち「自分の考え」が一般常識から乖離していくのだ。

必ず辞書を引け。毎回同じことを Google 検索しろ。出典のある情報を利用しろ。