その辺の人間はどいつもこいつも等速直線運動

その辺の人間はどいつもこいつも等速直線運動をしている。

何の話かというと、道を歩いている時の、周りの人間の習性のことだ。

ほとんどの人は、周りに人がいようといまいとそれまで歩いている方向に向かって、速度を変えずに歩行している。相手の行く先を予測して歩行スピードを変えたり、少し避けたりするような能力は彼らにはない。

彼らを「相手のことを慮る能力のある人間」とは思わず、「等速直線運動をしている物体」と見なそう。そうすれば、「こっちは相手の進路を避けてスムーズに歩けるように考えているのに、何故コイツらは無神経に突っ込んでくるんだ!?」なんて見当違いな怒りは覚えない。それどころか、「俺様は物理が分かっているから、このような物どものことはきちんと避けられる」という優越感すら覚えられる。なんなら意図しない動きをしてきた「物質」を上手く避けられなかった時に、「この俺が物質の動きを見誤るとは、俺もまだまだだな…」なんて思えたりする。


…というのが、ココ最近僕が編み出した「道端の無神経な輩の行動に腹を立てないようにする考え方」だ。

周りの人々のことを「等速直線運動をするただの物質」と見なす、人を馬鹿にしきった考え方が、自分の溜飲を下げるにはちょうどよかった。