入力スピードが遅い人は学習スピードも遅い
物覚えが悪く、指示を正しく聞けず、どうしようもないミスを何度も繰り返す後輩を何人も見てきて、ある共通点に気が付いた。
彼らはブラインドタッチで文章を入力できなかった。入社したての1年目ではなく、2年目・3年目、下手すると4年目の人間でも、「こいつバカだな~」と思った周りの後輩は皆ブラインドタッチができなかった。
タッチタイピングができないことによるデメリット・損失
彼らは薬指や小指が使えず、人差し指と中指ぐらいまででキーを入力する。当然ホームポジションから両手が離れ、キーボードの刻印を見ながらでないとタイプできない。
先にキーボードの刻印を確認しようとしてディスプレイから目をそらすため、「テキストエリアにフォーカスしていないのにタイプしていた」とか「半角モードになっていないのに気付かず打ち続けていた」とかいうしょうもない時間の浪費が発生する。
「キーボードで文字を入力すること」自体に相当な意識と注意力が奪われているので、人の指示を聞きながら作業している時も「タイピングに必死で聞いていない」とか「打つことしか考えていなくて、何をやっているのか分かっていない」といったことが起こる。
こうしたことから、「タッチタイピングができないこと」が、学習スピードや生産性に影響を及ぼすのは明らかだろう。
タッチタイピングができる人とは、こんな差が出る
パソコンを使って仕事をする以上、タッチタイピングは「箸の持ち方」「鉛筆の持ち方」レベルの話であり、そんなことは当たり前に出来てから、その先の効率化や生産性向上といった話をしなくてはならない。
タッチタイピングが当たり前にできるレベルになっていれば、ディスプレイを見ながらタイプするから、入力結果の誤りにもすぐ気が付くし、指示内容の意図を考えながら無意識にタイプできたりする。同じことをやりながらも、意識が「入力すること」ではなく「入力した内容をどう活かすか」といったその先のことを考えられる。
当然、タッチタイピングができちれば、2本指・3本指で打つより入力速度も速い。本質的に「このデータを入力して」といった単純作業の指示は割と多かったりするから、速く・正確に入力できればできるほど、生産性は高い。それも、「たかがタッチタイピングごとき」のことで、出来る人と出来ない人とでは差が生まれるのだ。
まずはタッチタイピングの特訓から
タッチタイピングができないようなヤツは、新人だろうと何だろうと、SE もプログラマも名乗らないでほしい。箸も正しく持てない未熟児と同じだ。まずはタッチタイピングを特訓しよう。「SE の基礎」「プログラミングの基礎」といった話は、それからだ。