結婚式を挙げたら当初の見積の3倍くらいかかった話
2021-03-26 : 最終的に離婚した二人が挙げた結婚式の話です。そういう目線で見ると何か参考になるかもしれません。
先日、結婚式を挙げた。都内にあるチャペル付きの結婚式・披露宴会場を借りて、式自体は無事に完遂できたのだが、最終的にかかった費用がすごいことになったので、記録を残しておく。
なお、安易に特定されるのを回避するため様々なフェイクが入っているので、細かな点で整合が取れていなくてもご容赦をば…。本質的な点に嘘は付いていなので、ご参考程度に。
目次
- 最初に見学した式場で即決
- 打ち合わせのたびに増えるオプション
- 当初の見積の3倍に跳ね上がって我に返る
- 参加した結婚式を思い返すと…
- ピークの見積から削ったモノ・削れなかったモノ
- 最終的にかかった金額は…
- 挙式当日も営業が…
- なんとか無事完遂…
- これから結婚式を挙げる人たちへのアドバイス
最初に見学した式場で即決
かねてから結婚式は行いたいと思っていて、親族だけのこじんまりとした式をやろうと考えていた。だが、実際のところどんな準備が必要なのかなど全く分からなかったので、まずは試しに近所の式場に見学に行くことにした。
するとこの式場がちょうどよかった。スタッフは真摯に色々と教えてくれ、まずは二人が思うオプションを入れた見積を出してくれた。
当初の見積額はこんな感じ。
- 総額 : 2,180,000円
- 何の割引も適用しなかったとした場合の金額
- 割引価格 : 1,200,000円
- 挙式日を平日にしたりとか、「この初回見積で申し込みしてくれたら割引きます」キャンペーンとか、色々な口実で安くなっていた
- 実質負担額 : 400,000円
- 身内ばかり30人ほど呼ぶと仮定して、ご祝儀が800,000円ぐらいにはなるとすると、二人が支払う実質額は40万で良いというのだ
色々入れてもらって120万、それもご祝儀を考えれば支払いは40万でいいとなったら、値段は十分安いと感じた。
他の式場も見学しに行こうと思っていたが、最初に訪れたこの式場で不満がなかったので、このまま申し込むことにした。
打ち合わせのたびに増えるオプション
その式場に申し込んでから、数回に渡って打ち合わせを行ったのだが、打ち合わせのたびにどんどんとオプションを増やしてしまった。
どんなオプションがあるのかというと、こんな感じ。
- コース料理
- 当初は最低ランクの15,000円のコースで見積もっていた
- 品数が少なかったので、18,000円のコースに上げることに
- ドリンクメニュー
- 元妻が「お酒の好きな人はビールや日本酒の銘柄が選べた方が良いから」と言うので、フリードリンクの品数を増やすために2万ほど使った
この辺が、人数に応じて変わる料理関連なのだが、最終的に招待する人数も30人から40人に増えてしまったこともあり、料理関連だけで50万ほど増額した。
その他、挙式や披露宴を彩る各種要素にちょっとずつお金がかかってしまった。
- メインテーブルやゲストテーブルに置くフラワー関連
- 「5,000円プランだとコレ」「8,000円プランだとこんなプラス要素が」「12,000円プランだとココまで豪華に!」みたいなカタログを見せられるので、ついつい松竹梅の「竹」を選んでしまう
- 当初の見積は、最安値の「梅」プランで見積が組んであるので、当然金額が増える
- ドレス・タキシード・お色直し
- 当初の見積に組み込まれていた割引プランで、ウェディングドレスがタダになっていたので、元妻のお色直し用にカラードレスを選んだ。コレが30万ほど
- カラードレスを選ぶ中で、段々と金銭感覚がマヒしていた我々は、「お、新郎のお色直し用にカラータキシードを選んでも12万か、安いな」なんて言い始め、ノリで僕のタキシードがもう一着増えることに
- さらに、どういうワケか、挙式の時のタキシードが黒色だったのに対し、お色直し後に着るカラータキシードが紺色と、あまり変化のない色味を選んでしまうという失態…
- お色直しをやるとなると、ヘッドパーツが増えたり、ヘアメイクチェンジの追加料金がかかったりする
- ビデオ・カメラ撮影の演出
- プロのカメラマンに挙式中のビデオ撮影をお願いして、あとで DVD にしてもらうサービスで15万
- 同時に、当日「エンドロール」を流してもらうのに13万
- 記念撮影した写真を印刷してもらう、冊子のサイズを変更して1万円
- メイクリハーサル、コース料理試食会、前撮り…
- メイクのリハーサルとやらで数千円かかる。また、新婦側はブライダルエステに通ったりして7万円ほど
- コース料理のランクを吟味するために、試食会に参加。2万円。
- 披露宴ではお色直し後もドレスなので、受付に飾る写真として、和服での前撮りをやった。10万円
- 引出物、引菓子、縁起物、両親への贈呈品
- 当初の見積には最低価格でしか含まれていなかったので、少しでも凝り始めるとすぐに金がかかる
- 式場に多くのブランドが営業に来ていて、どれも素敵なのは事実なのだが、やっぱり当初の見積よりはかかる
主に金額が跳ね上がった要素はこのあたりだった。
その他にも、「マイクスタンドにも花を付けるか」とか「芳名帳も豪華にしようか」とか、ちょっとしたところで数百円~数千円ずつ「ちょっと良いモノ」を選んでしまうと、チリツモで高くなってしまった。
当初の見積の3倍に跳ね上がって我に返る
数回目の打ち合わせ後、「ココまでのプランで見積を作り直しました~」と持ってこられた見積を見て衝撃。
- 割引後の総額 : 3,600,000円
…
……あれ、最初の見積額って120万じゃなかったっけ……?
360万……?
割引後の価格で……?
3倍……?
…
ココで二人とも我に返った。
「一生に一度きりだし」「親への感謝も表したいし」「呼んだ人たちにも不足がないようにしたいし」 など、色々な口実で妥協しづらくなっていたのだが、この調子でいくと結婚式を挙げるだけで破産することは明らかだった。
親への感謝とか何とか言うのなら、自分たちで費用もまかなえてこそだろうし、結婚式以降も色々な人生上のイベントが発生しうるのだから、以降の結婚生活も踏まえて金額を意識しなきゃいけない。
お互いに支払いきれない金額を目の前にして一気に青ざめ、見積に入っている項目を削り始めた。
参加した結婚式を思い返すと…
ところで、自分たちが参加した親戚や友達の結婚式を思い返すと、いくつか発見があった。
- メインテーブルのフラワーアレンジメントなんて誰も見ていない
- バージンロードにどんな花があったかなんて覚えていないし、写真にも収めていない
- マイクスタンドに花が付いていたかどうかなんて意識すらしなかった
- 男の美的感覚だとお色直しでヘアメイクが変わっているかはよく分からない
- 消え物の引菓子なんかはロクに覚えていない
そう、参列者は思ったよりも式場内を見ていないし、もらったモノをそんなに気にしていないのだ。
参列者として記憶に残っているのは、
- コース料理の何か一品でも美味しいモノがあればソレ
- お酒を飲む人の場合、好きなお酒が飲み放題だったかどうか
- インパクトのある余興の類 (余興の前後がどのくらい暇だったかはすぐに忘れる)
こんなところで、何か一つ、強い印象を残せるモノがあれば、あまり退屈もしないし、つまらなかったというような印象は残らないことが分かった。
ピークの見積から削ったモノ・削れなかったモノ
参列者目線で気にならないところを想像して、ピークの見積から以下のような項目を削っていった。
- フラワーアレンジメントの類 : バージンロード、テーブルのフラワーなど
- ゲストテーブルのフラワーは、各卓で行う余興を挟むために、フラワーのランクとしては落とした
- フォトアルバム
- 4・500枚撮ってもらってオリジナルのフォトアルバムを作ってもらおうと考えていたが、コレも27万円ほどかかっていたので、ビデオ撮影だけにすることで切った
- 引菓子、招待状など小物
- 式場が案内するモノから選ぶのではなく、ネットなどで別の業者を探し、自分たちで組み立てたりすることで少し節約できた
その他、前撮りの撮影枚数をケチったり、細々としたところでランクを落として調整していった。
それでも削れないモノも多かった。
- カラータキシード
- 衣装の類は打ち合わせ期間中に申し込みしてしまうので、挙式当日前だとしてもキャンセルするとキャンセル料がかかってしまうため、着ることにした
- 金額面を考えると、キャンセル料覚悟でキャンセルしても良かったのだが、式の段取り的には、新郎もお色直しすることで、新郎が一人で待ちぼうける時間を減らせるので、そこは入れておいてよかったかな
- 金銭的には元妻のカラードレスもキャンセルすることもよぎったが、新婦が綺麗に装っていることは、結婚式を挙げるにあたって絶対ケチってはいけないと思い、コチラは死守した
- コース料理のランク
- 料理のランクはさすがに落とすと品数が少なく印象が良くないかと思い、そのままにした
- エンディングロール上映
- 友人を呼ぶワケでもなく、余興の数が少なかったので、列席者を退屈させないようイベントの類は残すようにした
最終的にかかった金額は…
最終打ち合わせまでに何とか削減していって、最終的な金額は以下のようになった。
- 割引後の支払総額 : 3,100,000円
…なんとか頑張って50万円ほどは削った。これ以上はなかなか削りにくく、この金額で行くことにした。
クレジットカードの限度額を一時的に増額したのだが、自分が持っていたカードは一時増額の限度額が150万円までで、半金の支払いがギリギリだった。おかげさまでクレジットカードのポイントが大変貯まったが、もうあの引き落とし明細は見たくないな…。
なんだかんだ、両家の両親から「援助」をいただき、ご祝儀とは別で120万円ほど出してもらってしまった。その他、招待していない遠縁の親戚などからのお祝い金も含めて、80万円超のご祝儀がいただけたので、それらで相殺した実質的な支払額は、
- 1,100,000円
110万円となった。
どちらの家族の列席者が多かったか、とか、どちらの衣装によりお金がかかったか、などと言い始めると、やはり女性側にかかる金額が多いのは確かだが、二人の間で細かく負担額を決めるのはもう疲れていて面倒だったので、実質負担額の110万は、雑にワリカンにすることにした。
挙式当日までにこうした金銭面のプレッシャーやゴタゴタに大分ヤラれてしまっていたのだが、自分自身のメンタルの消耗も予想はしていたので、「逆にお金さえ払ってしまえばやってもらえること」は存分に頼ることにした。例えば新郎の場合、タキシードや靴はレンタルだが、ワイシャツや下着などは自分で用意するか、式場で購入することになる。金額を抑えるなら自分で安く買い揃える方を選ぶが、タキシードのフォルムに合わせて、かつ安いのを選んで…などとする労力をかける気力がなさそうだと思っていたので、このあたりは全て式場で購入することにして、「迷う数」を減らすようにした。
新郎の僕はカラータキシードを減らせなくて余計な費用がかかっていたが、それでもヘアメイクと簡単な化粧は頼むことにした。どうしても自分が被写体になるので、自分のセンスで中途半端な格好で出るよりは、誰かプロにお願いして、小綺麗にしておいた方が良いかと思ったからだ。
挙式当日も営業が…
さて、いよいよ挙式当日。バージンロードの歩き方の練習は、何度かやっておいた方が良い。僕は何度か同じ足が連続して前に出てしまい、大変不格好だった。
入退場や進行は、全てスタッフや司会の方々がその場で教えてくれる。「もうなるようになれ」と身を任せて、何かミスしても周りのスタッフがフォローしてくれるだろうと、堂々としているようにした。動作や喋りは、意識的にゆっくりするようにした。
新婦がお色直しのために途中退場し、その後で新郎のお色直しで僕も退場したのだが、そこで式場のスタッフから「奥様にネックレスのサプライズプレゼントなんかしませんか?」と営業が入る。なんと、こんな本番中にまで金をむしりとるつもりか。
とはいえ、元妻へのねぎらい的なプレゼントをしたいとは思っていたのも事実。ちょうどいい機会だろうか、仕方ない。しかしその場で現金支払いだというから、あまり高いものも選べないな、手持ちで払える範囲にしておこう。
「じゃあその一番安い1万円のヤツで」
「あっ、このモデルは今品切れでして、コチラの3万円のタイプからしか用意がないんです」
結局3万円のネックレスをその場で買ってサプライズでプレゼントした。何で結婚式当日に財布の中身が450円になっているんだ?
なんとか無事完遂…
料理のランクと、ドリンクの品数を減らさなかったのは正解だった。よくお酒を飲まれる新婦側の親族たちは思い思いに飲んで楽しそうだったし、お酒を全然飲まないウチの家族も料理の量で満足していた。
二人の生い立ちを紹介するプロフィールムービーを自作して上映したのと、結婚式当日の映像をエンドロールで流したのは両親にも好評だった。両親を泣かせられたのでココはお金をかけて良かった。
メインテーブルのフラワーを簡素なモノにしたのも、結局全く問題なかった。列席者が撮った写真を後で見ると、我々がいたテーブルの花なんて全然写っていないし、ランクを吟味してチョイスした自分たちさえ、テーブル上の花の様子なんか全然見ていなかった。というか見る余裕もなかった。w
結局みんな、写真やビデオを撮るといっても新郎新婦をドアップで撮るワケで、自分たちの衣装や化粧をケチらないようにしたのは良い選択だったと思う。特に僕は、普段オシャレなんて全然気にしないので、プロのメイクでフォローしてもらっていなかったら、もっと汚らしかったと思う。
とりあえず、両家の両親への気持ちはきちんと伝えられたかな、と思うし、親戚方にも楽しんでいただけた、良い結婚式・披露宴にまとまったかな、と思う。特に不満や不足はなく、十分だった。
これから結婚式を挙げる人たちへのアドバイス
さて、ココまでの経験から、これから結婚式を挙げようとしている人たちへの遺言、もとい、アドバイスを残して終わろうと思う。
- 最初の見積金額どおりには絶対いかない
- 最初の見積に含まれていない項目、やってもらえないサービスを明らかにしておく
- 他の式場との比較を必ずする
- 「初回割引」だとか何とか、その場で申し込みをさせようとしてくるが、頑張ってはねのけて、他の式場も見学に行くこと
- 我々が選んだ式場は、全体的に相場より高めだったようだが、申し込んでしまった以上、コレ以上は削れないというポイントが多かった
- 打ち合わせに行きやすいよう、自宅に近いところを選ぶ
- 参加者の交通の便も気になるところだが、自分たちが打ち合わせに何度か行きやすいよう、自宅に近い式場を選ぶのが良いと思った
- ノリでグレードを上げない
- 金銭感覚がマヒしてくるし、一生に一度の特別なイベントだからとテンションが上がって、ついついその場のノリでよりよいモノを選びがち
- 悩んだときは、営業マンからの圧力も、頑張って「今日は決断出来ません」と突っぱねるのも大事
- 衣装・メイクは新郎もケチらない方が良い、フラワーアレンジメントはガンガンケチって良い
- 列席者が見るところ、あまり気にしないところでメリハリを付ける
こんなところだろうか。
お金をかければ良い挙式は間違いなく挙げられる、というのは、式場のスタッフ様方の頑張りを見て確信できたのだが、やはり結婚式だけが結婚生活ではないので、結婚式前後の生活のことも考えて、費用面や準備にかかる労力は調整できると良いだろう。重要になってくるのは 「列席者の目線」と、「他の式場・相場との比較」 だと思う。
自分がやりたいことも、全部叶えようとするとどうしてもお金がかかるので、特にやりたいことだけに絞って、他は思い切って捨てていくことも必要だろう。
大変お金はかかったが、やっぱりやってみて良かったとは思う。これから結婚式を挙げようとお考えの方々は、金銭面には十分注意して、悔いのない式をぜひ挙げてください。