Factfulness ようやく読了・期待ほどではなかった

2019年の年明け早々、結構流行っていた「Factfulness ファクトフルネス」という書籍。

タイトルと帯から「おまんらバイアスまみれだから正してやるべ」的な本だなーとは思ってて、読み始めたらそのとおりだった。

直感に反する統計的な事実が並べられており、そのような間違った直感はどこから来るのか、について説明されていた。

しかしその理由として挙げられるのは、よく知ったバイアスの話ばかりだった。

僕はこのあたりのバイアスの話は、大学の共通科目で受講できる心理学の授業で聞き尽くしている。それ以前からも個人的に興味があるのでこうしたバイアスの話は好きでよく見聞きしていた。

今回、そうした概要レベルの話よりももっと深いところまで掘り下げて話してくれるかと思ったら、そこまでは至らず。それでいて話が長く、「あなたがいかに偏った見方をしているか」の事例ばかり取り上げてくるだけ、という感じ。

もしかして、こんなことすら客観的に捉えられない人が多いから、この本がバカ売れしていたのだろうか、とすら思う。

全体的に、「レベル1 (貧困層)」の暮らしの人たちは案外少ない、世界は思ったよりも大丈夫、といった論調だけど、「レベル4 (大量消費社会)」の暮らし自体は問題視しないのかしら。

バズるほどのモノではなかったし、本文は見出し以上のことは言っていないので、こういうの全然知らない人は、見出しを元に Wikipedia で各種「バイアス」の頁を見るだけで十分かも。知ってる人は復習以上の成果は得られない。ちょっと残念だった。