Fender Japan Exclusive Classic 50s Telecaster と Fender Japan TN-SPL ネックで真の22フレットテレキャスを手に入れた

今日はギターの話。

僕は1952年スタイルのテレキャスとか、1968年スタイルのストラトとか、オリジナル・ヴィンテージなルックスのギターが好きだ。イマドキのシェイプやカラーのスペックにはあまり憧れない。

しかし、そういうオールドな Fender タイプのギターの場合、フレット数が21フレットまでのモノがほとんどだ。オールドなルックスが好きではあるが、22フレットは演奏の都合上欲しい。

そんなひねくれた趣味なので、今まで僕は「1952年スタイル、かつ、22フレット」というテレキャスを追い求めた。過去に買ったのは以下の2本。いずれもヴィンテージナチュラルカラーだ。

  1. Fender Japan TL52 ボディと Fender Japan TLM-55M ネックのニコイチ
    • この組み合わせになっている状態で、中古で2万円ほどで買った
    • ヘッドロゴがモダンロゴ、ブラスサドルではなくクローム、なぜか1プライではなく3プライのピックガードなど、地味に気に入らない部分があった
    • ネックがミディアムスケールで、コレはコレで弾きやすかったものの、「本物じゃない」感が拭えず
  2. Fender Lite Ash Telecaster
    • 5万くらいのインドネシア製
    • ポジションマークがアバロン、ヘッドロゴが Squier みたいな金色ロゴ、サテンフィニッシュのネック、といった点がイマイチ
    • ブリッジの取り付け位置がセンターズレしているという致命的な不具合

過去所有の2台

いずれも不満点があり、もう売ってしまったが、いよいよ我慢ならなくなって、俺史上最高のテレキャスを追い求めて2つの商品をポチってしまった。

Fender Japan Exclusive Classic 50s Telecaster

一つは、Fender Japan Exclusive Classic 50s Telecaster というテレキャス。コレは何かというと、以前の Fender Japan TL52 である。

TL52

「フェンダー・ジャパン」という会社は2015年になくなって、フェンダー本社が取り持つようになったのだが、日本製のラインナップは引き続き名前を変えて生産されている。この「Japan Exclusive」シリーズはフェンダー・ジャパンがなくなったあと、日本製ラインナップが復活した時の初期のシリーズで、今は「Made In Japan」シリーズと名前を変えている。

本家フェンダーのテコ入れでさらに品質が上がりましたとかなんとか言ってるけど、基本的なスペックは Fender Japan 時代と同じ。この「Japan Exclusive Classic 50s Telecaster」も、言ってしまえば TL52 なのだ。

Fender Japan TL52 時代は、価格によってピックアップやパーツに違いがあって、TL52-80TX というのがテキスペ PU で8万円台の良いライン、1990年台には TL52-110 という高級モデル、TL52-120 Extrad という最高級モデルなどがあった。

これらの商品の細部の違いをまとめているサイトが少なく、今回買った Japan Exclusive がどの位置に近いモノなのか、イマイチ分からなかった。

ただ、本機については、ブリッジプレートの「PAT.PEND」刻印は1964年以降のタイプに近いヤツで、ブリッジ底面に対し水平に刻印が書かれている。52モデルとしては、リアピックアップのスラントに沿って「PAT.PEND」とシリアルナンバーの刻印が打ってあるブリッジプレートが良いんだけどなぁ。

あと、本機はサドルのコマがクローム (銀色) で、弦に合わせた溝が切ってあるタイプ。52タイプというとブラスサドル (金色) のイメージなので、ココも変えたい。

ブリッジプレートとサドルについては今後パーツ交換を検討しているが、交換パーツが日本製の規格である本機に合うのかよく分からないため、今は一旦置いておく。

22フレットをどうやって得る?

ココまでだと、単なる TL52 なので、フレットは21フレットしかない。オールドなルックスを維持しつつ、22フレットをどうやって得るか…。

実は以前、一瞬だけ Fender Japan TL52-22 というドンズバな商品が発売されたことがあった。確かイシバシ楽器だかどこかの楽器店とコラボした限定品で、52スタイルのスパロゴでありながら22フレットを持ち、ボディ裏にはコンター (身体に密着するよう胸の下にあたる部分が少し削られている) がある、というモノだった。ヴィンテージルックスを保ちながら現代的なプレイに対応できる一品だったのだが、本機が中古で出回っているのはほぼ見たことがないくらい、幻のモデルになっている。

コレとは別に、TL52-22 以前に、テレキャスターシンラインの変形機種で、Fender Japan TN-SPL というモデルが以前存在した。フロントにハム、ミドルにシングル、リアは通常のテレキャスのようなスラントしたブリッジとピックアップで、それなのに f ホールが空いている、という変わったモデルだった。本機の販売期間は2・3年はあったように記憶しているので、中古市場でもコンスタントに見かける。この TN-SPL は、52スタイルのスパロゴでありながら22フレットを持つ、TL52-22 と同様のネックだった。

根拠のない推測だが、TL52-22 のネックは、この TN-SPL に搭載されていた 22F ネックを流用していたのではないか、と思っている。ネット上で見かけた画像では、ネックポケットに隠れる部分に押されたスタンプは TL52-22 用のネックとしてモデル名が刻印されていたものの、両者のネックで外見上の差異は見られないので、TN-SPL 用ネックと同じ作り方で TL52-22 用ネックを用意したのかなと思っている。

それはともかく、TN-SPL ないしは TL52-22 に搭載されていた 22F ネックであれば、Fender Japan のテレキャスに加工なしで取り付けられる可能性が極めて高いと推測できる。

要するに、TL52-22 が手に入らないなら、TL52 ボディに TN-SPL ネックを載せちゃえばいいじゃない、というワケだ。

Fender Japan TN-SPL ネック

そんな構想はかれこれ10年くらい抱いていたのだが、先日、TN-SPL のネックのみが売られているのを発見、即ポチりした。実はネックを買ってから、慌てて良さげなボディ (というかネック付きなのでまるっと本体だが) を買った、という順番だったのだ。

購入した TN-SPL ネックは状態が良く申し分なし。「Japan Exclusive」シリーズに変わって、もしかしたら Fender Japan シリーズからネックの採寸などが変わっているのではないか?、と少しヒヤヒヤしたが、何の加工もなしにいきなりポン付けできた。Fender 本社の傘下になった後でも、日本製であればネック部分の寸法は同じっぽい。

TN-SPL ネックを装着

すんなりとネック交換でき、ヴィンテージ・ナチュラルの色味も、どちらも美品だったおかげで全く違和感なし。最初からこのように売られていたかのようなマッチ具合だ。コレで真の52スタイル・22F テレキャスを手に入れられたのである。

ヘッド比較

↑ 厳密には、TN-SPL のネックは、ヘッド側にトラスロッド穴が開いている。それ以外はロゴやストリングガイドも52年スタイルなのでほとんど違和感なし。

ブリッジプレートとサドルが気になる…

以前の TL52 シリーズは価格帯によって搭載されているパーツが異なるモデルがいくつかあったことは前述のとおり。ブリッジプレートの「PAT.PEND」刻印の違いや、サドルのクローム、ブラスの違いなどだ。

別にマイナスネジでなくて良いのだが、「PAT.PEND」刻印はリアピックアップのスラントに沿って彫られている古いタイプが欲しいし、サドルは絶対ブラスにしたい。弦溝は掘ってある方が音程が安定するものの、合うモノがなければ溝はなくてもいい。とにかくパッと見のルックス的に、この2点がイマイチなのだ。

そこで、Fender 公式の交換パーツを探しているのだが、Fender USA 向けのブリッジプレートは Fender Japan Exclusive シリーズにポン付けできるのだろうか?サドルは使うネジの寸法がブリッジプレートと合ってないとグラつくよな?など、パーツ交換をしたことがない素人としては色々分からないことばかり。

この辺り、有識者がいれば情報欲しい。もしくは Fender Japan 製品から取り外したパーツを売ってくれるような人がいれば募集。w

あ、あと、Fender Japan Exclusive Classic 50s Telecaster に搭載されていた21フレットのネックは外してしまってもう使わないので、購入してくれる人がいたら募集。美品です。

買った以上は極める

引越しもしたいしお金もないし、散財は良くない…と思っている最中、TN-SPL のネックありきでポチってしまい組み上げてしまった本機。金額的な埋め合わせは、使っていない別のギターやエフェクターを売ってなんとかするとして、買ってしまった以上は、ブリッジプレートやサドルについてももう少し拘って、一生大事にするギターとして育てていこうと思っている。