映画「Shaft シャフト」の2000年版と2019年版を連続視聴した

Shaft を一番最初に知ったのは、Issac Hayes の「Theme From Shaft」を聴いた時だった。その時は「1971年にそんな映画があったんだー」「映画が3本にテレビシリーズもあったのねー」という概要だけを知っていた。

最近、Netflix で新作「Shaft」が公開されていたので、コレを機に2000年版を見直し、2019年版も見た次第。

目次

Shaft (2000年の映画)

1971年のリメイクで、リチャード・ラウンドトゥリーは本作では「アンクル・ジョン・シャフト」として登場する。本作のジョン・シャフトはサミュエル・L・ジャクソンが演じる。

黒人青年と騒ぎを起こしたクリスチャン・ベールは、不動産王の父の権力を利用して保釈を勝ち取り、国外逃亡してしまう。事件を追っていたシャフトだったが、証人のウェイトレスも姿を消してしまい、事件は進展なく2年が経過する。

2年後、シャフトは麻薬組織のボス、ジェフリー・ライトを逮捕する。さらに、クリスチャン・ベールが国外逃亡から極秘に帰国することを知り、彼を再逮捕した。一時は同じ留置場に勾留されたジェフリー・ライトとクリスチャン・ベールだったが、クリスチャン・ベールはまたも父の権力を利用して保釈を勝ち取る。

コレに怒ったシャフトは警察バッチを投げ捨て、姿を消した証人のウェイトレスを独自で探し始める。

一方クリスチャン・ベールも、証人のウェイトレスを口封じのために探し始める。そこで、同じ留置場にいてシャフトに恨みを持っていたジェフリー・ライトと手を組むことにする。

証人のウェイトレスは意外と近くに住んでいたが、家族がかくまっていた。シャフトは力づくで彼女を連れ出し事情を聞くと、彼女はクリスチャン・ベールから口止め料をもらっていたことが分かる。

そこにジェフリー・ライト一味が襲撃してくる。激しい銃撃戦とカーチェイスの後、ジェフリー・ライトをぶっ殺して解決する。

クリスチャン・ベールの再審当日。証人のウェイトレスはシャフトに見守られながら法廷に向かう。クリスチャン・ベールも現れるが、殺された黒人青年の母親が彼を射殺してしまう。

シャフトは警察を辞め、父と同じように私立探偵になることを決めた。


クリスチャン・ベール演じる「金持ちの親を持つバカ息子」感がちょうど良い。世間知らずで頭足りてない感じ。

シャフトが元々黒人の能力を肯定する作品なので、サミュエル・L・ジャクソンが演じる今作も手荒で乱暴だ。だがそれが痛快。なのにラストは後味の悪い終わり方で、ちょっとモヤる。

シャフトの相棒ラサーンを、バスタ・ライムスが演じている。

Shaft (2019年の映画)

2000年版の続編。アメリカでは劇場公開していて Netflix 公開なし、日本では劇場公開なしだが Netflix 配信、という特殊な配給方法。

1989年、若かりしジョン・シャフト (サミュエル・L・ジャクソン) は、授かった息子に危険が及ばぬよう、妻と別れた。女手一つで育ったジョン・シャフト三世 (ジェシー・アッシャー) は、現在 FBI で分析捜査官を務めていた。

ある日、彼の友達が不審死を遂げ、真相を独自に暴きたい彼は、長らく疎遠だったオヤジのサミュエル・L・ジャクソンに会いに行く。

二人はハーレムの裏社会に足を踏み入れ調査に乗り出す。息子の友達を殺した人物は、サミュエル・L・ジャクソンが長年追っていた麻薬組織に関わりがあったと分かり、麻薬組織の撲滅も兼ねて立ち向かう。

ジェシー・アッシャーが好意を寄せるアレクサンドラ・シップが都合よく悪者に捕まり、じいちゃんのリチャード・ラウンドトゥリーにも力を借りて悪党をぶっ殺す。

一連の捜査の中で、血は争えないと気付いたジェシー・アッシャーは、FBI を辞め、オヤジ・じいちゃんとともに私立探偵となる。


ジェシー・アッシャー演じる3世は、FBI で分析捜査官を務めるほどパソコンに長けていて、女性との付き合いも奥手な草食系、という、いかにも現代の若者、という設定。

コレに対し、ブラック・パワーを体現するサミュエル・L・ジャクソンが対比として描かれるワケだが、何だかその描写が、本作は「ただ短気で乱暴なだけ」に見えてしまった。2000年版ではその荒さの中にも「犯人を捕まえたい」という意志や正義感が感じられたのだが、本作はどうも「素行の悪いオジサン」にしか見えなくて、なんか興ざめ。

アクションもまぁまぁ普通で、2000年版ほどパッとしないなーという感じ。面白くないワケではなかったけど、イマイチな点が散見して、何度も見るモンじゃないかなーと思った。