映画「Place Beyond The Pines プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ / 宿命」を観た

2012年の映画。

あらすじ

バイクスタントのショーで生活していたライアン・ゴズリングは、かつての恋人エヴァ・メンデスと再会。彼女が自分の子供を産んでいたことを知り、父性が芽生える。しかし、エヴァ・メンデスはマハーシャラ・アリと結婚しており、彼は自分の子供ではないその子に愛情をかけて育てていた。

子供を養えるほどの収入がなかったライアン・ゴズリングは、ベン・メンデルソーンに持ちかけられた銀行強盗の計画に乗る。何度かは順調に金をせしめていたが、ある日しくじって警官に追い詰められてしまい、民家に立てこもる。息子に会わせる顔がなくなったゴズは、エヴァ・メンデスに電話し「俺が父親だったことは言うな」と託す。その直後、踏み込んできた警官と銃撃戦になり、ゴズは撃たれて民家の2階から落下、死亡する。

新人警官のブラッドレイ・クーパーは、犯人のゴズがいる部屋に踏み込む。ゴズは銃を向けてきたが、先に撃ったのはクーパーの方だった。クーパーも撃たれて負傷したものの、「どちらが先に撃ったか」という問題は警察にとって大きな問題。弁護士に質問されたクーパーは、他に目撃者もいなかったことから、とっさに「向こうが先に撃った」とウソを付く。

署内やニュースでは「傷を負いながらも犯人をやっつけた英雄」として称賛されたクーパーだったが、子供のために動いていたゴズと自分を重ね、自責の念も感じていた。そこに悪徳警官のレイ・リオッタが現れ、ゴズがエヴァ・メンデスに渡していた金を不正に奪い取る作戦に巻き込まれる。そのことを上司に打ち明けるも、「問題を持ち込むな」と一蹴されてしまう。自分の信念に反する警察の動きに我慢ができなくなり、クーパーは自分の警察官としてのキャリアを捨て、内部告発を行う。

15年後、警官から検事に転向し、知事選への出馬を控えていたクーパー。息子のエモリー・コーエンも学生になり、父クーパーの転勤について来ていた。

ゴズの息子、デイン・デハーンは、転校してきたエモリー・コーエンと仲良くなる。二人でドラッグに手を出したところ警察に捕まってしまう。

エモリーを迎えに来たクーパーは、デインの名前を聞いてゴズの息子だと悟る。そしてエモリーに対し、デインとは縁を切れと忠告する。

デインは実の父のことが気になっており、マハーシャラ・アリからライアン・ゴズリングの名前を聞き出す。そして彼を調べていく内に、エモリーの父親クーパーが、ゴズを殺した警官だと知る。

感情を抑えられなくなったデインは、エモリーを襲い、クーパーを誘拐して射殺しようとするが、深く謝罪するクーパーを見て引き金を引けなくなった。クーパーはサイフを渡し、エモリーは逃走する。エモリーがサイフの中を見ると、ゴズとエヴァ、そして幼い頃のエモリー自身が写った写真が出てくる。クーパーは自責の念から、ゴズの写真をずっと持ち歩いていたのだった。

エモリーはクーパーから盗った金でバイクを買い、どこかに走り去る…。

感想

以上、3部構成の変わった映画。最初見た時は「え、ゴズここで死ぬの?」「ブラッドレイ・クーパーの話になってきたやん」という感じだったけど、全体を通して見ると感慨深い。登場人物全員が、何かに挫折し、諦めて折り合いをつけて生きている。

ゴズの役名は「ルーク」で、マハーシャラ・アリの口からはスタウォみたいなセリフも飛び出すw。父の血だからか、乗ったことのないバイクにも何とかまたがり、走り去っていく息子が良い味を出していた。