映画「I Tonya アイ・トーニャ史上最大のスキャンダル」を観た

2017年。マーゴット・ロビーがフィギュアスケーターのトーニャ・ハーディングを演じた作品。

ドキュメンタリー風のインタビューシーンがあり、それらは役者が演じているのだが、エンドロールで「実際のインタビュー映像」が紹介され、一応事実に基づいて作られていたことが分かる。

トーニャ・ハーディングは、母ラヴォナの暴力的な教育によって育った。母は娘トーニャのスケートの才能を見抜き、彼女を奮起させるために暴言・暴力を振るってきたようだが、結局は十分な教育を受けずに育った。旦那のジェフ・ギルーリーもすぐ手が出る、低俗な人種。おまけにジェフの友人ショーン・エッカートが仕組んだ「ナンシー・ケリガン襲撃事件」はフィギュアスケート界最大のスキャンダルに発展してしまう。

トーニャ・ハーディングというとこのスキャンダルに目が行きがちだが、彼女はアメリカ人で初めてトリプルアクセルを成功させた女性選手 (女子史上初の成功者は日本の伊藤みどり)。スケートの実力は確かなモノだったのだが、スキャンダルが絶えず、結局「話題の人」扱いで終わってしまう。不遇な人生である。

しかし、そんな不遇な人生が描かれているにも関わらず、この映画はどこか面白く感じてしまう。不思議な映画だった。

スケートシーンはマーゴット・ロビーの顔を CG で作成し、実際のプロスケーターの演技に顔の CG だけをハメ込んだりしている。CG にはほとんど違和感がなく、会場や演技含めた再現度も高くて素晴らしい。