映画「Wolf Of Wallstreet ウルフ・オブ・ウォールストリート」を観た

この記事は2014年に某所に書いていたモノの転載です。


2013年の映画。ディカプリオのアレです。ヤバイヤバイと噂だったアレです。

実在する人物ジョーダン・ベルフォートの回顧録を映画化。L.F. ロスチャイルドで株式ブローカーとして働き始めたディカプリオが、自身の会社を立ち上げて投資詐欺を働き、金と女と薬にまみれる様が2時間続く。それはもう潔いまでの暴れっぷりで、ラスト1時間での転落を見てもなお、こうなってみたいとすら思わされるハジケっぷり。

あらすじとしてはそれだけで、脚色はあるものの大部分は事実に沿ってるそうで、マジでこんな世界があったのかよ…と驚くばかり。

ジョーダン・ベルフォートについて見てみると、詐欺行為を働いてはいるものの、いっときは一大企業の億万長者になったわけで、そのカリスマ性ってのは凄かったんだろうなぁと思う。捕まって出所してからもその話術についての講演会を開いたりしてるようだし、常に金儲けのことを考えてるみたい。ユダヤ系ってのは何か関係あるのかな?w

そのジョーダン・ベルフォートを演じたディカプリオは、本作が最高の名演技だと思う。ハジけ方もそうだし、ヤクで自由に身体が動かせない様子とか、心惹くスピーチとか、物凄くリアル。

若い頃のシーンのディカプリオがホントに若く見えるのも凄いね。

クルマに乗ってうまく帰れたつもりが、翌朝正気に戻ってみたらクルマはボッコボコで、実際は酷い運転をしていた、みたいな見せ方も、ジョーダンの目線と認識をうまく映像化してるなと思って見てて楽しかった。

時代が90年代なので、出てくるクルマもきちんと時代に合わせてあったり、細かいところまで作り込まれてた。

映画観てから予告編を見ると、いっこいっこのシーンはストーリーとは違った使われ方をしてるにも関らず、つじつまが通ってて「ああ、そういう映画だったね」となる不思議。この予告編は凄いぞ。

ジョーダンを逮捕した FBI 捜査官は地下鉄で帰るんだけど、乗り合わせた人たちを見ると、あまり生活水準が高くなさそうな、低所得者ばかり。自分もヨレヨレのスーツで帰ってる。ジョーダンは犯罪を犯したけど、ガッポリ稼いでさぞ楽しかっただろうな、というような、微妙な表情を見せる。ちょっと井上順に似てるカイル・チャンドラーも名演技です。

ラストのカット、出所後の講演会で「俺にペンを売ってみせろ」と言うジョーダンを見つめる、冴えない人達。みんな金持ちになりたくて、結局ジョーダンのもとに金を落としていく、その様子に、なんというか得も言われぬゾクゾクッとした感覚を覚えた。

ジョーダンが立ち上げた会社の初期のメンバーだったブラッドは、同じ質問をされたときに「ここにサインをしてくれ」と答えていた。「あぁ、ペンがないや」「じゃあこのペンを売ってあげよう」というわけだ。自ら需要を作り出す、その手法が詐欺の手口であり、それでいて皆が金を払っても知りたいと思うカリスマ的要素だったのかな、と思う。

別に株式投資の知識がなくても全然楽しめます。ただしおっぱいもま○こも丸出しです。何か元気が出る映画です。