映画「Mule 運び屋」を観た

2018年。クリント・イーストウッド監督・主演。実話に基づく話。

定年を過ぎたクリント・イーストウッドは、娘に煙たがられ、孫とも仲を深められずにいた。経済的にも困窮していたところ、ある男が仕事を持ちかける。「荷物を積んで、ただ車を走らせば良い」というその仕事は、麻薬カルテルの運び屋家業だった。

その麻薬カルテルを追うのが、DEA のブラッドリー・クーパー。彼は運び屋が80代の老人とは思いもせず、捜査は難航する。

ある日二人は、お互いの素性を知らぬまま、カフェで偶然鉢合わせする。結婚記念日をすっぽかしたブラッドリー・クーパーに対し、「俺のように仕事ばかりかまけて家族をないがしろにするな」とアドバイスするクリント。

その後、別れた前妻が入院したという知らせを聞き、クリントは運び屋の仕事中に病院に向かう。前妻の最期を看取り、葬儀に参列したことで、娘や孫との関係は修復された。

運び屋の仕事に復帰したクリントだったが、DEA はその間に車両の特徴を調べており、クリントはついにブラッドリー・クーパーに逮捕された。裁判で弁護士が「金に困ってやったこと」と弁護するが、クリントはそれを遮り「全て自分がやったことだ」と罪を認めるのだった。


2008年の「グラン・トリノ」に続いて、死にかけのクリント・イーストウッドが楽しめる一品。麻薬カルテルのメンバとの珍妙なやり取りも面白く、自身を振り返っての後悔を、若者たちへのアドバイスに替えて伝え回っている。

孫娘ジニー役はタイッサ・ファーミガ。ヴェラ・ファーミガの妹さん。