VSCode で Gradle ベースの Java プロジェクトを開発し始める

久々に Java プロジェクトを作ることになったが、モッサリした Eclipse に戻る気になれず、VSCode で開発したいと考えている。

また、古くは Ant でビルドステップを整えたり、それが Maven になって依存関係まで解決してくれたりしていた時代を経て、最近の Java プロジェクトでは Gradle というモノを使って環境を整えるみたい。Node.js の界隈でいうと、npm っぽいパッケージ管理の概念もあり、webpack などのようなビルドツールも内包していてユニットテストツールとの連携もバッチリ、という意味で SPA の CLI ツールっぽくもある、そんな感じ。

というワケで今回は、VSCode + Gradle な Java プロジェクトを立ち上げてみる。対象 OS は MacOS と Windows で、どちらでも同じ結果になるように解説した。

目次

JDK をインストールする

まずは JDK のインストール。以下の Oracle のサイトより、Java 8 系の JDK をダウンロードし、インストールする。

なんで今さら Java 8 系かというと、JavaFX という GUI アプリを構築するためのライブラリが JDK 本体に内包されているのが Java 8 までで、導入を楽にしたいからw。そうした横着したい理由などがなければ、JDK は Homebrew や Chocolatey で最新版を導入しても問題ない。

Oracle のサイトから JDK をダウンロードするには Oracle アカウントが必要になるのがちょっと面倒。

MacOS のみ : 環境変数を ~/.bash_profile で設定する

Windows の場合はインストールさえすれば環境変数も自動設定されると思うが、MacOS だとうまくいかないかと思われるので紹介。次のような記述を ~/.bash_profile に入れておこう。

# Java
export JAVA_HOME="/Library/Java/JavaVirtualMachines/jdk1.8.0_65.jdk/Contents/Home"
export _JAVA_OPTIONS='-Dfile.encoding=UTF-8'
export PATH="${JAVA_HOME}/bin:${PATH}"

インストール後の確認

Java がインストールできたかどうか確認する。

$ java -version
Picked up _JAVA_OPTIONS: -Dfile.encoding=UTF-8
java version "1.8.0_65"
Java(TM) SE Runtime Environment (build 1.8.0_65-b17)
Java HotSpot(TM) 64-Bit Server VM (build 25.65-b01, mixed mode)
PS> java -version
java version "1.8.0_65"
Java(TM) SE Runtime Environment (build 1.8.0_65-b17)
Java HotSpot(TM) 64-Bit Server VM (build 25.65-b01, mixed mode)

Gradle をインストールする

続いて Gradle をインストールする。後述するが、実をいうと Gradle は必ずしもインストールが必須ではない。というのも、Gradle で構築したプロジェクトに含まれている gradlew (Gradle-Wrapper) を使えば、Gradle をインストールせずとも動作するからだ。

しかし今回はホントに初回というテイなので、Gradle 本体を純粋にインストールする手順も紹介する。

MacOS でのインストール手順

MacOS で Gradle をインストールするには、Homebrew を使うのが手っ取り早い。

$ brew install gradle

$ gradle -v
Picked up _JAVA_OPTIONS: -Dfile.encoding=UTF-8

------------------------------------------------------------
Gradle 6.3
------------------------------------------------------------

Build time:   2020-03-24 19:52:07 UTC
Revision:     bacd40b727b0130eeac8855ae3f9fd9a0b207c60

Kotlin:       1.3.70
Groovy:       2.5.10
Ant:          Apache Ant(TM) version 1.10.7 compiled on September 1 2019
JVM:          1.8.0_65 (Oracle Corporation 25.65-b01)
OS:           Mac OS X 10.15.4 x86_64

こんな感じ。

Windows でのインストール手順

Windows の場合は Chocolatey でインストールできる。

PS> choco install -y gradle
# 環境変数 PATH の再読み込み
PS> rerefreshenv

PS> gradle -v

------------------------------------------------------------
Gradle 6.3
------------------------------------------------------------

Build time:   2020-03-24 19:52:07 UTC
Revision:     bacd40b727b0130eeac8855ae3f9fd9a0b207c60

Kotlin:       1.3.70
Groovy:       2.5.10
Ant:          Apache Ant(TM) version 1.10.7 compiled on September 1 2019
JVM:          1.8.0_144 (Oracle Corporation 25.144-b01)
OS:           Windows 10 10.0 amd64

こんな感じ。

Gradle プロジェクトを立ち上げる

Gradle をインストールしたら、gradle init コマンドで新規プロジェクトを作成する。--type java-application の指定を忘れないようにする。ビルドスクリプトは Groovy、テストツールは JUnit (それぞれデフォルトのまま) で良いかと。

# 作業ディレクトリを作成し移動する
$ mkdir practice-java-gradle && cd $_

# Gradle プロジェクトを作成する
$ gradle init --type java-application

Select build script DSL:
  1: Groovy
  2: Kotlin
Enter selection (default: Groovy) [1..2]

Select test framework:
  1: JUnit 4
  2: TestNG
  3: Spock
  4: JUnit Jupiter
Enter selection (default: JUnit 4) [1..4]

Project name (default: practice-java-gradle):
Source package (default: practice.java.gradle):

> Task :init
Get more help with your project: https://docs.gradle.org/6.3/userguide/tutorial_java_projects.html

BUILD SUCCESSFUL in 15s
2 actionable tasks: 2 executed

# 作成されたファイルを確認する
$ tree
.
├── build.gradle
├── gradle
│   └── wrapper
│       ├── gradle-wrapper.jar
│       └── gradle-wrapper.properties
├── gradlew
├── gradlew.bat
├── settings.gradle
└── src
    ├── main
    │   ├── java
    │   │   └── practice
    │   │       └── java
    │   │           └── gradle
    │   │               └── App.java
    │   └── resources
    └── test
        ├── java
        │   └── practice
        │       └── java
        │           └── gradle
        │               └── AppTest.java
        └── resources

15 directories, 8 files

こんな感じ。とても簡単だ。

gradlew (Gradle-Wrapper) の使い方

以降の操作で、

$ gradle run
$ gradle build

gradle コマンドを直接叩いても良いのだが、Gradle がインストールされていない環境向けに gradlew というラッパースクリプトが用意されている。コレを使えば Gradle をインストールすることなく、このプロジェクトを git clone などしてくるだけですぐに動作させられる。

MacOS や Linux 環境では、プロジェクトルートにある gradlew を、Windows コマンドプロンプト環境では gradlew.bat を使えば良い。

# Gradle-Wrapper を使う例
$ ./gradlew run
$ ./gradlew build
> .\gradlew.bat run
> .\gradlew.bat build

このようにすると、Gradle-Wrapper が必要な資材を自動的に用意してくれて、プロジェクトを動作させてくれる。とっても便利だ。正直 Gradle は最初に gradle init を叩く時さえ存在すれば良いので、イチイチインストールしなくても良いかな、とすら思う。w

VSCode 拡張機能を入れる

Gradle プロジェクトを立ち上げたので、あとは VSCode 上で開発できるようにする。

といってもやることは簡単で、以下の拡張機能をインストールすればほぼ終わり。

あとは Gradle プロジェクトを開いて開発が進めていけるはずだ。インポートの自動補完もされるし、コンパイルエラーになるようなコードにはちゃんとエラーがつくはず。

動作確認やユニットテストは gradlew を使ってやろう。

# アプリを動作させる
$ ./gradlew run

# テストする
$ ./gradlew test

# ビルドする
$ ./gradlew build

適宜 build/bin/ ディレクトリを .gitignore で無視しておくと良いかと。

以上

まだ build.gradle など、Gradle 特有の部分にほとんど触れてはいないのだが、それでもかなり簡単に Java プロジェクトが構築できたことが分かるだろう。

VSCode による Java 開発も、動作が快適で大満足。gradle run によるコンパイルと起動がかなり速いので、Eclipse よりもイライラせずに済むなーと思っている。