John McLay が亡くなっていた

XMA・Tricking の界隈で有名だったオーストラリアの Tricker、John McLay さんが亡くなられていたことを知った。

John McLay 氏の死に関する投稿

以下は John McLay 氏と Team Inversion というトリッキング・チームを組んでいて、Mr. Double ABCDEF というニックネームで知られる Scott Skelton 氏が伝える第一報。

It is with overwhelming sadness that I have to share with you the news of John McLay's passing earlier this week.

On the evening of Sunday the 28th of June, we received the news that John had taken his own life.

2020年6月28日に、自殺されてしまったそうだ。

以下は John McLay のお母さんによる投稿。自殺の理由は語られていないが、文章から察するに、親友である Scott Skelton 氏やお母さん方にも、自殺するような素振りは見せていなかったと思われる。

これ以外にも、「これを読んでいる人たちも、辛かったらみんなを頼ってほしい」といったコメントが散見される。

Hello, I am Lorrie Lawler, and I am John McLay's Mum.

To all of John's friends, known and unknown to him, PLEASE seek help if you are contemplating a final solution to a temporary problem.

Thank you, and I wish you all the very best in your life, and "Tell me, what is it you plan to do with your one wild and precious life?"

以下は、同じくオーストラリアで活動しているトリッカー、Team E の Morgan Flook 氏。

As most you know, earlier in the year we lost an Aussie tricking legend to suicide.

John McLay 氏のトリビュート動画をアップされている。

自分と John McLay さん

僕はネット上の動画で John McLay を見てきただけで、一方的に影響を受けていただけの、ただのファン。Facebook やらをチェックしていたワケではなく、彼の細かい素性は知らないのだが、彼から受けた影響はそれなりに大きいと思っている。

John McLay のことを知ったのは、2006年に Team E の動画を見つけて、その繋がりで Team Inversion を知った時だった。見た目からガッツリエモファッションな Scott Skelton と一緒にトリッキングをやっていて、動画編集のセンスがある人、という認識だった。

恐らく Team Inversion 時代の動画から、Scott Skelton ソロの動画、Australian Tricks Gathering (ATG) というトリッキング・イベントの動画まで、John McLay が手掛けたと思われる動画はセンスが抜群だった。

エモ・ファッションを意識した映像加工が多く、グリッチ・エフェクトなんかもいち早く取り入れていたと思う。

自分も2009年くらいまでさかんにトリッキングを練習し、動画を撮影・編集していたので、当時の自分の動画の中にも、John McLay 作品を真似した演出が多々見受けられる。

今までトリッキング動画には登場していないと思うが、John McLay が着用していたのと同じ、エモい配色の Quick Silver の海水パンツも買って、今でも持っている。

彼が動画で使用した楽曲を通じて知ったエモバンドも多いし、Owl City なんかは彼の動画で好きになった。

そんなワケで、彼のことはネット上で一方的に知っているだけで、会ったこともなければ会話したこともない関係だが、自分は大きく影響を受けてきた。

彼の動画は2009年以降、少し様子が変わった気がしていた。エモ系の演出からおとなしめの演出に変わり、海や空、草花の CG が挿入されるようになった。しまいにはトリッキングする自身を CG 化し、現実には行えないような「夢のトリッキング」を CG にやらせた独特な動画まで出していた。

自分も、トリッキングのイメージトレーニングに人形を動かすことがあって、その時に非現実的なありえないトリッキングのコンボを人形にやらせる遊びをやっていたことがあったが、それを CG で写実的に映像化していた。CG 技術的に凄いと思うと同時に、「この人は自分の限界を超えた理想を抱いているのかな」という、ちょっと狂気のようなモノも当時僕は覚えていた。

2013年頃を最後に姿を消し、動画も出なくなったので、どうしているのかなーと思ったが、こんなことになるとは…。

ちょっと意外だったのが、Scott Skelton 氏が自殺を伝えた投稿に対して、「どうして自殺してしまったのか」といった問いを投げかける人が一人もいなかったこと。Scott Skelton 氏もよく分からないと記述しているが、それでも日本で同様のことがあると「どうしたの?!」「なんで!?」という言葉が出てきがちだと思う。自分もつい「どうして死んだの?」とコメントしたくなったが、「R.I.P.」とか「So sorry」とか、純粋に故人を惜しむコメントばかりだったので、自分がコメントするのは差し控えた。こういうのって文化の違いなのかねー。皆大人やなー、日本人ってちょっとデリカシーないんやな、とか思うなど。

彼がどうして自殺を選んでしまったのかは近親者でも分からないようだが、それはともかく、オーストラリア圏では著名なトリッカーが亡くなってしまい、とても残念であった。ご冥福をお祈りする。R.I.P.