映画「Fear And Loathing In Las Vegas ラスベガスをやっつけろ」を見た

1998年。モンティ・パイソンのテリー・ギリアム監督。

舞台は1970年代。ジャーナリストのジョニー・デップと、弁護士のベニチオ・デル・トロは、ドラッグをキメながらラスベガスに取材で訪れるが…。という話。

表面的に見ると、ただただ終始ラリっているだけの「ウルフ・オブ・ウォール・ストリート」を煮染めたような映画なのだが、舞台の1970年頃という時代を考えると色々と闇が深い話。1960年代のベトナム戦争で疲弊したアメリカでは、ドラッグによる未知の体験と高揚感は、これからの復興に必要なモノだというある種の正当性を持って蔓延していたと思う。明らかに「堕ちていっている」のに、本人達があまりそのような悲壮感を表に出さず、しかしハイにもなりきっていないような、複雑なキマり方を、ジョニデとデルトロが上手く演じていると思う。