映画「Wonder Woman ワンダーウーマン」を見た

2020年視聴。2017年の映画。ワイルドスピードにも出演していたガル・ガドット主演。

アマゾン族の戦士ガル・ガドットは、女性だけが住む島で生まれ育ち、島内でも最強の女性戦士に育った。

ある日、アメリカ軍のパイロットで、イギリス軍の諜報部に協力しているクリス・パインが島の近くに不時着し、ガル・ガドットがそれを救う。彼はドイツ軍が毒ガス兵器を開発していることを突き止め、その情報を持ち出していた。初めて「外の世界」の実態を知り、戦うことを決意したガル・ガドットはクリス・パインとともに島を出てロンドンに向かう。

ロンドンに着くと、軍は休戦協定を結ぶことを優先しており、クリス・パインの報告も有耶無耶にされた。義憤に駆られたクリス・パインは自分の知人たちと秘密裏に兵器を差し止めることにした。するとパトリック卿が非公式にサポートすると申し出てくれた。

クリス・パイン一行はドイツ軍の基地に潜入し、毒ガス兵器を開発していた「ドクター・ポイズン」やエーリヒ・ルーデンドルフを倒した。クリス・パインは死ぬ。しかしそれでも戦いを止めないドイツ軍を見たガル・ガドットは、島で聞いていた伝説と違うと混乱する。

そこにパトリック卿が現れると、彼は真の姿、軍神アレスとなった。人類はアレスの父ゼウスが創り出した「出来損ない」であるとし、戦争の原因をあちこちに振りまいていたのだった。人間の悪い部分と良い部分を見てきたガル・ガドットは、アレスの誘惑を断ち切り、初めて繰り出すビームでアレスを倒す。やがて休戦協定を経て、戦争は終わった。

うーん、なんというか、「強い女性を見せたい」が最重要視されていて、シナリオやアクションの詰めが甘かったと思う。ガル・ガドット演じるワンダーウーマンは、何ヶ国語も喋れるくらい教養があるのに、ギリシャ神話を信じ切っていたり、肝心なところで武器を忘れたりする。

でも武器が手元にないことが大したピンチにもならず、敵の前でサッサと武器を回収して話が進んだり、終盤は未知の技がバンバン出て来て、数分で技の威力がインフレしまくる。ジェームズ・キャメロンが本作を「男性優位のハリウッドがやってきたことを再びやっているだけ」と評したのは的確だと思う。「強い女性」を見せるその手法が、かつてより描かれてきた「強い男性」らしい女性を描く、という手法でしかなく、なんとも甘い。緩い。

そもそも「争いをなくしたい」とか言いながら、ドイツ軍の兵士だけはボコボコになぎ倒していくワンダーウーマン、それでいいのか?感情的過ぎじゃない?おフェミさんかよ。

前半はまだ面白かっただけに、残念だった。