映画「Parasite パラサイト半地下の家族」を観た

2021-01-08 金ローにて。2019年の映画。

あらすじ

薄汚れた半地下の家に住む父母・兄妹の4人家族。兄の友人は名門大学に通っており、兄に富をもたらすという岩をプレゼントする。さらに、金持ちの家の女子高生の家庭教師のバイトを紹介する。兄は自分にハクを付けるため、名門大学の在籍証明書を偽造し、金持ちの家にうまく転がり込んだ。

続いて、その金持ち一家の息子の面倒を見るという名目で、兄は妹を「絵の家庭教師をやっている知人」として紹介、妹もうまく金持ちの家に転がり込んだ。

妹は、金持ち一家お抱えの運転手にハニートラップを仕掛け (クルマに自分の下着を置いて去った)、「あの運転手は信用できない」という印象を金持ち一家に植え付ける。そして「親戚に良い運転手がいる」と、父を紹介。父も金持ち一家に混ざり込んだ。

父は、金持ち一家お抱えの家政婦に目を付け、その家政婦が桃アレルギーで咳き込んでいる様子を利用して「彼女は結核らしい」と家族に吹き込む。結核を子供に移されては困ると考えた金持ち両親は家政婦を解雇。代わりの家政婦として、父は「会員制の人材派遣会社を知っている」とウソを付き、母が家政婦として忍び込めるよう調整。こうして半地下の家族4人は、金持ち一家の家に就職したのだった。


金持ち一家の息子は、かつて誕生日に家で幽霊を見たというので、それ以来一家は、息子の誕生日になるとキャンプに行くのが習慣になっていた。一家の留守中、豪邸で贅沢三昧をする半地下家族。そこに解雇された家政婦が訪れ、家の地下にある秘密の扉を開けた。そこには家政婦の夫がコッソリ生活していたのだった。

家政婦は、家庭教師・運転手・後任の家政婦の4人が家族であることに気付き、主人にバラすと脅迫。4人は揉み合いになり、家政婦と夫を縛り付け地下に監禁。さらに、豪雨のためキャンプを切り上げて帰宅した家族にバレないよう、父兄妹の3人は机の下に隠れて息をひそめる。

金持ち主人は「新しい運転手 (父のこと) は良い人だが、なんというか、地下鉄のような、妙な臭さがあるんだよなぁ」と陰口を叩いていた。

住み込み家政婦の母が上手くフォローできない中、スキを見て3人は豪邸を脱出した。


翌日、金持ち一家は息子のキャンプが中止になったことの埋め合わせとして、知り合いを呼んで急遽ホームパーティを開催することに。3人も招集され、父は金持ち母の買い出しに付き合い、兄は勉強を教える女子高生と良い仲になる。妹は地下の様子が気になるも、邪魔が入り庭のパーティに出る。入れ替わりに兄が地下に向かうと、家政婦は既に亡くなっており、家政婦の夫が反撃してきた。兄は岩で頭を殴られ気絶。家政婦の夫はそのまま家の庭に出ると、妹を刺殺。

一連の様子を見た金持ち息子は失神する。かつて息子が自宅で見た「幽霊」とは、この家政婦の夫が夜な夜なリビングに上がってきていた様子だったのだ。

父は家政婦の夫と揉み合い、なんとかねじ伏せる。それよりも息子が心配な金持ち主人は、父からクルマのキーを受け取り病院に向かおうとする。主人は家政婦の夫を見ると、あまりの臭いに鼻をつまんだ。その様子を見た父は、主人を刺殺して逃亡する。


妹は死んでしまい、兄と母は文書偽造などの罪に問われる。金持ち一家はそのうち引っ越し、別の富豪がその家に住みついた。父は行方不明になっていた。

岩で頭を殴られたせいか、精神がおかしくなってしまった兄だが、ある日ふと事件があった豪邸を山の上から眺めていた。するとその家の玄関の照明が、不自然にチカチカ点滅していることに気付く。それがモールス信号だと気付いた兄はメッセージを解読。

そのメッセージは、主人を刺殺してから地下室に隠れ続けていた父からのものであった。兄は、金を稼いでいつかあの豪邸を購入し、父を救い出すと決意する。

感想

話題になっていた韓国映画。メチャクチャよくできていた。

背景や登場人物の言動に、別の色んなシーンが暗示されていて、深読みする楽しみもあった。

金持ちと貧乏人をハッキリと別ける「境界線」があり、どれだけ取り繕っても「貧乏人のニオイ」は消えない、という、格差の描写が生々しかった。