親知らずを抜いた体験記

先日、親知らずを4本とも抜いてきたので、その体験記を書く。

目次

経緯

会社員になってから、疲労が溜まると右下奥の親知らずが痛むようになった。エナドリ・コーヒーを毎日ガブ飲みするので、疲労で回復力が落ちてくると口内の荒れが治らず、それで親知らずが痛むようだった。

右下の親知らずは表に出てきていなくて、その手前の奥歯を押すように、真横に生えているのを歯医者のレントゲンで確認していた。むやみに抜こうとすると神経を傷付けるから、ということで、これまで抜かずに過ごしていた。それからは年に1・2回、親知らずが痛むようになると、ロキソニンを飲んで誤魔化し、リステリンの頻度を上げて数日過ごすことで解消させるような生活を7・8年続けてきた。

そして最近のある日。今度は右下ではなく左下奥の親知らずが痛むようになり、歯医者に行ったところ、「せっかくだから若い内に4本とも抜いちゃいましょう」という話になった。

親知らず抜歯のリスク

親知らずを抜こうかという話になって、リスクを細かく説明してもらった。以降の内容は自分がかかった医者から聞いた話を、自分が再構成して書いているモノなので、医学的な正確性は保証できないことを予めご容赦。個々人で条件も異なるので、あくまで自分の場合はこうだった、という参考までに。

まず、下の歯はアゴの骨、上の歯は鼻腔との間の軟骨に隣接している。抜歯の際に神経を傷付けてしまうと、アゴや舌にしびれが残ってしまうようだ。若い内であれば、処方されるビタミン剤を飲めばその内治るようであるが、40代を過ぎると完治しないケースも出てきてしまうという。自分は今年で30歳だったので、今の内に抜いておく方が、万が一の際も完治が目指せるという話だった。しびれ云々は2万分の1くらいの確率だとのこと。…しかし、自分にとっては「しびれる」「しびれない」で2分の1の確率だから、2万分の1と言われても安心はできないよね。w

他には、上の親知らずを抜く時に鼻腔側の軟骨を一緒に引っ剥がしちゃって、鼻と口が繋がっちゃうこともありうるとか。表に出てきていない親知らずを抜く際は切開も必要になるので、滅茶苦茶腫れるらしい。抜いた跡は窪みになって、そこに食べカスなどが溜まり続けると悪いことにもなる。抜いた跡地が完全に治るのは、学術的には6ヶ月かかるらしい。日常生活で気にならなくなるレベルまで行くにも、3ヶ月くらいはかかるそうだ。

もしかしたら一生残る後遺症を被るかもしれないが、歳を取ってから抜こうとするとそのリスクがさらに大きくなる。しかし逆に、この数ヶ月〜半年、抜歯による痛みや不便を乗り越えれば、「親知らずが痛む」というどうにも表現し難いあの辛さは二度と経験しなくて済むようになる。どちらの楽・リスクを取るか悩んだが、自分は在宅勤務が出来ている今の内に、抜いてしまうことにした。痛みが出るのは下の歯だけだったが、上の歯も見てもらったところ、奥歯は全体的に虫歯になりかけているとのことで、後々痛くなったりするリスクを考えたら、今一緒に抜いちゃいません?ということで、4本とも抜くことにした。

前半戦 : 抜きやすい左側の2本を抜く

4本抜歯する、とはいっても、自分の場合は一度に全部は抜かず、表に出ていて抜きやすい、左側の上下2本を先に抜くことになった。

手術当日

予め処方されていた化膿止め薬を手術当日に飲んでおき、歯医者に行って処置開始。化膿止めはこの他に、手術後から3日分処方されていたので、食後に飲むようにした。

麻酔注射はちょっと痛んだが、それ以降は全く痛みを感じなかった。左下も左上も、ペンチでいきなり引き抜く対応だった。歯を抜かれる瞬間は、「ペンチらしきもので歯を掴まれている?」みたいな感覚はあったが、「抜けた!」みたいな感覚すらなく、手術自体は痛くなくて良かった。抜歯の際に切開はしていなかったが、歯を抜いた穴が開いているので、その部分を軽く縫われた。

2本抜くのに15分くらいで終わった。少々血の味がしたのと、麻酔の影響で左側の口元だけ妙に変形していたが、その後腫れも少なく。念のため、手術直後にロキソニン 60mg を2錠飲んでおいて帰った。全身麻酔もしていないので、入院もなく日帰りである。

帰宅して少し昼寝していると、抜歯から4時間くらい経過した頃に、大きなズキン!!という痛みを一度感じた。ショック的な強い痛みはこの1回だけだったな。

手術直後に飲んだロキソニンは、6時間くらい経過したところで効き目が切れてきて、痛みが強くなってきた。ロキソニンは8時間開けて飲まないといけないので、少し痛みを我慢していたのだが、30分もするとかなり痛くなってきたので、8時間経たずにロキソニンを2錠飲んでしまった。

ロキソニンが効き始めれば痛みを感じずに過ごせるし、腫れもほとんどなかったので一安心。ただ、左奥歯では食べ物を噛めないので、この日はざるうどんを口の右側に寄せて少しずつ食べる、という感じで、食事にはかなり制限を食らった。

手術当日は、うがい・歯磨きによる刺激禁止、長風呂や飲酒・喫煙など血行が良くなる・悪くなる諸々を禁止、ということで、軽くシャワーで済ませ、水を飲みながら口内をほんのりゆすぐぐらいで寝た。激痛〜というワケでもなかったが、疲労感・倦怠感はそれなりにあったので、すぐに寝た。

というワケで、当日のタイムラインは大体こんな感じ。

術後1週間まで

親知らずを抜歯 (ばっし) してから1週間後に、抜糸 (ばついと)、つまり縫った糸を抜き取る必要があるので、その際の通院までは安静に過ごす。在宅だったので仕事は出来たが、食事はしばらく不便した。水を飲むくらいなら染みたりしないし、段々軽いうがいくらいは出来るようになったが、やっぱり食べカスが窪みに挟まったりしないか気になってしまって、気持ちよく食事出来なかった。エナドリやコーヒー、コーラも、口内環境が悪化するので避けていて、ダルかった。

ロキソニンは1回につき2錠飲むように処方されていたが、翌日からは痛みの度合いが低くなってきたことと、胃への負担を考慮して、1回1錠に変更した。飲まないでいるとそこそこの痛みになってくるので、大体6・7時間間隔でロキソニンを1錠飲むようにしていた。

術後3日目になると、恐れていたことが起きた。ロキソニンは胃を荒らすので、連続して飲んでいると段々口内炎が出来てくる。この日、ついに舌に口内炎が出来てしまい、親知らず跡よりも口内炎の方が痛いぐらいであった。口内炎の痛みはロキソニンを飲んでもほとんど消えないので、リステリンで口をゆすぐのと、手元にあった「デキサルチン」という口内炎用の塗り薬を舌に直接塗ってしのぐなどしていた。

術後5日目。リステリンのおかげで口内炎が落ち着き、抜歯後の痛みもかなり落ち着いてきた。調子に乗ってコーヒーを飲んだところ、少し痛むようになってしまった。まだコーヒーは早かった。この日 (術後5日目) からは、ロキソニンを飲まずに過ごせた。

抜糸

術後7日目、1週間経ったのでまた病院に行き、縫っていた糸を抜いてもらった。抜糸は麻酔などナシで、糸を切って取り除くだけでおしまいなのだが、コレが地味に痛かった。それでも10分程度で終了。

これ以降、左側の窪みには歯ブラシが当たったりしても問題ないらしい。リステリンは勝手にやっていたが、医師によると別に問題ないそうだ。ただ、窪みに食べカスが挟まって「ドライソケット」と呼ばれる状態になるとまた痛むらしいので、左奥歯では1ヶ月くらいメシを食うなと言われた。

というワケで、左下・左上の親知らずに関してはコレで処置終了。あとは半年かけて完治を待つだけ。

後半戦 : 埋もれている右側の2本を抜く

右下・右上の親知らずは、いずれも表面には出てきていなかった。右上の親知らずは斜めに、右下に至っては真横を向いて生えており、まっすぐ引き抜けないのも厄介なところだった。どちらも「引き抜く」のではなく、砕いて取り除いていく感じになる。

右下は、手前側を砕いても、奥に隠れている分が取り出せるかは微妙で、場合によっては手前半分を砕いて取り除いたあと、3ヶ月くらい置いて、奥歯が手前に移動してきたら残りを取り除くような事態にもなりうる、と聞いていた。それってキモチワル過ぎません…?w

その他、リスクについては前述のとおり。右上は鼻腔の軟骨を一緒にもぎ取ってしまうリスクがあった。右下はアゴの神経に触れ、しびれなどの後遺症のリスクがあった。引き抜くだけで済んだ左側と違って、右側はかなり難易度の高い手術になるワケだ。

抜歯当日

左の歯の抜糸から約10日後、右の歯の抜歯となった。今回も、手術前に化膿止めを飲んでおいた。

右下の歯から抜歯開始。自分は今まで、切開を伴う手術って経験がなかったので、今回が初めての切開体験だったのだが、麻酔のおかげで切開による痛みは感じなかった。高音がチュイーンと鳴り響く機械や、低音のゴリゴリ鳴る機械なんかを使って、歯を砕いて取り除いていった。口を大きく開けなければならず、口を固定する器具でえづきまくってしまった。大体15分くらいかけて、右下の歯を全て除去できた。

続いて右上の歯。コチラは切開した後、当て木みたいなのを添えて、トンカチみたいなので歯をガツンガツン引っ叩かれた。頭全体が揺れて、気分悪くなった。というか頭全体には麻酔が効いていないので、なんなら歯以外の部位が痛かった。コチラも15分くらいかけて、なんとか全て取り除けた。

縫い合わせる時に、頬がプルプルと引っ張られる感覚があった。左側の時よりもガッツリ縫われて、麻酔をしていてもちょっと痛みを感じた。

全部で45分ぐらいかかった。左側は2本とも抜いて全処置が終わるまでが15分くらいだったので、それと比べると長丁場だった。幸い、抜ききれない部位もなく、一回で抜歯が完了した。今回は歯を砕いて取り除いたためか、記念に歯を持ち帰る〜みたいなのが何もなかった。粉々の歯は知らぬ間に捨てられてた。w

手術直後は、麻酔の影響で舌もしびれていたが、このしびれが翌日になっても消えなかったら追加で処置が必要だから病院に来い、と言われた。後遺症の脅しホントに怖いわ…。

術後1時間くらいすると、舌のしびれが段々小さくなっていった。血の味がするし、トンカチで頭が揺らされたせいか、それとも麻酔のせいか、少しムカムカする。左側の時と比べて、今回は明らかに頬が腫れた。宍戸錠みたいになってた。今回もロキソニン2錠を早めに飲んでおいた。

術後3時間くらいすると、チクチクとした鋭い痛みを感じるようになってきた。唇の右下、右頰がしびれているような感じがするが、縫ったせいなのか、麻酔の残りなのか、後遺症なのか、区別が付かない。

術後4時間後。少し昼寝をしたら、舌のしびれはなくなっていた。水を飲むだけでも少し染みて痛い。左側の術後よりもかなりツラい感じ。

術後6時間もするとロキソニンが切れだしたので2錠飲んだ。

というワケでタイムラインするとこんな感じ。

術後1週間まで地獄の日々

抜歯翌日。舌や頬の痺れはなくて一安心。通院はせず、抜糸するまで1週間、安静にする。

抜歯直後から右頰全体が爆裂に腫れていて、口をちゃんと閉じられない。歯が噛み合わない。ロキソニンはしばらく2錠飲んでいないと痛みが引かずに苦しかった。

ロキソニンで痛みが引いていても、噛み合わせが悪く、食事は手前の歯で軽く噛むくらいしか出来なかったので、おかゆ中心の生活になった。ロキソニンの効果は6時間くらいで切れてしまってかなり痛いので、ロキソニンが切れ始めたらウィダーインゼリーかレトルトのお粥を腹に溜めて、すぐにロキソニンを飲む、という生活をしていた。

ロキソニンの処方は3日分だったのだが、術後3日目になっても痛くて、手持ちのロキソニンとレバミピドを追加して勝手に飲んでいた。頬の腫れの度合いも変わらず、ウィダーとお粥ばかりで一気に痩せた。嬉しい誤算w。ロキソニンを1錠にすると、2・3時間で痛くなってくる。痛いとお粥すら食べるのが大変なので、やはりロキソニンは2錠飲んだ。1回2錠を6時間間隔で飲み続けたらどうなるか、分かるな…?

術後4日目。なんだか舌が全体的に腫れて肥大化しているような感覚がする。口内で舌をどこに置いたらいいのか分からず、舌に口内炎が一気に出来た。元々歯並びが悪く、内側を向いていた犬歯が舌に刺さり、そこから酷い口内炎が出来てしまっていた。「舌をどこに置いておいたらいいのか分からない」なんて、今までなったことがなかったので、物凄く苦しかった。その日は眠れないまま朝を迎えた。

ロキソニンを飲んでも口内炎には全く効かず、やはりリステリンとデキサルチンでしのいだ。この日 (術後5日目) から、ロキソニンを1錠にした。術後の痛みより舌に出来た口内炎の痛みの方が酷くなったからである。ネットで調べたら、「舌のむくみ」という現象自体はあり得るようだが、舌と歯が当たり続けてとにかく辛かった。

術後6日目。朝起きたら、舌が少し小さくなったような気がする。口内炎は少し落ち着いた。風呂の湯船に浸かったら、血行が良くなったせいか手術跡が痛んだ。ロキソニンはこの日から飲まなかった。

抜糸

術後7日目。抜糸する日。この日の朝はようやく普通に食事を取れた。段々治ってきていた左側で噛むようにすれば普通に食事が出来るようになってきた。

断食していたワケではないので、お粥やパンぐらいは食べていたワケだが、左上・左下の窪みには頻繁に食べ物が挟まって大変だった。先端が細い歯ブラシでかき出してみたりもしたが、お湯でクチュクチュペーッとゆすぐのが、一番ちゃんと食べ物が取れて効果的だった。食事の度に、口内の左側を重点的にゆすぐようになった。

右側の違和感は残っているが、痛むほどではない。口内炎もこの日までにだいぶ収まってきた。

今度の抜糸は全然痛くなかった。口内炎が酷く、舌と歯が当たって困っていたことを伝えたら、当たっていた歯の先端を軽く削ってくれた。舌に触れる部分が丸くなり、だいぶ過ごしやすくなった。医師によると、この歯は歯並び的に噛み合わさっていないので、邪魔なら抜いてしまっても良い歯だ、とのこと。今は上下左右の奥歯がなくなっててしんどいから、来年にでも検討するよ…。

それ以降、こんにちまで

右側の抜糸を終え、通院が完了してから約2週間が経過した日に、この記事を書いている。

まず、抜糸の日までに痛みはなくなっていて、もう痛みは一切ない。歯磨きも普通に行っていて、切開跡に歯ブラシが触れたりしてもなんともない。

ただ、左右ともに術後の窪みは健在であり、いくら注意していても、食事する度に食べカスが窪みに挟まる。なので食後は毎回、よく口をゆすいでいる。なんか「ネオステリン」といううがい薬をもらったので、これもちょくちょく使っている。からくないリステリンみたいな感じ。

なるべく手前の歯で噛んで食べるようにしているが、そうすると舌と接触していた犬歯付近にガッツリ食べカスが挟まり、コレも気持ち悪い。やっぱりこの犬歯周辺も歯並び悪いんだな…。

自分の場合は本当に幸いで、1回の手術で歯を砕いて全て除去できたし、痺れなどの後遺症もなかった。先生が良かったんだろうな。ただ、切開を伴った右側はやっぱり抜くのに相当なダメージがあったようで、4・5日は顔が腫れていたし、食事がままならなくて辛かった。後半は歯の痛みより口内炎・舌炎の方が痛くて死にたくなるぐらいだった。それでも2日くらいリステリンしたりして耐え抜けば、現在は快適そのものである。

まだ窪みは残っているし、医学的に「完治」ではないが、既にだいぶ良くなっている。人生の中で1ヶ月くらい、軽く地獄の生活を耐え凌げば、「親知らず」による健康被害を一生クリアできるので、今回の選択は正解だったかなーと思っている。

まとめ

ということで、親知らず抜歯に関するまとめ。

以上。親知らずでお困りの方の参考になれば幸い。完治までにまた何かあれば追記する。