映画「Sicario ボーダーライン」を観た

2021-02-20、Netflix で視聴。本稿執筆時点では Amazon Prime Video 見放題対象でもある。2015年の映画。

あらすじ

FBI 捜査官のエミリー・ブラントは、国防総省 (CIA) のジョシュ・ブローリンに誘われ、麻薬カルテルの親玉マヌエル・ディアスの捜査に参加する。

メキシコとの国境に位置する、テキサス州エルパソに到着すると、そこで所属不明のベニチオ・デル・トロと合流する。マヌエル・ディアスの兄弟を護送中、麻薬カルテルの手下が追ってくるも、ベニチオらの部隊が先んじて射殺する。呆然としているエミリー・ブラントだったが、麻薬カルテルに買収されているメキシコ警察が自分に銃を向けていることに気が付き、自分も応戦、メキシコの警官を射殺する。

早速の「洗礼」に驚くエミリーだが、その後も法を遵守しているとはいえない捜査が続く。エミリーは FBI の上司に報告するが、「これらの捜査は我々よりも『上』が決めたことだ、合法・非合法のボーダーラインは変わるものだ」と言われる。

ジョシュ・ブローリンらは、メキシコに通じる秘密のトンネルを発見し、特殊部隊を率いてトンネルに突入する。最後尾で参加するエミリーは、ベニチオが買収されたメキシコ警察の男を捕らえている現場に出くわす。計画として聞かされていない行動に驚くエミリーをよそに、ベニチオはメキシコ警察の男とともにメキシコ側へ姿を消した。

トンネルから引き上げたエミリーに対し、ジョシュ・ブローリンが真相を説明する。

CIA の目的は、現在メキシコを牛耳る麻薬カルテルに混乱をもたらし、代わりにコロンビアの麻薬カルテルを台頭させることだった。コロンビアのカルテルは麻薬の流通量がコントロールしやすいためアメリカにとって都合が良いのだという。

一方、単独行動を行ったベニチオ・デル・トロは、かつて妻と娘を麻薬カルテルに殺された元検事であり、個人的な復讐のため、CIA と行動を共にしていたのだという。そして FBI のエミリーを作戦に参加させていたのは、CIA の規則上、FBI 捜査官の同行が必要だったからだという。エミリーは「大人しく付いてこられる人材」として選ばれただけだったのだ。

そんなベニチオは、メキシコ警察官を利用してマヌエル・ディアスに接近すると、彼を脅して、彼のバックにいる麻薬王アラルコンの住宅に潜入する。アラルコンが家族と食事している食卓に辿り着いたベニチオは、自分の妻子を殺したのは誰かと尋ねる。アラルコンは、自分が殺害を命じたと打ち明け、「家族だけは助けて欲しい」と懇願する。

そんな懇願も虚しく、ベニチオはアラルコンの息子と妻を躊躇なく射殺。呆然とするアラルコンにも銃弾を打ち込み、復讐を果たす。

その後、エミリーが泊まるアパートにベニチオが現れ、「一連の捜査は全て合法だった」と証明する書類にサインしろと言う。超法規的な行動を受け入れきれないエミリーはサインを断るが、ベニチオはエミリーに拳銃を突きつけ、サインをさせる。

ベニチオが立ち去ろうとしたところ、エミリーは拳銃を向けるが、彼女はついに引き金を引くことができず、諦めるのだった。

…メキシコの運動場では、ベニチオに利用され射殺された、メキシコ警察官の息子がサッカーをしている。遠くから銃声が聞こえ、試合が一時中断するが、すぐに何事もなかったかのように試合が再開されるのであった。

感想

エミリー・ブラントがメチャクチャな捜査に巻き込まれてぐったりしていく様がとても良い。w

ジョシュ・ブローリンのクセのある役どころも面白い。彼のバックグラウンドは語られないが、非合法な捜査、拷問などを平然とやってのけるようになるまで色々あったのだろうし、そうしたものをとうに乗り越えてきたような「図太さ」が演技に表れていて、説明がなくとも「ヤバいヤツ」と分かるところが良かった。

ベニチオが素性不明のメンバとして関わっているが、真相は復讐を果たそうとする「個人」だったことにびっくり。アラルコンの豪邸に忍び込むまでの手際の良さ、アラルコンの家族をもためらうことなく殺す冷酷さはスカッとした。

エミリー・ブラントは、自分に銃を向けてきたベニチオに、ついに反撃することができなかったが、コレは彼女が最後まで「法を遵守する人間」であり、ベニチオやジョシュ・ブローリンのような連中とは生きる世界が違うのだ、ということが表現されている。バルコニー越しのショットは二人の「ボーダーライン」が上手く描写されていて面白かった。

最初ちょっと分かりづらいけど、時々映るメキシコ人家族のシーンは、終盤でベニチオが利用する、買収されたメキシコ警察官シルヴィオの家族。メキシコの麻薬事情がどこまでこの映画どおりなのかは分からないけど、こういう風な光景もあるのだろうなーと思わせるラストだ。