映画「Mission Impossible 1 ミッション・インポッシブル」を観た
2021-03-13 改めて視聴。繰り返し観ている大好きな映画。1996年、トム・クルーズ主演。
あらすじ
CIA の裏切り者を単独で突き止めるトム。
あらすじというか、設定や伏線が少々分かりづらいので、その辺の「解説」を中心に。
映画は CIA の諜報部隊「IMF (Impossible Missions Force)」に所属するイーサン・ハント (トム・クルーズ) らのメンバが中心となっている。
プラハ
CIA は内部情報が漏洩していることに気付き、工作員の名簿である「NOC リスト」を盗み出す人物を特定する作戦を出す。ハント、クレアなどのメンバの他、後から合流したベテランのジム・フェルプスがメンバに選ばれた。クレアはジムの妻。ジムはハントにとっては様々なスキルを教えてくれた上司。「後から合流したけど、何してたんだ?」という雑談の中で、「シカゴのドレイク・ホテルに泊まって新人研修をしていた」とジムが答えている。
プラハの大使館で、ゴリツィンという人物が NOC リストを盗み出す瞬間を確認したが、直後、作戦のメンバが次々と殺されてしまう。ゴリツィンは何者かに刺殺されており NOC リストが入ったディスクは盗まれていた。同時に、仲間のサラも刺殺されており、犯人が残した特徴的なナイフをハントが目撃している。
また、ジムは何者かに撃たれた様子がカメラに映る。クレアは直前まで彼女が乗っていたクルマが爆破した。このことから、ハントは自分以外のメンバ全員が消されたと判断した。
ハントは急いで IMF 本部に連絡を取る。すると上司のキトリッジがプラハに急行し、ハントと接触する。ハントは合流したレストランに、プラハの大使館にもいた人物達を確認し、彼らが IMF の別チームだと察する。キトリッジは次のように説明する。
- IMF の内通者は、マックスという武器商人と接触している
- マックスは NOC リストを入手する作戦に「Job-314 作戦」と名付けた
- ゴリツィンに盗ませた NOC リストは偽物、ゴリツィンは内通者を炙り出すためのおとり
- 本物の NOC リストは CIA 本部にある
- 生き残ったのはハント、君だけか。君の口座に不審な金の流れも見つけたし、君が内通者なんだろう?
自分が内通者の濡れ衣を着せられたことに気付いたハントは、「レッドライト・グリーンライト」と命名されたチューインガム状の爆弾を使ってその場から逃走する。
プラハのアジトに逃げ帰ったハントは、マックスと接触し、真の内通者を探し出そうと考える。「Job-314」が聖書の「ヨブ記」を示す暗号であると気付いたハントは、ネットスケープを開いて聖書に関連するウェブサイトに片っ端からアクセスし、それらしいメールアドレスにガンガンメールを送りまくる。
- このシーンは当時としても良く分からない IT 描写だけど、スパムメール的に、それっぽいメアドに片っ端からメールを送ってコンタクトを取ろうとしているってことで。
- このプラハのアジトにたまたま置いてあった聖書を目にして「ヨブ記」に当たるが、ココにあった聖書は、ロンドンのアジトにあった聖書とは別の物だと思われる。本の色味も似ていて違いが分からないけど、多分…。
深夜4時。すんでのところでクルマの爆発に巻き込まれていなかったクレアが、アジトに戻ってくる。ハントはクレアに事情を説明し、自分とグルだと思われるだけだから、キトリッジには接触せず、アジトで潜伏しているように、と伝える。
マックスとの取引
マックスからメールの返信があり、ハントはマックスのアジトに向かう。ハントは
- マックスが受け取っていた血まみれのディスクは偽物で、恐らく発信機が内蔵されている
- 僕が本物の NOC リストを取ってきてやる
- 代わりに、NOC リストを取引した「ヨブ」に会わせろ
- ヨブ = ハントをハメた人物であり、真の内通者
と持ちかける。
半信半疑のマックスはディスクを読み込むが、ハントの読みどおり発信機が埋め込まれており、すぐにキトリッジが突入してきた。間一髪逃げのびたマックスとハントは取引成立となる。
アメリカ・CIA 本部
本物の NOC リストは CIA 本部にあるので、それを盗み出すため、IMF の退職者から良さげな仲間を見繕う。
- 天才ハッカーのルーサー (ヴィング・レイムス)
- ハントは伝説を聞いて尊敬していた人物
- 現場担当、ヘリ操縦担当としてクリーガー (ジャン・レノ)
- 「CIA の本部に潜入するなら、ついでにフォートノックス (軍用地) にも行こうぜ。ヘリでロビーを抜けて金塊をいただこう」といった発言をしている。調子の良い性格を描写しているだけでなく、ヘリの操縦ができるというスキル説明と、トンネルに迷い込むことになるクライマックスへの伏線を兼ねたセリフだ
4人は CIA 本部に潜入し、天井からワイヤで吊るされたハントが頑張って本物の NOC リストを盗み出す。この際、クリーガーは特徴的なナイフを使用している。
ロンドン
ロンドンのアジトに潜伏した4人。そこでクリーガーは、ハントから受け取った NOC リストのディスクを持ってふんぞり返るが、ハントはもう一枚のディスクを取り出し、マジックを披露しながら「お前の考えは分かっている」と出し抜く。怒ったクリーガーはディスクを捨てて立ち去る。実際はクリーガーが持っていたディスクが本物であったため、ハントはマジックを披露したりしながら巧妙にディスクを取り返していたのだった。「私がクリーガーを推薦したのに、トラブルになって申し訳ない」と謝るクレア。
マックスに NOC リストの取引方法をメールしようとしたハントは、ロンドンのアジトにあった聖書を手に取る。そこには「シカゴ・ドレイク・ホテル」のスタンプが押されていた。
- ジムはチェコ・プラハの作戦の前に「シカゴ・ドレイク・ホテル」に滞在して新人研修をしていたと語っていた
- アメリカ・シカゴの聖書が、なぜロンドンのアジトにあるのか?
- ジムはシカゴ → ロンドン → プラハの順で行動していたのではないか?シカゴ・ドレイク・ホテルの聖書を持ってロンドンのアジトに行き、そこでマックスとやり取りするため聖書を使用して放置。その後プラハに向かって作戦に合流していた?
- ここはいくつかの推測ができるのだが、いずれにせよ、ジムはこのロンドンのアジトに滞在していたことを、ハントたちに黙っていたことになるが、それはなぜか?というところが大事。
- 別案としては、こうも考えられるかもしれない。ジムの動きはシカゴ → プラハの順はそのままで、プラハのアジトにあった聖書もシカゴ・ドレイク・ホテルの聖書だった。ハントがマックスと取引をしている頃、空き家となったプラハのアジトにジムが戻っていた (このあとハントと話をするジムが「プラハのアジトに翌日戻ったが空き家だった」と語っている)。ジムはプラハのアジトにあった聖書を持って、ハントより先にロンドンのアジトへ向かい、そこに聖書を置いて立ち去った?そして後からアジトに入ってきたハントが聖書を見つけた?
- ただしそうだとすると、ハントは「プラハのアジトにあったはずの聖書が、どうしてロンドンのアジトにあるんだ?」と疑問に思うべきだが、そうではなく、「シカゴ・ドレイク・ホテル」のスタンプが押されていることに気付いた描写しかないので、この別案は微妙
- プラハのアジトにあった聖書をハントが持ってロンドンに移動していたのなら、「シカゴ・ドレイク・ホテル」のスタンプを見ても、「あぁ、これジムの遺品だったんやな」ぐらいにしか思わないだろう
- だからやはり、「プラハのアジトにあった聖書」と「ロンドンのアジトにあった聖書」は別の個体だと考える方が、「シカゴ・ドレイク・ホテル」のスタンプからジムが真犯人と気付くに至る流れの辻褄が合うだろう
- ロンドン滞在を隠していたということは、IMF には言えない秘密の行動を取っていた? → つまり、ジムが真の内通者か?
ハントは聖書のスタンプから、恐らくこのような疑問を抱いたのだろう。
直後、ハントの両親はキトリッジによって、でっちあげの罪で逮捕される。怒ったハントはロンドンの駅でキトリッジに電話する。そこにジムが現れる。
ジムは「真の内通者はキトリッジだ」と話す。ハントは表面的には「なるほど、キトリッジが黒幕だとすると辻褄が合うな…しかしどうして…」と答えて話を合わせるが、内心はジムが真の内通者、つまり「ジムこそが『ヨブ』だ」とほぼ断定できて、一連の回想シーンが流れている。
- ジムが撃たれた様子は自作自演
- ゴリツィンと仲間のサラを刺殺したのは、ジムとグルだったクリーガー (特徴的なナイフを使っていたことから)
- クレアが巻き込まれずに済んだクルマの爆発は、クレアが起爆したか、ジムが自作自演した後に起爆したかのどちらか
- クリーガーを推薦したのはクレアだったので、クリーガー、クレア、ジムの3人がグルとも考えられる
- しかしハントにとってはクレアがグルなのかどうかまだ断定できずにいたため、2パターンの回想シーンが流れている
ハントの思いとしては「ジム、どうしてこんな裏切り行為を…」という気持ちだが、ジムとの表面的な会話では「キトリッジはどうしてそんな裏切り行為を…?」という受け答えに聞こえるニュアンスで、「どうして…」と発言している。
ジムは「きっとキトリッジはこう考えたのだろう」というテイで、自論を展開する。要するに冷戦が終わって、スパイの価値がなくなったと考えたジムは、情報を闇市場に売る方へと鞍替えしたというワケだ。
ハントは今後の作戦をジムにも「あえて」話す。
- TGV (高速列車) の中で、NOC リストをマックスに渡す
- マックスとの取引として、ハントは「ヨブ」と面会する
- クリーガーが逃走用のヘリを用意している
パリ行きの TGV
ジムと別れたハントは、キトリッジにも TGV のチケットを送っていた。
マックスは TGV の座席で NOC リストのディスクを受け取り、外部に転送しようとしていた。しかし、ルーサーが妨害電波でそれを阻止。
- 「何でディスクもらったのにネットワーク転送が必要あるの?」というところがイマイチ分からない。時代的に IT の描写が不正確なのでなんともいえないが推測
- 好意的な解釈 : 物理的なディスクを持っていると、電車到着時に怪しまれると思い、到着前にデータは外部に転送し、ディスクは破棄しようとしていたのかもしれない
- 恣意的な解釈 : マックスにとって取引が無事完了するまでのスリルを、物語上付けたかったから、「単なるディスクデータのローカルコピーにも何らかのネットワーク通信が必要」みたいな意味不明な設定にしておいた?ルーサーによる「妨害電波」が機能するようなシナリオにしたかったために、テキトーに作った設定?
マックスからの案内で、ハントは金と「ヨブ」がいる貨物室に向かう。また、クレアも貨物室に向かう。
クレアが貨物室に着くと、そこにはジムがいた。クレアは
- 本当にハントを殺すの?
- お金だけ奪って逃げましょう
- あなたは既に死んだことになっている、罪はハントになすりつけられる
と、ハントを半ば庇いつつも、ジムとグルであることが明らかなセリフを吐く。
それを聞いていた「ジム」は、静かに変装マスクを剥ぎ取る。ハントがジムに変装して、クレアの言葉を聞いていたことが分かる。
そこに本物のジムが登場。「どの時点で私が黒幕 (= ヨブ) だと気付いた?」という問に、「聖書にドレイク・ホテルと書いてあった」と答え、「そりゃミスったな」と返すジム。また、ハントはメガネに内蔵されたカメラの映像をキトリッジに送信しており、ジムが生存している = ジムが真の内通者であることをキトリッジに伝えていた。「おはようフェルプスくん」
焦ったジムはハントから金を奪うと、ハントを射殺しようとするが、情が湧いていたクレアがそれを阻止。するとジムはクレアを射殺し、ハントを殴って気絶させて逃亡する。
ジムは TGV の車外に飛び出し、グルだったクリーガーのヘリに飛び移ろうとしていた。それを阻止すべく、ハントはヘリコプターのチェーンを TGV の車体に固定。そのままトンネル内にヘリが迷い込む。
ハントは再び「レッドライト・グリーンライト」を取り出し、ヘリを爆破。クリーガーとジムは爆死、ハントは間一髪のところで助かる。
引退・復帰
無実の罪で逮捕されていたハントの両親は釈放された。ルーサーは活躍を認められ、IMF に復職することにした。
一方ハントは、疲れたから退職すると言って、自宅に帰るため飛行機に乗り込む。しかし CA から執拗に映画を勧められ、次なる任務の予感を感じるところでエンドロールへ。
感想
クライマックスのトンネルのシーンが予告編に使われている CM を、1996年当時見た記憶がある。トム・クルーズが爆発とともにカメラ間近までぶっ飛んでくるシーンは当時物凄い迫力で、「うぉーなんだこの映画、観てぇ!!」と思った記憶がある。
実際にこの映画を見たのは、テレビで放送されるようになってからだったと思う。特にクライマックスのシーンは、録画を繰り返し見ていた。色合いなどから何となく合成しているのは分かるけど、どこまでが CG なのか、未だにハッキリ区別が付かない素晴らしい完成度だ。
恐らく、基本はブルーバックでの撮影かしら。強風は実際に巨大送風機で当てているのかな。背景は CG なのか、ミニチュアなのか、実写なのかイマイチ分からない。よく出来てる。
冒頭、キトリッジから逃走すべくレストランの水槽を爆破するシーン。スローモーションでサラッとやっているので凄さがよく分からなかったのだが、メイキングで等倍速を見ると、神がかり的なタイミングでトムの演技と爆破演出が組み合わされている。一発本番で、タイミングをミスれば大量の水を頭上から被り事故に繋がりかねない危険なスタントだ。
CIA 本部での宙吊りシーンもハラハラする。スパイのチーム行動はちゃんと描かれているわ、変装やカメラ内蔵メガネなどの小道具も面白いわ、現実味・説得力のあるスタント・アクションが適切に配置されているわで、シリーズ1作目にして最高傑作かもしれない。
残念なのは、「ジムが黒幕」なのは一見して分かるのだけど、何がどういう経緯でそう判明していくのか、という伏線が非常に読解しにくい。特に「シカゴ・ドレイク・ホテルの聖書」が「決め手」になる理由がイマイチ分からないままである。今回、なんとか好意的な推測をもって自分を納得させようとしているが、製作者の意図どおりに読めてるかな…。
メールやファイル転送などパソコン関連の描写も、不正確というか、不鮮明・不明瞭な描写で、混乱をきたすポイントの一つ。キトリッジは「マックスが使う暗号文書を確認」などと表現していたが、結局ハントは聖書を引用するだけで、本文は暗号化とかしてないし。
かといって、そこらへんの考証を正確にしても、分かりにくさは変わらない。ゴリツィンからディスクを奪ったのはジムで、クリーガーはグルなどではない、みたいな形で登場人物の繋がりを少なくしたらシンプルにはなるかもしれないけど、「クリーガーがグルということは、クレアもグルなのかどうなのか?」というハントの迷いを描写するきっかけがなくなるので、その辺も難しいか。
シナリオ面は複雑さが気になるものの、正確には分からなくとも問題はないレベルの話なので、十分楽しめるだろう。