Oracle Cloud Infrastructure 2020 Architect Associate (1Z0-1072-20-JPN) に合格した
「Oracle Cloud Infrastructure 2020 Architect Associate (1Z0-1072-20-JPN)」という Oracle Cloud の認定資格みたいなヤツがあって、先日それを取得したので、勉強方法とか書いてみる。
前提条件
- 自分は2019年から Oracle Cloud を業務利用していて、実務経験がある
- 2019年に、本資格の前バージョンである Oracle Cloud Infrastructure 2018 Architect Associate (1Z0-932-JPN) も取得している
…ということで、今回の「OCI 2020」が初というワケではなく、前知識があったのは、ある種アドバンテージがあったかと思う。
勉強方法
初学者は以下のページを読む。一気に全部見なくても良い。
- チュートリアル - Oracle Cloud Infrastructure を使ってみよう | Oracle Cloud Infrastructure チュートリアル
- OCI 管理画面の雰囲気とか、主な機能の触りだけでも擬似体験できる
- Oracle Cloud Infrastructure 活用資料集 | Oracle Cloud Infrastructure 活用資料集
- 上のチュートリアルよりもっと細かい情報が確認できる
- Become OCI Architect (Associate) | Learn Oracle for Free | Oracle University
- コレがいわゆる「ラーニング・パス」。本資格を取るための勉强動画が大量にある。英語音声・日本語字幕
自分は上のページで出てきているような情報はある程度キャッチアップできていたから、いきなり模擬問題を解きまくった。
- Practice Exam For: Oracle Cloud Infrastructure 2020 Architect Associate | Learn Oracle | Oracle University
- 上述のラーニング・パスの一部。公式の模擬問題が30問くらいある。英語のみ。全問解いたあとに答え合わせになる
- Oracle Cloud Infrastructure 2019 Certified Architect Associate 資格試験ポイント解説セミナー(1) - YouTube
- 2019年版の試験対策ではあるが、公式の日本語解説動画。Part 4 まである。
あと、非公式ながら以下のページで84問の模擬問題が日本語で受験できた。ただし、正解とされる選択肢には誤りが多く見受けられたので、品質が微妙。
YouTube で試験番号の 1Z0-1072
で検索してみたら、非公式で英語のみであるものの、模擬問題の動画が沢山出てきた。自分は以下3つあたりを全部こなした。
- Latest Oracle Cloud Infrastructure 2020 Architect Associate (1Z0-1072-20) Questions with Answer - YouTube
- 1時間分ぐらいある
- Latest Oracle Cloud Infrastructure 2020 Architect Associate Questions with Answer (1Z0-1072-20) - YouTube
- コレも1時間分ぐらいある。上と合わせてやっておくと重複問題が出てくる
- Oracle Cloud Infrastructure 2020 Architect Associate (1Z0-1072-20) Rectified Questions with Answer - YouTube
- 上の動画の補足分
これらの非公式動画は、正解とされる解説が誤っているモノも少なからず見受けられた。正解に違和感があったら、問題文を Google 検索して、コミュニティでの会話を眺めると、「この問題の正解はコレでしょ〜」などと話している様子が見つかる場合がある。ちゃんと勉强していれば、最後の最後は「自分の違和感に従った方が正解する」と思う。
私的・試験対策ポイント
自分が以前取得した2018年版と比べて、いくつか試験傾向に違いがあったので、その辺を主にまとめておく。
自分は個人の OCI アカウントも持っていて、Always Free の機能は利用しているが、今回の試験のために OCI 管理コンソールを開いて実物を確認することはなかった。
頻出問題
- Tenancy・Compartment・User・Group・Policy の関係はよく聞かれる
- 2018年版から傾向としては同じ。いわゆる IAM 周りの出題は多い
- VM のボリュームバックアップ・リストア・クローン周り
- Available Domain を跨げるのかどうか、みたいなところがよく問われるので整理する
- まとめてバックアップを取れる「ボリューム・グループ」機能も要整理
- File Storage Service (FSS)
- NFS v3 という、ネットワーク経由でボリュームをアタッチして利用する機能を利用したサービス
- なので、NFS の一般的な知識がベースとして求められる
- FSS が提供する「NFS エクスポート・オプション」が制御できる範囲と、アタッチ後に普通の NFS として制御できる範囲とを理解しておく
- Autonomous Database (ATP・ADW) に関する問題が多くなった
- 2018年版の時点ではほぼ問題になっていなかったが、2019年以降はサービスリリースに伴い、自社サービスを推しているっぽい
- Compute (VM) ではないので、「シェイプ」の概念はなく、スペック変更の仕方がこれまでの VM DB と違ったりする
- OCI 管理コンソールの他に、ATP・ADW 用の管理コンソールがあるので、それぞれの画面で出来ることが異なり、それが問題になって出てくる
- DRG (動的ルーティング・ゲートウェイ)、リモート VCN ピアリング、IPSec VPN、FastConnect (専用線接続)
- 別リージョンとの接続、オンプレ環境との接続方法などはよく問われる
- 特に IPSec VPN 接続については、2018年版では出なかったので、よく分からなくなった
新機能に関する問題
- 「ネットワーク・ソース」の問題が出た
- 2021年3月時点まででいえば、Object Storage へのアクセス制御のための機能でしかない
- これまでアクセス制御は Security List でしか出来なかったが、コレだけちょっと例外的に、Policy での管理が出来るようになったイメージ
- Internet Intelligence
- サービス提供対象の地域と、Oracle のデータセンタとの距離などを踏まえて、レイテンシが少ないリージョンを確認したりできるようなサービスらしい
- GPU を使える VM インスタンス
- OS Management (OS 管理)
- Cloud Shell
その他
- OKE (マネージド Kubernetes サービス) に関する出題は、2018年版よりも激減した
- こんな定義の YAML ファイルを適用したらどうなるか?というような Kubernetes 自体の知識は最小限必要
- Cloud Shell を利用して KubeConfig をイイカンジに使ってもらうには、みたいな、他のサービスと組み合わせての「運用」周りの出題はあったかな
- ベアメタル・インスタンスにおける Data Guard の要件だとか、実際の検証がしづらいのに情報が少ないところがあった。最後は問題文を暗記するだけにして諦めた
試験申込方法
なんでこの手の試験の申し込みってクッソ面倒臭いんでしょうかね?なんとかなりませんかね?
Oracle の試験を受けるには、色んなアカウントが必要になる。
- Oracle.com アカウント
- Oracle University という、受験チケット購入サイトへのログイン情報として連動する
- CertView という、試験・資格情報の管理サイトへのログイン情報としても連動する
- (上2つはいずれも Oracle が管理するサイト)
- PearsonVUE アカウント
- 試験会場を予約申込したりするサイト
- CertView より、ピアソンのアカウントと Oracle.com のアカウントとを紐付けておく必要がある
自分は以下のような手順で実施した。
- 「Oracle University」というサイトから、で受験チケット (いわゆるバウチャー) を買う
- 一日ほど経つと、
ORAC
から始まる受験チケットのコードがメールで届いた - 「CertView」というサイトにログインして、そこから「PeasonVUE」の画面に遷移する
- 「PearsonVUE」の画面より、試験番号
1Z0-1072-20
を検索 → テストセンターの予約を進めていく - 「PearsonVUE」の画面を進めていくと、受験チケットのコードを入力する画面が出てくるので、メールで受け取ったコードを入力する。すると受験費用がその場で割引扱いになり、受験申込みができる
…こんな感じで、なんやかんや3つのサイトを移動しながら申し込みすることになった。
自分はテストセンターで受験した。申込後、猶予があれば受験日を変更できる。
昨年2020年から、自宅でのオンライン受験も可能になったようだ。Microsoft Azure の試験で試しにやってみたが、そちらは死ぬほど面倒臭くてトラブルも多かったので、恐らく Oracle でも似たようなモノだろう。完全に一人暮らししてる人とかじゃない限り、あんまりオススメしない。
試験
テストセンターには20分前くらいに到着しておき、試験開始のための手続きを行う。本人確認書類は2つ必要になる。自分は運転免許証とパスポートを持参した。
日本語の試験を受験したが、翻訳の精度が悪く、理解するのに物凄く苦労した。原文の確認もできなかったので、問題文自体を理解しきれずに回答が怪しくなる問題が結構あった。上で紹介した日本語の模擬問題なんかよりも全然意味不明な翻訳が多くて辛かった。
そのような「現地で初めて発覚したトラブル」もあり、回答に自信がないとマークを付けた問題が、全60問中15問程度あった。自信のある問題が全問正解だとすると、正答率 75% 前後で合格はできるかなーと思いつつ、心配だったのでもう少し見直して粘ってみた。でも何度読んでも理解できない日本語は理解できないので、最後は諦めた。
結果、正答率 76 で、合格ラインの 65% をちゃんと超えて合格できた。
「試験結果レポート」は試験後30分程度で速報としてウェブからも確認できるようになる。
試験合格後、2・3日経つと、CertView から合格認定証の PDF ファイルがダウンロードできるようになる。また、「Acclaim (youracclaim.com
)」というサイトと連動して、試験に合格したというデジタルバッジ (試験ロゴの PNG ファイル) がダウンロードできるようになる。
感想
なまじ2018年版の試験も合格していただけあって、前知識との比較で混乱するところが多く、同じ試験のバージョン違いを受け直すのは別の大変さがあるなぁーと実感した次第。
こういうベンダー資格は総じて情報量が少ないので、勉強方法が難しい。英語に苦手意識をもっていて日本語を選んでいると、かえって苦労する事態も起きたりして、辛いな。
まーしかし、YouTube 様様だったと思う。試験番号でググる・ツベる、というのが結構大事かも。
参考文献
- 【合格体験記】Oracle Cloud Infrastructure 2020 Architect Associate - Powered by テリロジー「Oracle Cloudでやってみた」をやってみるTechBlog
- (OCI)Oracle Cloud Infrastructure 2020 Certified Architect Associate(1Z0-1072-20-JPN)に合格しました - Powered by テリロジー「Oracle Cloudでやってみた」をやってみるTechBlog
- OCI Foundations 2020 Associate(1Z0-1085-20) に合格したので受講手順と勉強方法をメモしておく。(Oracle Cloud Infrastructure) - Qiita
- OCI 2020 Architect Associate (1Z0-1072-20) に合格したので、受験方法や学習コンテンツをまとめてみる。(Oracle Cloud Infrastructure) - Qiita
- OCI 2020 Architect Associate (1Z0-1072-20) に合格したので、受験方法や学習コンテンツをまとめてみる。(Oracle Cloud Infrastructure) - ねら~ITエンジニア雑記