映画「Knives Out ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密」を見た

2021-04-07 視聴。2019年の映画。

あらすじ

犯人は犯人じゃなかった。

ある日、小説家のオッサンが喉を掻っ切って死んでいるのが発見される。オッサンの子供・孫たちはどいつもこいつも問題があり、オッサンはそれぞれと確執を持っていた。オッサンにとっては看護師のアナ・デ・アルマスだけが信頼できる人物となっていた。

警察の捜査ではオッサンの自殺に間違いないというが、私立探偵の6代目ジェームズ・ボンド (ダニエル・クレイグ) は不審な点を探っていた。彼は謎の人物から調査依頼の手紙を受け取っており、警察の捜査に同行していたのだった。

アナ・デ・アルマスは「ウソをつくと吐いてしまう」というクセがあった。彼女の証言が気になったボンドは、彼女を「ワトソン君」として捜査に同行させるのだった。


ココでアルマス視点での回想。

彼女はオッサンに投与する「いつもの薬」と「モルヒネ」を取り違えてしまい、オッサンに大量のモルヒネを投与してしまっていた。アルマスの身を案じたオッサンは、アルマスにアリバイ工作の手口を説明し、自ら喉を掻っ切って自殺した。つまり、「何者かによって殺されたが、アルマスは無実である」と見せかけるためのアリバイ工作を、オッサンも協力して行っていたということが分かる。


オッサンを死に追いやったのは自分だと思っているアルマスは、ボンドの捜査をほんのり妨害したりする。その後、オッサンの遺言が公開されると、「全財産をアルマスに贈与する」と記されており、家族は大混乱になる。バカ孫のクリス・エヴァンスがアルマスを連れ出して救出するが、彼は「お前何か隠してるだろ、正直に話せ」とアルマスに迫る。アルマスは顛末を話すと、クリスは「遺産を俺にもよこせ、その代わり隠蔽工作に協力する」と持ちかけるのだった。

翌日。アルマスの元に匿名の脅迫状が届く。オッサンの薬物検査の結果と思われる資料の一部が添付されており、アルマスは自分が薬物で殺した証拠が何者かに見つかったと考える。

アルマスが脅迫状に従って現場に向かうと、そこにはオッサンの家で働いていた家政婦が倒れていた。アルマスは心肺蘇生を行い、病院に連絡した。そこでアルマスは、ボンドに全ての顛末を打ち明ける。

アルマスは「自らの口から遺族に真実を伝えたい」と申し出て、家族を招集する。しかし直前になって何かに気付いたボンドは、アルマスとクリスだけを集めて、自分の推理を話し始めた。


オッサンと喧嘩していたクリスは、アルマスが普段投与している「いつもの薬」と「モルヒネ」のビンの中身をすり替えていた。その後、アルマスは「いつもの薬」と「モルヒネ」のビンを取り違えて、オッサンに注射してしまうワケだが、中身は「いつもの薬」にすり替えられていたので、実はアルマスの注射には何の問題もなかったのだ。その事実を知らないオッサンは、結果的に自ら喉をナイフで掻っ切って自殺したのだった。

家政婦は、クリスが薬をすり替えている現場を目撃しており、クリスに対して脅迫状を送っていた。クリスは証拠隠蔽のため、家政婦にモルヒネを注射し、アルマスに対して脅迫状を転送していたのだった。

「…それはあくまで推理で、証拠はないだろう」と得意気なクリス。

そこに、病院から電話が入る。アルマスは病院からの電話を切り、「家政婦が一命をとりとめたそうだ」と共有する。

ボンドは「それではこれから病院に向かって、家政婦から証言を取ろう」と言う。開き直ったクリスは「あぁそうだ、推理どおり、俺が家政婦を殺したよ、でも一命を取り留めたなら俺の罪はせいぜい殺人未遂ってところだろう、すぐにムショから出てきて、アルマスの遺産をぶんどってやる」とまくしたてる。

するとアルマスはクリスにゲロをぶっかける。アルマスは「家政婦が一命をとりとめた」というウソを付いており、クリスからの自白を引き出したのだった。

怒ったクリスはその場にあったナイフを掴んでアルマスに突き立てるが、それはオッサンが生前大事にしていた、刃が引っ込むニセモノのナイフであった。

逮捕・連行されるクリス。オッサンに寄り添わず私欲ばかり優先する家族たち。アルマスはその様子を「自分のもの」になった邸宅のバルコニーから眺めるのだった。

感想

推理モノは割と好きな方なのだが、本作は全然面白くなかった。世間的には評判良いらしいけど、何で?

スターウォーズ8のライアン・ジョンソンが監督・脚本を務めていて、ダニエル・クレイグ主演、アマ・デ・アルマスやドン・ジョンソンなど名優揃い。

でも、アナ・デ・アルマスが殺していないこと、どうせクリス・エヴァンスが真犯人なことは序盤の聞き取り調査の段階ですぐに分かってしまった。クリス・エヴァンスがダニエル・クレイグを秘密裏に雇ったこととか、薬物検査センターに放火したりとか、家政婦にモルヒネを盛ったりとか、その辺の犯行に無理がある。計画性はないし、頭がキレるキャラでもないのに、バレバレな証拠は残してこない感じとかが、随分とご都合主義だ。ダニエル・クレイグに名探偵っぽさもなく、全部が中途半端に感じた。

ライアン・ジョンソンはきっと、前半のコナン・ドイルやアガサ・クリスティ的な演出をやりたかっただけなんだろうなーと思う。この人オチの付け方ヘタクソなんだな。