Suntory Saturday Waiting Bar「AVANTI」の思い出

Tokyo FM で放送されていた「サントリー・サタデー・ウェイティング・バー『アヴァンティ』」というラジオ番組の思い出。

このラジオ番組は1992年から放送されていたのだが、自分が聴き始めたのは2008年頃から番組終了の2013年までで、殆ど新参者である。なので「ジェイク」時代のことなんかはリアルタイムには知らず、後からいくつか過去放送を探して聴いたことがあるぐらい。

AVANTI という番組は設定がとても凝っていて面白かった。東京は元麻布、仙台坂上にあるイタリアン・レストラン「AVANTI」に訪れたリスナーが、常連客の「教授」とともに、店の他の客の会話に聞き耳を立てる、という設定なのだ。単純に芸能人を呼んでトークするといったスタイルではなく、様々な業界の有名人やビジネスマンが、居合わせた常連客相手に会話している、その様子を盗み聞きするという変わった雰囲気なのである。バーの店内のような「雑音」が裏に聞こえる中で、毎回様々なジャンルの話題が飛び交っていて、示唆に富んだ興味深い番組だった。


…ただ、今コレを書きながら思い出そうとしているのだが、「あの回が面白かった!」という風にハッキリと覚えている回が、全くなかった。w

そういえば、自分が覚えている「ラジオの回」って、全然ない気がする。「InterFM Saturday Driving Breeze」とか好きで聴いてたし、「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ」も AVANTI と同時期ぐらいからずっと聴いていた。でも、これらの番組でどんな話題が出ていたか、誰と何の話をしていたか、全く思い出せない。「伊集院光 深夜の馬鹿力」「爆笑問題カーボーイ」「オードリーの ANN」など、お笑い系の番組だと、「あの回は面白かった」「あのフリートークはよく覚えている」というモノが2・3個出てくるのだが…。ラジオってこういうモンなのか?

でも、たまに、外出先で高級腕時計を見掛けた時とか、オシャレなバーに行ってワインを頼むことになった時とかに、AVANTI で聞いた知識を受け売りで喋ったことはあった。頭のどこかには入っていて、普段は取り出せないんだけど、近しい状況になるとフッと思い出すことはあったみたい。

番組の設定として変わっていった内容は多少は覚えていて、「おかもとまりが途中からスタンの元で働き始めてたなぁ~」とか「取手さんところ子供出来てたよなぁ~」とか。w 現在は Wikipedia に登場人物の詳細が記載されているが、当時は特に調べていなくて、でも音声だけでぼんやり伝わってくる人物像を想像しながら聴くのが楽しかった。「声の大きい常連さん (馬場康夫)」の話の振り方や合いの手の入れ方は、相手によって結構クセの出方があって、聞きにくい時もあったりしたんだけど、その辺も「会話を盗み聞きしているリアルな感じ」があってよかったのかも知れない。

「麻布十番納涼祭り」という実際に8月頃にやっているお祭りに、番組が出店するのも恒例で、自分も 2012-08-26 に行ったことがあった。AVANTI の出店にはもう1回ぐらい行った記憶があるんだけど、いつだったかな…。番組に登場する人たちには会えなかったけど、雰囲気に酔っていてそれで十分だった。w


番組は2013年3月に終わってしまったのだけど、どうやら「日中にアルコール関連の話題の番組はいかがなものか」みたいな自主規制が入ったとかなんとか (番組は土曜 17:00 ~ 17:55 放送だった)。この噂が本当なのかは知らんが、そうだとしたらまことにくだらねー理由である。僕は普段、お酒や飲み会が大嫌いだが、この番組が漂わせる雰囲気は、「大人ってカッコイイ」「こんな風にオシャレにお酒を飲んでみたい」と思わせるポジティブなモノで、決して未成年飲酒を助長するようなことも、乱酒に繋がるような表現もなかったはずだ。番組を何回か聴けばそんなことは明らかなのに、「アルコールが関係しているから」という理由だけで打ち切られたのだとしたら、まことにバカバカしい。

当時この番組が本当に大好きで、番組終了後もしばらく引きずっていたのだが、会社の同期が一人だけこの番組を知っていて、二人で涙を流しながら思い出を語り合った記憶がある。彼は転職したあとどこ行ったんだろう。

↑ この雰囲気よぉ!教授~~!ってなる。

過去の放送の一部は YouTube で聴けたりする。また、公式の Podcast がまだ現存しているので、2008~2013年頃の一部音源からその雰囲気はお分かりいただけると思う。さすがに番組終了から8年、番組開始からみれば29年経っているので、あまり時事ネタは少なかったとはいえ、雑学情報としても古くなっているモノも多いかもしれない。今から初めて聴くのは難しいかもしれないが、以前聴いていた人が思い返しながら聴くのは楽しいと思う。


ホント、今でも番組復活してくれないかな~と願うぐらい大好きな番組だったんだけど、初代バーテンを演じたサックス奏者のジェイク・コンセプション氏は2017年に死去。教授を演じる団しん也氏も、まだご健在ではあるが77歳とご高齢。なかなか復活は難しいのかしら…と思っている。

しかし、自分は最近調べ直すまで知らなかったのだが、後継番組の「ピートのふしぎなガレージ (2013~2020)」はラジオドラマ + トークという設定を引き継いでいたらしい。教授とスタンも出演した回があったらしく、聴いておけばよかった…。

さらに、現在放送中の「Subaru Wonderful Journey 土曜日のエウレカ」は、またラジオドラマ仕立ての番組らしい。麒麟の川島明がホストらしいが、ちょっと聴いてみようかな…。


あれほど徹底してラジオドラマをやっていた番組を、他には知らない。雰囲気が素晴らしく、ゲストの様々なトークも毎回ちょっとだけ賢くなれた気がして楽しかった。こんなカッコイイ大人になりたい、そう思わせてくれる素敵な番組だったと思う。教授も離婚歴があるみたいだし、今になってもちょっと励みにしていたりする。w

アヴァンティよ、永遠に。

↑番組発のカクテルブック。アヴァンティの「味」に触れたくなったらドウゾ。

↑番組発のオムニバス CD。アヴァンティの店内に戻りたくなったらドウゾ。