書籍「ヘルシープログラマ」を読んだ
書籍「ヘルシープログラマ」を読んだ。発売当初に立ち読みして要旨は知っていたのだが、昨2020年に購入後、積読期間を経てようやく読了。
- 公式サイト : The Healthy Programmer
タメになったところを雑多にメモしておく。
目次
書籍の章立て
- 変化を起こそう
- 健康のブートストラップ
- 椅子よさらば?
- アジャイルなダイエット
- 頭痛と眼精疲労の対策
- 腰痛への対処
- 手首痛への対処
- 実践的なエクササイズ
- 個室の外で考えよう
- 健康のリファクタリング
- チームを作ろう
- 進め、健康なプログラマ
- 日本語付録 : 散歩とイングレス
自分は発売当初、眼精疲労対策を探すために本書を立ち読みしていた。水分不足が頭痛や眼精疲労を誘発することが分かったので、水をよく飲むようにした。
昨2020年、フルリモートで在宅勤務となり、健康状態が悪化したので、本書を買って読み直した次第。
デイリーチェックリスト
毎日やろうね、っていうこと。
- Healthy stand-up
- 20 minutes of moderate activity
- 5 minutes of mobility exercises
- 5 servings of fruits/vegetables
- 5 sets of bodyweight exercises
書籍 P7 より、日本語訳と補足。
- 計画 : 健康のために立ち上がる (以下3つを問いかける)
- 昨日、健康促進のために何をしましたか?
- 今日、健康促進のために何をしますか?
- 健康であることを阻害する要因が何かありますか?
- ウォーキング : 1日10,000歩歩く。そのうち20分は早足で
- 運動 : 1時間ごとに5分。20分ごとに姿勢を変える
- 食事 : 果物か野菜を5種類
- ビルドアップ : 自重エクササイズを5種類
ゴールごとの補足
公式サイトだとなぜか 16 までしか紹介されていない。
書籍では 19 まで紹介されている。それぞれ補足しながらまとめる。
- 習慣を1つ変化させる [P7]
- 習慣を始める「キュー」(きっかけ) を特定する
- キューを特定するための質問
- 今いるのはどこですか?
- 今の時刻は?
- 今の気分は?
- 今いっしょにいるのは誰ですか?
- 直前にやったことは何ですか?
- 報酬を特定する : お菓子を買いに行く習慣で得られる報酬は、「お菓子」ではなく「ウォーキング」だったかもしれない
- 歩数計を入手する [P24]
- 1日20分のエクササイズで健康になれる
- 1日10,000歩、そのうち20分は早足で歩くと良い
- 安静時心拍数を知る [P27]
- 毎分 60〜90 BPM が正常
- 血圧を測る [P45]
- 拡張期 85〜90・収縮期 120〜130 程度が正常
- 作業環境を拡張する [P52]
- スタンディングデスク、バランスボード、バランスボールなどを導入する
- 1日のカロリーを計測する [P67]
- 基礎代謝率 BMR を計測する
- (30歳男性・自分の場合だと 1686 キロカロリーが1日で勝手に燃焼されている)
- ウォーキング20分で 200 キロカロリー
- 座る代わりに経っている時間、1時間ごとに 50 キロカロリー
- 100 キロカロリーの例 : 炭酸飲料1缶、チーズ2切れ、寿司2貫、スプーン一杯のマヨネーズ
- 基礎代謝率 BMR を計測する
- 眼の検査をする [P81]
- (自分は2020年に眼精疲労が酷く眼科を受診したところ、緑内障のリスクがあるといわれ、2年に1度は検査を受けるよう言われている)
- こまめに瞬きをする : 20分ごとに、眼をゆっくり閉じる動作を10回行い調整する
- 眼の運動をする : 20分ごとに PC から眼を離し、20フィート (= 6メートル) 先に焦点を合わせ、20秒間見続ける
- クラウスウェーバーテストに合格する [P100]
- 腹筋・背筋の筋力、前屈の柔軟性をチェックするテスト
- ストレートレッグレイズ、ストレートレッグシットアップ、ベントにーシットアップ、スーパーマン、リバースストレートレッグレイズ、トゥータッチ
- 自重エクササイズワークアウト
- キャットバック、ダブルヒールスライド、シングルニーフレックス、カールアップ、サイドブリッジ、バードドッグ、ショルダーブリッジ、バイシクルハムストリングストレッチ、バイシクルカーフストレッチ
- 腹筋・背筋の筋力、前屈の柔軟性をチェックするテスト
- 逆ファーレンテストに引っかからないようにする [P126]
- 手首痛のテスト
- ティネル兆候 : 手首の付け根の中央を軽く叩いて痛むと NG
- 逆ファーレンテスト : 両手の手のひらを上向きに合わせ60秒。痛んだら NG
- 手根管圧迫テスト : 手首の付け根の中央を30秒間圧迫。しびれたら NG
- 神経グライディングエクササイズで改善
- ジャズハンズ : 肘を曲げて手を上げ、グーパーする
- シャドウパペット : 肘を曲げて手を上げ、中指と薬指だけ伸ばし、円を描く
- エジプト人 : 手のひらを天井に向け水平に伸ばす。肘と手首を直角に曲げる
- ショルダーシュラッグ : 腕を下斜め45度に伸ばす。肩をすくめる
- ヘッドティルト : 腕を下斜め45度に伸ばす。首を左右に傾ける
- ヨガのクラスを受講する [P132]
- ポモドーロワークアウトを行う
- 25分、通常のタスクを行い、5分間エクササイズを行う (ウォーキングやシットアップなど)
- オンラインの健康サービスにサインアップする [P155]
- Strava、DailyBurn などが紹介されていた
- ゲーム性は継続のために大事。フィードバックが得られることが重要
- あなたの家系の病歴を学ぶ [P164]
- 屋外で休暇を過ごす [P170]
- 森林浴。森の中を散歩する。ストレスを減らし、血圧と心拍数を下げ、免疫システムを強化できる
- 音、香りも体験するようにする
- ロッククライミングのクラスを受講する [P176]
- 大人版の Presidental Physical Fitness Test で、上位半分に入る [P186]
- フィットネスのユニットテスト [P179]
- マイルウォーク・ランテスト : 2.4km 止まらずに走り続ける。30代男性の場合、12分半が目標タイム
- 腕立て伏せ : 30代男性の場合、1分間で27回が目標
- ハーフシットアップ : 腹筋の態勢で、両手を太ももから膝へ伸ばす動作。30代男性の場合、1分間で31回が目標
- シットアンドリーチ : 座っての前屈。股から前方に巻き尺を伸ばして計測。30代男性の場合、37cm が目標。だいたい自分の足を触れるぐらい
- BMI は25以下を目標
- これらが達成できれば上位半分に入れる
- 健康についてのランチセミナーを開く [P205]
- 同僚とチームを組むか、チームに参加する [P214]
- モチベーションのためにはチームで活動することが有効
- 会社などで施策とする際は、強制するよりもインセンティブを与える方が継続する
- 新しいゴールを設定する [P222]
- 個人的な新記録を毎日達成しよう [P221]
- ゴール設定のアイデア
- テコンドーを学ぶ
- 5km のレースを走る
- マラソンを走る
- DNA 鑑定を受ける
- 自転車通勤をする
- 自分の体重分のベンチプレスを行う
- 1ヶ月間、完全に菜食にしてみる
- アパラチアントレイルのどこかのセクションをハイキングする
その他読書メモ
それ以外に参考になったところを書いておく。
- 座っていることは害だと考えられている [P36]
- 1時間に5分は運動すべし
- 椅子に座った状態で出来るモビリティ・エクササイズをやってみる
- レッグサークル : 片足を上げて円を描く。30秒時計回り・30秒反時計回り、を左右の足で (計2分)
- ロウアーレッグリフト : 片足を床と平行になるまで上げ、太もも裏を伸ばす。片足5回
- ニーリフト : 片足を腰に向けて引き上げる。片足5回
- オーバーヘッドクラップ : 両手を床と平行に左右に伸ばし、頭上で手を合わせる。20〜30回
- 意識的に食べるためのフローチャート [P64]
- 食べたい欲求
- 今日は (果物か野菜を) 5つ食べたか?
- → はい → パズルを解くか散歩する
- → いいえ → 果物化野菜を食べる
- まだ空腹か?
- → はい → おそらく食事をすべき
- 頭痛の引き金への対策 [P84]
- 頭痛の引き金の一例 : 天候、ホルモン、香り、照明、カフェイン、うまみ調味料、アスパルテーム
- 脱水 : 成人男性は1日3.7リットルの水分が必要 (食べ物からも摂取している)。1日8回、コップ1杯 (8オンス = 227g) の水を飲む → 1日1.8リットル飲める
- 頭痛が起きたら、明かりを消して、横たわり、眼を閉じて、リラックス。できるなら、冷たいぬれタオルを額に当てる
- ビタミン D の摂取 [P160]
- 1日10分、外で陽を浴びれば、1日量のビタミン D を合成できる
- オフィスの窓はガラスが紫外線の放射を遮っているので効果なし
- ウォーミングアップ [P174]
- 負荷の高い運動の前に行うウォーミングアップは、いわゆる「柔軟体操」をやると持久力が落ちる。筋肉をほぐすには動的なストレッチの方が良い
- キャットバック、ダブルヒールスライド、シングルにーフレックス、フラッターキック、アームサークルズ
- フラッターキック : 椅子でバタ足。25〜50回
- アームサークルズ : 両腕を左右に広げ、手で円を描く。ビリーズブートキャンプの「サーコゥ!」の動き
- 有酸素能力のアップグレード [P188]
- ブリティッシュコロンビア州のスポーツ医学審議会が設計した 5km トレーニングのメニューに基づく7週間のプラン
- 週に3回のセッション
- 1回のセッションにつき、ランニング1分・ウォーキング2分を8回繰り返し、のようなプランがある
- 7周目はランニング10分・ウォーキング1分を2回繰り返し、のようになっていく
- 筋力のアップグレード [P189]
- 30〜60秒、筋肉を過負荷状態に置く。ある程度休まないと動けなくなるぐらいの、Momentary Muscle Failure (一時的な筋肉の動作不良) に達すると効果がある、という研究もある
- ウォールプレス、ハーフプッシュアップ、バイシクルマニューバー、ダブルニーフレックス、スクワット
- これらを10回程度ずつ行う、サーキットワークアウトを組んでみる。1回のサーキットは12〜15分程度とし、ワークアウト全体で30〜60分にする
- 紹介した以外のエクササイズも柔軟に取り入れ、サーキットも実施ごとに構成を変える。筋肉が適応しないように、挑戦的なワークアウトにする
- 果物・野菜の例 (イギリスの国民保健サービスによる) [P241]
- 生野菜 : ブロッコリ、ケール、ほうれん草、いんげん豆
- 調理野菜 : にんじん、エンドウ豆、トウモロコシ
- 野菜サラダ : セロリ、キュウリ、トマト、プチトマト
- 小さい果物 : プラム、キウイ、イチゴ、サクランボ
- 中程度の果物 : リンゴ、なし、バナナ、オレンジ
- 大きな果物 : グレープフルーツ、パパイヤ、パイナップル、マンゴー
- 豆類 : ベイクドビーンズ、ひよこ豆
- ジュースとスムージー : 無糖の 100% ジュース、果物や野菜のスムージー
- カウントされない野菜 : ジャガイモ、サツマイモ、プランテン
- 一日の例 [P243]
- ポモドーロワークアウトで5分×3回
- 自重エクササイズを5セット・10分
感想
健康のためには、イチに食事、ニに運動。インプットを絞り、適切なモノだけ取り入れる。アウトプットは日々少しずつ負荷を上げていき、「慣れ」を作らないこと。継続のためには無理のない習慣化、ゲーム性、共に鍛錬する仲間作りが効果的。
「運動する時間ってなかなか作れないんだよなぁー」って言いがちだけど、
- 起き抜けにウダウダしている時間を合計したら30分以上費やしている時すらある
- 仕事中でもトイレ休憩や飲み物購入がてら、ブラブラしてみたりする時間がある
- 食事の後にテレビを見て15分くらいボーッとしている
- 寝よう寝ようといいつつ布団の中で1時間くらいスマホをイジってる
なんてことはザラにある。そうした時間をかき集めたら平気で1・2時間の「運動のチャンス」はあって、運動すればちゃんと身体が疲れて、睡眠の質も向上しやすくなる。
最初に一つ習慣を変えるところが中々難しいのが、その変化を阻害する要因って「面倒臭いなぁ」という気持ちぐらいしかないので、だったらとりあえずやってみれば良い。
自分は最近、死ぬほど環境が変わってしまい、自由時間が沢山手に入ってしまったので、多くを運動に費やすようになった。おかげさまで食欲も失せて、野菜中心の食事に自然とシフトしている。それでもなかなか体重は変わらないものの、身体的な健康は多少向上した感覚がある。
まずはとりあえずやる。なんでもいいから、ちょっとでもいいから、やる。それが大事だ。