Blender 始めました

Blender で 3DCG 作成を初めたヨ。

YouTube 動画の概要説明欄にも書いたようなことを書いていく。

作ったモノについて

母艦 Galleria XG (Core i7-7700K・32GB RAM・GTX1080) に、Blender v2.9 をインストールし製作した。

処女作「机と椅子」

2021-06-26 に処女作「机と椅子」を作成。以下の動画を参考に作成した。

基本的な操作方法、モデリングの基礎、マテリアル設定 (色味や質感)、カメラの配置、書き出し方法などを勉強した。静止画を Eevee と Cycles という2つのレンダリングエンジンでそれぞれ書き出し、動画は Eevee で書き出し。

書き出し後に気付いたのだが、椅子の後ろの足2本が何か尖っている。綺麗に「面」で伸ばせていなかったようだ。

2作目「波」

2021-07-01 に2作目「波」を作成。以下の動画を参考に作成した。

モディファイアで波を作り、環境テクスチャを設定。以下の CC0 な HDRI 画像を使わせてもらった。8K 解像度のモノを使うとアレぐらい高精細になる。2K だとボケボケ。

60fps で5秒、つまり300フレームの動画を書き出し。Eevee と Cycles でレンダリングし比べてみたが、レンダリング速度が全然違って驚いた。

Cycles 綺麗だけど時間かかりすぎんよぉ~。待ってられん。プレビューしながら加工していくのも難しいから、Eevee でそれっぽく綺麗にレンダリングする方法を模索するわ。

なんで CG なんか始めたの?

話は2002年頃に遡る。

2002~2003年頃、自分は Flash4 体験版 → Flash5 → FlashMX と、Flash 作成ソフトを渡り歩き、いくつかの Flash 作品を作っていた。

このサイトの前に作っていた「○○○の秘密基地」という個人サイトでは、オウムフラッシュで知られる Outside を丸パクリしたようなアニメを作り、それを自ら 2ch で宣伝したもんだから、「パクリやんけ」と掲示板を荒されてしまった (当然の結果)。ネット上の恐ろしい大人達にビビった小6の自分はサイトを閉鎖。数ヶ月の「凍結期間」(笑) を経て、本サイトを2002年に立ち上げたのだった。今思えば、荒らしといっても掲示板に4・5件ぐらいしか投稿されておらず、ちっとも大した被害じゃなかったし、そもそもパクって作った作品を自ら流布してる時点で、僕は頭の弱い小学生だったんだと思う。

前サイトを荒されて閉鎖した時に、Flash 作成への熱はある程度冷めていたのだが、このサイトを立ち上げ直した後も、しばらくは何かしら Flash を作成していた。モーフィングっぽいことが出来る「モーショントゥイーン」とかを使いこなして、映画「ソードフィッシュ」の「バレットタイム」シーンの再現みたいなアニメを作りかけていたが、結局その辺のデータはどこかに消えた。ネット上に公開もしていなかったが、父の知人にメールで SWF ファイルを送って、褒められた記憶はある。w

そういえば、小4・小6は小学校で「マンガイラストクラブ」に所属していたし (小5は囲碁将棋クラブ)、この頃はイラストやアニメーション作成が好きだった。絵は下手だったし、シナリオを構想する脳ミソもなかったのだが、「何か描きたい」「何か作りたい」という思いはあって、それが結果的に「ストーリーは他所からパクリ、『プリン』もどきみたいなオリジナルキャラクターを登場させた Flash アニメ作品」という形に落ち着いたのだと思う。頭が悪くて何も思い付かなかったのもあるけど、そもそも「ストーリーを考えたい」とはあまり思っていなくて、単に模写の題材を探していたんだと思う。

そんで、Flash は自分の中で一段落しちゃったし、次は 3DCG 作成だ! と意気込んだ僕は、親にねだって「Shade 6 Advance」という 3DCG 作成ソフトを買ってもらった。正確な年代を覚えていないのだが、2003~2005年頃のどこかだと思う。Shade 7 に無料アップデートできるよ、みたいなシールが貼られたパッケージを購入した記憶がある。

アカデミック版を買ってもらったのかどうか覚えていない。中学生の学生証でアカデミック版を買えたのだろうか?通常版で6万円、アカデミック版だとしても3万円と、大変高価なソフトだ。

しかし、当時中1・中2だった自分にはサッパリ使いこなせず。説明書か何かで「壺を作ってみましょう」みたいなチュートリアルがあったんだけど、Blender でいう「押し出し」みたいな操作で躓いて、真ん中が変にくびれた円柱みたいなのが出来上がって、「難しすぎるわコレ」とすぐに CG 作成を諦めてしまった。


せっかく親が僕の意欲を見込んで、ソフトを購入して支援してくれたというのに、自分は簡単に諦めてしまい、Shade 6 の購入費を無駄にしてしまった…。

そういう罪悪感がずっと残っていたが、なかなか再開することもなく、気が付くと2021年になっていた。


小さい頃から、「世界まる見え」なんかで特集されていた「ハリウッドの SFX の製作舞台裏!」みたいなヤツが大好きだった。「ジュマンジ」で象がシボレー・カプリスを踏み潰すシーンの VFX メイキングとか放送してたよね。ああいうのよく見てた。

映画の合成・CG 製作のメイキングとかは好きでずっと見てきていたけど、自分で実際に何か CG を作ることはしてこなかった。

2004年頃からフリーランニングを始め、そのビデオを撮って編集したりはしていた。主に Adobe Premiere Pro を使ってきて、それなりに特殊効果っぽいモノも試してきたが、Adobe After Effects はイマイチ使いこなせず、本格的な映像加工は逃げてきた。

PC 好きが高じて、大学卒業後はプログラマ・SE として就職。ソフトを使う側から作る側になり、Web におけるアニメーションやグラフィックス操作だったり、CLI で画像や動画を加工してみたり、DeepFaceLab なんかでディープフェイク動画を作る方法を学んでみたりもした。

このように、今ではそれなりに高度なこともできるようになった。今のスキルを持ち合わせていれば、今度こそ CG 作成にもついていけるかもしれない。中1の時からの罪悪感にケリをつけられるかもしれない。

そう思って、Blender を使ってみることにした。

なぜ Blender を選んだか

3DCG 作成ソフトは無数にある。

映画製作なんかでよく使われているソフトとして名前を聞いたことがあったのは、Maya、3ds Max、Cinema 4D、Houdini など。他にもあるかもしれないが、自分が知ってたのはこのへんで、これらはいずれも有料かつ高価であった。

メタセコイアというソフトも聞いたことがある。かなり老舗じゃないかしら。それこそ Shade 6 を買ってもらった頃に名前を聞いた記憶がある。…と思ったら、実際に老舗で、国産のソフトらしい。

無料で良いヤツないかなーと思って名前が挙がるのは、せいぜい数個であった。

最終的に実写映像と CG を合成したりしたいなーとか思っていて、そうなると無料のソフトでできそうなのは Blender ほぼ一択であった。

ゲーム作成も面白そうだなーとか、物理演算で遊んでみたいなーとかも思っていたので、Unreal Engine (UE) や Unity も気になってはいる。これらは無料で使い始められて、Unity はインストールもして若干触ってみたところである。Blender と並行して今後触っていくかもしれない。

Blender 良いかもなー、なんて思っていた矢先に、以下の解説 PDF が話題になっているのを発見。今年2021年の2月頭とかだったと思う。

Blender v2.8、v2.9 あたりでかなり大きな変更があったんだなーというのは何となく知っていて、しかし解説書を流し読みするに、こりゃ時間がかかるな?と思い、この時点では Blender を始めるには至らなかった。

そしたら、3月から6月にかけて自分の生活環境が一変し、一人の時間が沢山出来てしまった。前述のとおり、いつかは 3DCG の分野にリベンジしたい、という思いはずっとあったし、以下の「Action Movie Kid」とかを見てきて、機会があったら自分の子供にも CG や VFX を通して面白い世界を表現してみせたいなぁと思っていたので、Blender を始めてみることにしたのだ。

PC 素人に戻った気分

もう25年以上、マウスやキーボードを触ってきたというのに、Blender の操作となると全く要領が掴めず、「初めてギターを触った時」みたいな、超おぼつかない感覚。画面のどこに何があるのか、そのボタンが何をしてくれるのか全く分からず、PC 初心者に戻ったような気分だ。

幸い、今の時代は YouTube にも解説動画が沢山あり、Blender 本体が無料なこともあって日本人の解説動画も多くて助かった。Blender に関していえば、前述のとおりバージョンによって操作方法や画面 UI に結構な違いがあるので、v2.8 時代の動画を見ながら全く同じようには操作できない機能もあったりする。v2.9 対応の動画を探すか、自分で差を読み解くか、あえて v2.8 をインストールするか、何らか対応が必要だ。自分はこの辺、バージョンアップが頻繁に発生するフロントエンド界隈に長く居たこともあって、なんとかバージョン間の差異は想像で補えてついていけているので、v2.9 を使い続けている。

ただ、それでも「あの操作はどうやるんだろう?」「こういうモノを作るにはどうしたらいいんだろう?」「さっき動画で見た操作方法もう忘れてしまった…」と、一つひとつ迷っている。この感じ、Flash を使い始めたばかりの頃を思い出す。あの頃も解説書籍を何冊か買って、片っ端からサンプルを写経して使い方覚えていなぁー、と思い出した。

3DCG の難しさを実感

学生時代は、映画の VFX メイキングなんかを見ていると、上からひょこっとオブジェクトを重ねて、ちょちょいと色味直して、はいハリウッド映画のワンシーン出来上がり~みたいな感じで、「プロにとっちゃ容易い仕事なんだろうな」なんて思ってた。「もうイマドキは俳優までフル CG で簡単に作っちゃってるもんなぁー」なんて文句までつけたりしていた。

実際のところ、CG 業界は IT 業界にも通じるブラックな労働環境が取り沙汰されていたり、CG 製作会社が倒産した、なんてニュースはよく聞いていたので、「まぁ大変は大変なのかな」という思いは持っていたが、何がどう大変なのか、ちゃんと分かっていなかった。

初めて作った作品は、パッと見で素人感満載、CG 感丸出しの「机と椅子」だったり、「波」だったり。Shade 6 以来ぶりに改めてやってみて分かったが、2次元のディスプレイ上で、3次元のモノを組み立てていくのは想像以上に困難だった。操作方法も覚えきれていないし、まだまだ使っていない機能も沢山ある。「ノード」なんてプログラミング寄りなモノまで扱うのねん…。凄いね CG 製作者の皆さん…。

想像したモノを組み上げるのも当然難しいし、リファレンスとして実物が目の前にあるような、形や質感が分かりきっている簡単なオブジェクトでさえ、思うように作れない。

また、CG の「レンダリング」というモノに、コレほど時間がかかるものとは思っていなかった。自分が使っている NVIDIA GeForce GTX1080 という GPU も、Core i7-7700K という CPU も、購入から3・4年経つものの、当時のほぼ最上位機種を選んだつもりで、決して低スペックなモノではないと思う。メモリだって 32GB あって、足りてないことはないだろうと思っていた。

しかし、前述のとおり、Cycles では5秒・300フレームの動画でも、レンダリングに1時間半ちょっとかかった。調べてみると皆さんだいたいコレぐらい時間がかかっているようで、マシンスペックが特別非力なワケではなく、高スペックを最大限に駆使しても、描画計算にコレだけ時間がかかるのだと実感した。映画の CG 製作の裏側とかで、「1コマの作成に1ヶ月」なんていわれたり、「レンダリングファームを使ってレンダリングした」とかいう話を聞くのも納得。レンダリング専用のハイエンドマシンが欲しくなるわコレ…。

実際そんなレンダー PC は買うつもりないので、Eevee で頑張る。そういう縛りがある方が燃えるやん?w

BGM の話

Neo's Channel に上げる動画は全て権利関係をクリアしておきたいので、BGM も毎度自作している。といっても、Reason Lite 10 で軽くコードを鳴らすだけなのだが…。

今回も、動画作成後に20分くらいで作った。「2021-07-09 謎に神妙な音」という曲。

多分 Sus4 かなんかのコードを適当に鳴らしただけ。作曲・DTM ももっと力入れていきたいけど、今回の主軸は Blender であり、Blender 始めました動画なので、超サボり。

以上

親にこの CG 処女作を見せたら、「いいじゃんいいじゃん~」と反応をもらった。親は Shade 6 のことなんかとうに忘れていたみたいで、単純に CG 作成を楽しんでいる自分のことを喜んで見ている様子だった。なんつー優しさ。w

Vaporwave や Synthwave、Liminal Spaces みたいな非日常感のあるビジュアルが好きなので、ああいう世界を Blender で表現出来たら楽しいなと思う。あとは物理演算もやってみたい。水とか煙とかモヤモヤさせてみたい。そして、実写映像と合成してのマッチムーブも習得したい。

色んなスキルを習得しておいて、色んな CG 作品を作れるようになっておけば、自分の子供にも楽しい世界を見せられるかもしれない。それで子供が喜んでくれれば、自分も嬉しい。子供の「楽しい」「面白い」を自分から少しでも提供できるように、今後も CG 作成を勉強していく所存。