ブレーキペダルに常に足を置いておく

よそ見したまま前進して壁にぶつかってみたり、慣れないアイススケートをやってみていきなり手すりから手を離してすっ転んでみたり、事前に取れるはずの回避行動・予防策を取らずに見事予想どおりの失敗をしでかす人をよく見かける。

少しよそ見するにしても、それまで前を向いて歩いていたはずなのだから、数歩歩いたら壁にぶつかるということは分かるはずだろう。というか、これからよそ見しようとしているが、よそ見している間に障害物にぶつかることはないよな、という事前確認なしによそ見を始められる神経、どうなってるんだ?

アイススケートなんて、始める前から「転びやすそうだな」「滑りやすそうだ」ということぐらい分かってるはず。物理学的に正確に理解できていないにしても、アイススケートに限らず「人はどうして滑って転ぶのか」ってことも、重心のバランスが悪いとコケるんだろうなということは予想がつくはず。そして自分が十分訓練しているワケではないことは自分自身が一番よく分かっているはずなのに、しっかり手すりを掴んでおいて、バランスを崩しても倒れないようにしておこう、という意識が物凄く希薄で、すぐ大事な杖を手放して見事にすっ転んだりする。

ああいう人達って、どうして自分自身のリスク管理ができないんだろう?毎回事故に遭ったり転倒したり、数え切れないほどのヒヤリハットを繰り返して周りにも迷惑をかけてるのに、どうして学習しないんだろう?それともあれか、普通の人より沢山事故に遭ってきて、「自分はこのぐらいの衝突事故なら死なないな」と高をくくるようになって、なんなら逆に注意しないようになっていったりするんだろうか。ぶつかられる相手はクッソ迷惑してるんだけどな? どこまで自分のことしか見えてないんだろう?

こういう人達ってもしかして、自転車に乗ってる時、ブレーキレバーに常に指をかけていなかったりするの? 違うよね?自転車に乗ってる時って、常にブレーキレバーには指がかかってるでしょ?

クルマだって、前方に信号や横断歩道が見えてきた時には、すでにアクセルペダルから足を離して、アクセルオフで走行してブレーキペダルに足をかけて待機しておかないか?狭い路地を運転する時も、アクセルをガンガン踏み込むバカはいなくて、基本はアクセルオフで徐行し、急に子供が飛び出してきたりしてもすぐブレーキをかけられるよう、足は常にブレーキペダルに置いておこう、という思いがあるはずだろう。…ないの?

「自分の注意力は別に高くない」「自分は気が付かない内に失敗したり、他人を巻き込んだ事故を起こしてしまうかもしれない」というのが、(運転に限らず) 何かを始める前の、最初の心持ちであるべきだ。

その前提だからこそ、何かを始めようとする時に、「コレはどうやったら止まるんだろう?」「どうしたら失敗する前に食い止められるだろう?」という、「クルマでいうブレーキペダルは何か」を確認しておくのは当たり前のことだ。自転車なら「ブレーキレバーを握れば止められるし、ペダルから足を離して地面に付けば転倒しないから、ブレーキには常に指をかけておこう」だったり、クルマなら「ブレーキをかけるのが前提だからブレーキペダルに足を置いておこう、それでも回避できなさそうならハンドルを切って、クルマを犠牲にしてでも誰かを轢いてしまうことを避けなければ」だったり、アイススケートなら「バランスを崩したら転んでしまうから、手すりにしっかり掴まっておいて、バランスを崩した時は手すりで食い止めよう」だったり、そういう予防策や回避行動を考えておいて、それがいつ何時でも取れるように準備しておこう、という意思を全員当たり前に持つべきだ。

周りが見えてない人って、「何か異変を感じたら、いつでも素早くブレーキをかけて止まるぞ」「失敗をやらかす前に食い止めるぞ」っていう考えを持ってないだろ。どうしてそこまで無神経に生きられんだよ。めっちゃ嫌い。そいつの事故に巻き込まれてこちらも被害食らうことも多いし、マジで嫌い。周りの迷惑なので、いつでも想定外のことが起きた時に、失敗や被害を最小限に食い止めるたための予防策を張っておけ。それが出来ないなら何もするな何も言うな。