映画「Final Cut ファイナル・カット」を観た
2021-10-06。2004年のロビン・ウィリアムス主演映画。
人々が記憶を保存するチップを埋め込むようになった近未来。記憶編集職人のロビン・ウィリアムスは、幼少期に友人を事故死させたと思い込んで生きてきた。ある日彼は、大企業の弁護士の記憶編集を依頼されるが、元・記憶編集職人のジム・カヴィーゼルが、その弁護士のスキャンダルを追いかけていることを知る。ジム・カヴィーゼルは「チップを埋め込まれた人は、死後自分の記憶を見られると思い、自由に生きられなくなる」「記憶編集者は偽りの人生を演出している」と語るが、ロビンは何も言わない。
ロビンは近所の店のねーちゃんに気に入られてイイカンジになるが、それはねーちゃんの元カレの記憶をロビンが編集していたことで、彼女の素性を把握できていたからだった。彼女は「彼と私の思い出は私だけのものだ」と、ロビンを拒絶する。
ジム・カヴィーゼルの追跡が厳しくなってきた頃、弁護士の記憶の中に、事故死させてしまったと思っていた友人そっくりな男性を見つける。ロビンは彼の情報を探す中で、ロビン自身にも記憶チップが埋め込まれていることを初めて知る。そこでロビンは、自分の記憶チップに直接アクセスして、「自分が当時、本当に友人を殺してしまったのか」を確認した。するとその友人は、怪我はしていたものの生きており、ロビンの早とちりであったことが分かった。結局、その友人は大人になってから既に亡くなっていたことが分かり、ロビンは長年抱いていた後悔の念を払拭する。
しかし、ジム・カヴィーゼルの追跡は止まらない。ついに彼は殺し屋を雇い、ロビンを射殺してしまう。ジムは弁護士のチップを強奪し、「君の死を無駄にはしない…」とつぶやくのだった。
…何この映画?w
元彼の記憶チップを見て好みの女子に近付いたり、自分の過去を隠してみたりで、ロビン・ウィリアムスが終始コソコソしてる小悪党にしか見えず感情移入できない。
ジム・カヴィーゼルは記憶チップの反対派であり、弁護士のスキャンダルを追って最終的にロビン・ウィリアムスを殺し、それでいて「君の死を無駄にはしない」とかいうラストは何を言いたいのか謎。ジム・カヴィーゼルって「デ・ジャヴ」とかもそうだけど、何考えてるのか分からないテロリスト役ばっかりで怖ぇよ…。
チップは、親が企業に依頼して、子供が小さい内に埋め込むのが一般的らしいが、だとするとその人が生まれてきた瞬間の記憶から全部記録されている、というのが設定的によく分からない。21世紀初頭のこの時代の SF 映画にありがちな、プラ板みたいな記憶媒体で一生分の記憶を記録できるのに、そのチップの内容を編集するパソコンの方はメタデータの検索に数日かかったりしていて、記憶容量の進化の割に、計算処理能力が追いついてない感じはする。w
「人は記憶違いをする」「記憶チップは妄想を記録してしまうこともある」という設定がセットで出てくると、友人は「本当は死んでいなかった」のか、「死んでいないと思い込みたい自分の妄想が記録されていた」のか、ちょっと揺らぐ気がする。一応、友人は生きていて教師だったなど、周辺事実から解釈はできるものの、何か一瞬「友人は死んでいなかったと思い込みたくて捏造した記憶では?」みたいに感じてしまう。
設定は面白いだけに、ストーリーがイマイチだった…。