雰囲気で理解する依存症の危険性
以下のコピペを見た。
正確な医学的には間違っているところもあるのかもしれないが、「依存症」といわれるモノのメカニズムを理解するには十分だと思ったので、メモしておく。
- 脳の「黒質」というところが、ドーパミンを作る
- ドーパミンは「神経伝達物質」の一つで、ホルモン調節や運動、感情、意欲などに影響する
- ドーパミンはアドレナリンやアセチルコリンといった他の神経伝達物質・ホルモンに変化していく
- 人体の細胞には「受容体 (レセプター)」というモノがあり、アセチルコリンなどがその受容体と結合することで実際の反応が起こる
コレが、脳が身体を動かし、気持ちを左右する、前提となる仕組み。
そこに、ドーパミンを装う物質が入ってきたとしたらどうなるだろうか。
- 「ドーパミンに似た物質」が体内に大量に入り込む
- 黒質はドーパミンを出す必要がないと判断し、「壊死」していく
- 脳の組織は一度死ぬと二度と回復しない
- 黒質が正常にドーパミンを生成できなくなり、ドーパミンが不足するので「外部」から取り込みたい欲求にかられる (= 依存症)
- 「ドーパミンに似た物質」はドーパミンとして働くワケではないので、ドーパミンから変化して生成されるアセチルコリンなどの神経伝達物質も不足する
- そうした神経伝達物質やホルモンが不足すると、認知機能や運動機能も低下し、何に対しても無気力になるばかりか、身体すらも動かせなくなる
…というワケだ。
タバコに含まれるニコチンなんかでも、似たようなメカニズムで依存症になっていくらしい。
- ニコチンは、本来アセチルコリンと結合するべき受容体に、アセチルコリンになりすまして結合してしまう
- こうした「なりすまし」をする物質をアゴニストと呼ぶらしい。本来働くべき物質のことはリガンドというそうだ
- ニコチンとアセチルコリン受容体とが結合すると、一見やる気が出るような反応が起きるが、アセチルコリン本来の働きはしない
- 本来のアセチルコリンは結合すべき受容体が見つからず使われない → 本来のアセチルコリンの生成がされにくくなっていく
- ニコチンと結合したアセチルコリン受容体は、さらにニコチンを取り込ませるよう要求が起こり、ニコチン依存に繋がっていく
脳を構成する物質のなりすましが外部から取り込まれると、脳が「必要な物質があるから生成しなくていいな!」と生成をサボるようになる。すると脳は必要な物質を生成する力がなくなり、外部からの摂取でしか体を動かせなくなっていく、というワケだ。そしてそうやって外部から取り込んでいる物質も、本来の物質とは似て非なるモノなので、正しく作用するワケではなく、認知や運動の障害へと繋がっていくというワケだ。
脳が「変化」してしまっている、というよりは、「壊死」してしまっている、というのが近いのだろう。一度でもやってはいけない、というのはそういうことで、元には戻せないのだ。
アルコールによる脳の萎縮なんかも同じで、「節度を持って飲んでいる」つもりだろうと、脳が受けた影響は元には戻せない。
それじゃあ、「スマホ依存」は?何も悪い物質は摂取していないけど、何が悪いの?というと、コレは脳の「報酬系」と呼ばれる神経回路に対して、条件付けされた結果起こる依存症だそうだ。
ドーパミンは「神経伝達物質」の一種で、人間の行動のきっかけになる物質だといえます。特に興味や好奇心など、「何に注目するか」を決める重要な物質です。
食べ物を食べようとしたり、他人とコミュニケーションを取ったり、
ドーパミンは「生存のために重要なこと」をする際に分泌されるのです。
これが分泌されると、その行為を生存に有利な行動であると考えて、積極的に選択するようになる
例えば次のような実験があります。音を鳴らしたあとに、マウスにジュースを与えるという実験です。これを行うと、マウスの脳内では、音が聞こえた段階でドーパミンの分泌量が増加するようになります。
ただ、ドーパミンが最も多く分泌されるのは、音が鳴ったあとに必ずジュースが出てくる場合ではなく、「ジュースが時々出てくる(例えば半々)とき」だったんです。私たちの脳は、生き残る上で重要な「ご褒美」を確実にもらえる状況よりも、「多分」とかもらえる「かもしれない」という不確実なシチュエーションが大好きなんです。
人間は生き延びるために、報酬が手に入る「かもしれない」という不確実なシチュエーションを追い求めるように進化してきた。
スマホ、SNS、ソシャゲーといったツールは、楽しい情報が手に入る「かもしれない」、レアアイテムがゲットできる「かもしれない」、といった不確実な要素が沢山ある。というか、開発者側が、そうした不確定要素をわざと仕込んでいる。そうすることで視聴時間が伸び、広告収入やユーザ課金を増やせるからだ。
一方ユーザ側は、「スマホを触れば楽しいことがあるかもしれない」という条件付けがされ、スマホを触ることでドーパミンが出る体質になっていき、依存していくワケだ。
この仕組みは、古くからあるパチンコやギャンブルと同じ仕組みに見えるだろう。
SNS やソシャゲなどの開発者側がそのように設計しているとはいえ、結局のところ、ユーザが自分で自分に「しつけ」を行い、こうすることでドーパミンを生成できる、という手軽な手段を確立させているワケだ。その条件がないとドーパミンが出せなくなり、ずっとスマホに依存してしまう。ドーパミンの生成は何よりも手放せない本能的な欲求だから、他のこともできなくなっていくワケだ。結局コレも、脳の働きが「変化」してしまっていて、元には治らない状態へと陥っているワケだ。
ラクに楽しい気分になりたい、とか、ラクに元気が欲しい、とか思った時、実際に楽な方に倒れると、その後の取り返しが付かないことがよく分かった。
こうした理屈が分かっていないと、「規則正しい生活、適度な運動」なんて、中身のない綺麗ごとのように思ってしまいがちだが、色んなことを研究し尽くした挙げ句、それが最適だとしかいえないから、そう言っているワケだな。
通常量の食事から神経伝達物質の生成に必要な栄養を取得したり、運動などによって正しく脳にドーパミンを出させてあげたりしないと、「外部から楽に摂取できる方法」に頼り、脳が死んでいく。
一度ダメになった脳は二度と回復しない。
(怪しいことやろうって意味じゃなくて、) 普段生きてて「楽な方に逃げたいなー」と思うことは沢山あるが、楽な方ってその後の「借金返済」がマジで洒落にならん。年齢的にも色々思うことがあり、まとめてみた。
- スマートドラッグ - Wikipedia
- ドーパミン - Wikipedia
- 第13回 | フクロウ博士の森の教室 シリーズ2 脳の不思議を考えよう | 中高生と“いのちの不思議”を考える─生命科学DOKIDOKI研究室
- くまもと禁煙推進フォーラム | ニコチン依存症について
- 報酬系 - Wikipedia
- スマホの魔力が脳をハックする。『スマホ脳』著者が語る、スマホ依存の正体 | Business Insider Japan