映画「Scarface スカーフェイス」を見た
2021-11-21。アマプラに山路和弘が吹き替えているヤツがあったので久々に見た。
1983年。ブライアン・デ・パルマ監督。オリヴァー・ストーン脚本。アル・パチーノ主演。1932年の「Scarface 暗黒街の顔役」のリメイク。
あらすじ
1980年、キューバから反カストロ主義者として追放されマイアミにやってきた、トニー・モンタナことアル・パチーノ。仲間のスティーヴン・バウアーとともに闇の仕事に手を染めるようになり、裏社会で成り上がっていく。
その自信と度胸はどこから出てくるのか分からないが、コカインの売人のオヤジと仲良くなったかと思えば、その愛人ミシェル・ファイファーに手を出し、売人のオヤジと悪徳警官をブッ殺して愛人と結婚、大豪邸に住んでマイアミの麻薬王として大儲けするようになった。
しかし、コカイン依存のせいなのか、その横暴ぶりに拍車がかかり、トニー・モンタナは段々と孤立していく。トニーは自身の懲役の回避と引き換えに、ボリビアの麻薬王からジャーナリストの暗殺仕事を請け負ったが、ジャーナリストのそばに妻子がいるのを見て「俺は女子供は殺さねえ!」と主義を貫く。ボリビアの麻薬王は報復のため、トニーの屋敷に部下を送り込む。
トニーには溺愛する妹、メアリー・エリザベス・マストラントニオがいたが、仲間だったスティーヴン・バウアーと関係を持っていたことを知り、衝動的にバウアーを射殺してしまう。キレてしまった妹はトニーに銃を向けるが、そこに暗殺者が表れ妹は殺されてしまう。
ボリビアの麻薬王が差し出した殺し屋たちが、トニーの屋敷に入ってくる。トニーはマシンガンをブッ放して応戦するが、背後からショットガンで撃たれ絶命する。
感想
1974年の「ゴッドファーザー Part 2」で、2代目インテリマフィアのマイケル・コルレオーネを演じたアル・パチーノ。本作ではキューバからやってきた成金丸出しのトニー・モンタナを演じていて、この2作がよく似た関係になっていると思う。
闇社会で成り上がる、どうしようもないクソ野郎の一生で、見た後に何を思えばいいのかよく分からないけど、何でか面白く感じる。憧れるワケでも、拒絶するほど嫌悪するワケでもなく、妙な距離感で終止この映画を見ていた。北野武やタランティーノへの影響も感じる、デ・パルマ監督による演出が見事。
マイアミの夕日、ヤシの木といったアイコンが、本作には頻繁に登場する。「マイアミ・バイス」を通じて、近年の「Out Run」や「New Retro Wave」といった音楽ジャンルにも用いられるアイコンだが、本作ではやたらとトニー・モンタナの薄っぺらい成り上がり感を演出していて絶妙だ。
自分の欲望に忠実で、自分の信念を貫く生き様に格好良さを感じる部分もあるものの、そんなトニー・モンタナを映すカメラは引いていき、彼の周りには誰もいない様子が分かる。しまいには「The World is Yours」という像を見上げることも出来ず、噴水にうつ伏せで落下して死ぬのだから、この生き方はアカンな、と分かるワケだが、ヒップホップ界隈なんかではこの生き様に感化されてる文化があるらしい。お前ら映画最後まで見たか?w
何事も程々だな!と思うのであった。w