映画「Terminal Velocity ターミナル・ベロシティ」を見た

1994年の映画。チャーリー・シーン主演なので嫌な予感はしていたのだが、「スカイダイビング・アクション」だと聞いていたので試しに見てみた。

あらすじ

スカイダイビングのインストラクターであるチャーリー・シーンは、問題行動を起こしすぎて航空局からもマークされているヤバいヤツ。

ある日、初めてスカイダイビングを体験するという金髪美女のナスターシャ・キンスキーと出会う。彼女とともに飛行機に乗り込むが、彼女はチャーリーが目を離したスキに一人で飛び降りてしまう。彼女が地面に激突するところは同僚も目撃しており、チャーリーは過失致死の容疑がかけられてしまう。

しかし、チャーリーが独自に調査を進めていると、彼女は生きていたことが分かる。彼女は KGB のスパイだった。元 KGB のロシアン・マフィア達が金塊を盗み出しているのを知ってしまい、命を狙われていたため、スカイダイビング中の事故を装っていたのだった。

彼女は何の説明もなしにチャーリーをマフィアのアジトに忍び込ませ、金塊が積まれた飛行機がある場所を探り当てる。唐突に二人はイイカンジになったり、とってつけたような理由で大喧嘩したり、やっぱり彼女一人で放っておけないとチャーリー・シーンが走り出したり、お決まりのシーンを挟む。

案の定マフィアに捕まった彼女は、赤いキャデラック・アランテのトランクに閉じ込められてしまい、そのままクルマとともに金塊が積まれた飛行機に乗せられてしまった。チャーリーは飛行場のパイロットをテキトーに洗脳し、飛行機に飛び移った。そしてクルマをバックさせ飛行機から落下する。チャーリーは空中でクルマのトランクを開け、彼女とパラシュートで着地した。

そこに降り立ったマフィアの一味。彼女をナイフで刺し、チャーリーは乱闘の末マフィアを殺す。警察も到着し、一件落着する。

後日、金塊を取り戻した功績が讃えられ、ロシアでメダルを授与するチャーリー。参列するロシアの軍隊が敬礼してくれるのが面白く、何度も敬礼をするチャーリー。彼女の飼い犬と一緒に散歩して終わる。

感想

いやークソ映画だったわwww

悪党連中がトンチンカンなドアホ揃いなので、「コレが KGB なのか?」と途中で分からなくなる。正義を貫くクリス (ナスターシャ・キンスキー) も、「謎の美女」を演出するために「チャーリー・シーンと観客に対し不自然なほど経緯を説明しない」という安すぎる脚本。

チャーリーの職場仲間はなぜかいつも両手か両足を重度に骨折しているし、ラストの敬礼でおちょくるシーンなんかまさにそう。足が1本ないクリスの飼い犬と散歩するラストのカットでも、犬への配慮が全くなくて短いカットの中で2・3回犬を小突いているあたり、クソつまんなくしたホットショットって感じだった。

冒頭でクリスのルームメイトが殺されていたりするので、シナリオを真面目に追いたくなるんだけど、コメディ要素が強すぎる。素人のチャーリーひとりまともに捕らえて殺せない無能マフィアは存在からギャグなのに、ちっともギャグらしい演出がないのでしばらく混乱する。アクションはどうかというと全然ハラハラしないし、2時間何を見せられたんだって気分。黙ってホットショットだけ見とこうぜ。w

この年 (1994年) は、ウェズリー・スナイプス主演の「Drop Zone ドロップ・ゾーン」という映画なんかでもスカイダイビングが題材にされていて、流行りだったのかな?

チャーリー・シーンを使ってしまったがためにコメディ要素なしというワケにもいかず、結果「おちゃらけているのか真面目なのか分からない寒さ」が全編に渡っていて、見るに耐えなかった。w