500円でどれだけ満足できたらいいのかな

最近のちょっとしたスマホゲームなんかで、500円くらいの課金で広告を外してプレイできるとか、500円の課金アイテムでそこそこ強く進められる、みたいな要素があったりする。

その他に、ザックリ500円程度で買えるモノを考えると「コンビニのお弁当1品 + 飲み物1本」とか「スタバのコーヒー1杯」とか、「洗剤1本」とか「ワケ分からん雑貨屋のしょーもないネックレス1つ」とか、そういうモノが買えるかと思う。w

いま金額は仮で「500円」としたが、1000円や1万円で考えてもいい。ともかく、同額を他のモノに使った時に、どのくらい満足できるだろうかということを考えていた。

仮にスマホゲームに500円課金して、それによる満足は何分続くのだろうか。課金してやりたいことが出来てしまったら、意外と効用は10分と持たないかもしれない。「あぁ、こんなモンなら、別に課金しなくても良かったかも」とか考えるかもしれない。

今度は、何の気無しにスタバに立ち寄り、「何飲もうかなー迷うなー、何でもいいけどじゃあとりあえずラテを…」なんつって500円使ったとする。心の底から飲みたかったワケではない飲み物を5分10分で飲み干してボーッとする。その効用は500円に足るだろうか。

ココで言いたいのは、「課金もスタバもバカバカしいから止めとけ」というようなことよりも、「その500円でどのくらい満足できたか、その結果に納得しているか」という話である。ゲームに500円使って10分で飽きるのと、スタバに入って500円のラテ片手に10分時間を潰すこと、どちらが自分にとって満足度の高い行為か、同じ500円をその使い方で良かったと思えるか、っていうことが大事だな、ということである。


子供の頃の500円というと、僕にとっては毎月のお小遣いの額であり、月刊のコロコロコミック (定価480円) を買うためのほぼ全額であった。コロコロコミックは巻頭のカラーページしか読まず、マンガ部分はほとんど読んでいなかったので、20ページ程度の巻頭カラーのために500円というのは割高に感じていたが、それでも当時流行りのポケモンが好きだったので、ポケモンの特集が載っている巻頭カラーページのためにほぼ毎月買っていた。

割高感はあるが、自分で買うと決めて買ったのだから、腹をくくってコロコロの巻頭ページを1ヶ月かけて繰り返し味わっていた。幼少期の僕は、500円で1ヶ月、意地でも楽しんだのだ。

別の例だと、約1,000円だった「アクションリプレイ Vol.7」という当時不定期発行だったゲーム雑誌は、ポケモン金銀の改造コードが掲載されており、それはそれは繰り返し読んだ。その他のコーナーも面白く、4・5年は繰り返し読んでいたし、大人になってから書い直したほどだった。1,000円で買ったモノが何年も楽しませてくれた。

Nintendo 64 ソフト「スーパーマリオ64」や「マリオカート64」は、当時の定価が9,800円。ほとんど1万円したソフトだが、その効果は絶大で、当時もメチャクチャやり込んだし、20年以上経った2022年現在でもプレイすれば楽しめるし感動できる。1万円で買ったモノが20年経っても楽しいのだ。


大人になってから使う500円、1,000円、1万円という金額は、ともすれば「雑に消費してしまう程度の額」でもある。安売りされていて試しに買ったけど使い物にならなかった USB ケーブルが1,500円。会社の飲み会でロクに美味いモンが食えていないのに参加費4,000円。知り合いの好みに合わせて付き合いで行ったライブが9,000円。他にも、ウン十万、ウン百万かけても、その金額に比例して大して満足しなかったようなこともあるだろう。僕は「ツムツム」に1万円課金して、それでも狙っていたキャラクターが手に入らなくてスマホゲーへの課金を一切止めた過去がある。w

こうした例は「幼少期の思い出補正」もあるだろうし、子供と大人とでは経験量の差があるので「その前提からさらに満足できるライン」が引き上げられてしまうのも理解はできる。

しかしそれでも、「大人になってからも心に残っている9,800円のゲーム」という価値と、「1万円課金したのにお目当てのアイテムが手に入らず浪費したスマホゲーム」という価値を比べたりすると、なんだか大人になってからの金遣いの荒さというか、「本当に自分が満足できることのためにお金を使っているか」、「この金額で何分間満足できれば良しとするか」と考えてしまう。その1万円で、30・40・50歳になっても「あれは良かったなぁ~」と思い出せるような、強烈な満足を得られる事柄はないだろうかと。

大人になってからそうした満足感を得られた経験って、2014年の「フエルサブルータ」公演ぐらいかもしれない。確かチケットが8,800円とかだったと思うけど、あの公演はその後何年も感動の余韻が残るモノだったし、また見たいと思うような強烈なモノだった。実際、2014年の公演は3回見に行ったし、2017~2018年の「WA!」にも行ったので、実際のところ4万円近く使ってはいるが、OST や当時買ったグッズ等も込みで、今でもそれだけの価値はあったと思える金額だ。


日頃、なかなかそういう長く心に残る経験ができるモノに巡り会えるワケじゃないし、普通に生活しているだけで毎月水道・光熱費で1万円くらい軽く吹っ飛ぶワケだが、だからといって「大人にとっての1万円はこの程度の価値に成り下がったんだ」とは思いたくない、というか。

同じ金額なら、できるだけ満足度が高く、その満足感が長く続くモノに使いたいと思う。大人になってからそういうことへの判断が雑になっていた気がするので、今一度「何にお金を使うことが自分にとって一番満足できるか」を考えながら生活してみたいなと思った次第。