好きな映像作品 : Cinnamon Chasers - Luv Deluxe

Cinnamon Chasers というイギリスのミュージシャンの、「Luv Deluxe」という楽曲の PV がメチャクチャ好きだ。Saman Kesh というディレクターによる、2009年9月11日発表の作品。

↑ 以下のどれでも内容は同じ。

最初に知ったのは「小太郎ぶろぐ」の以下の記事だったかな。


一人ドライブの旅に出掛けた男は、道中で一人の女と出会う。ちょっとワルイその女とクラブに行き、ドラッグに手を出すと窃盗で捕まってしまう。

…そこで時が戻っていき、「別の人生」に変わっていく。それが PV の2分12秒頃からで、主人公の男がレシートを破るシーンから映像が青っぽく加工されている。この時系列では女よりも男の方が粗暴で、女の静止も聞かずに男の方が酒や盗みに溺れていく。すると男は、しびれを切らした女に刺されてしまう。

…再び時が戻っていき、「3つ目の人生」に変わっていく。PV の3分23秒頃からがそのルートで、映像も彩度が上がった美しいシーンになっている。コチラは主人公の男が食い逃げせずキッチリ支払い。ドラッグやスリに手を出そうとする彼女を引き止め、健全なデートが繰り広げられる。

しかし彼女はドラッグを止められなかったようで、見ず知らずのサラリーマンに危害を加えてしまう。善良な男は警察に通報しようとするが、背後から衝撃を受ける…。

彼女に撃たれた男の腹部から血が流れる…。崩れ落ちる男は、とっさに彼女のことを撃つ。お互い瀕死の状態で車に寄りかかると、走馬灯が見えるのだった…。


…そんな感じで、魔性の女と出会ってしまったが最後、自分が良くしようが何しようが、バッドエンドしかなかった、という PV なのだが、クラブミュージックの音楽と相まってどんどん引き込まれていく。

全編通して男の一人称視点で映像が進んで行き、3通りの世界線が描かれているが、もしかすると3通り以上の「If」の世界線が無数にあったのかもしれない。終盤の「ゲーセン」のカットなんかはそれまでに登場しないカットなので、この女とはどのように付き合っても上手く行かなかったんだ、という感じがして、それでもそんな女から逃れられなかった、的な感じがとても良い。

魔性の女を演じているのは Darcy Ripley という人物。特に女優として活躍しているワケではなく、現在はイラストレーターとして活動されているようだ。

純粋に楽曲も好きだし、何度見てもゾクゾクする PV だ。