スマン、ポケモンの厳選行為について文句言わせてくれ

超今さら、第3世代のポケモンの話をします。僕の生理的な感情を書くだけですのでお気になさらず…。


自分はポケモンの初代からルビサファ・エメラルドまでを主にプレイしていて、ルビサファや FRLG 時代は自分でプレイして検証した内容をこのサイトに載せて、攻略サイトとしてそれなりに見ていただいていた次第である。

離れて暮らす我が子に、いつか見て楽しんでもらえたらいいなーという思いで始めた YouTube チャンネル「Neo's Channel」では、過去にピカチュウ版・クリスタル版を実況プレイしていて、そしたら今度は第3世代であるエメラルド版をプレイしようかな?と考えていた。そんな時、エメラルド版限定要素である「バトルフロンティア」のことを YouTube で見て、「そういや当時、バトルフロンティアは全然プレイしていなかったな」と思い出す。

ということで、エメラルド版の実況プレイをそのうちやろうかなと思っているワケですが…。

本題。


第3世代ではポケモンに「性格」や「特性」といった要素が追加され、「個体値」「努力値」に加えてさらにポケモンごとの個性が現れるようになった。加えてエメラルド版では、前述の「バトルフロンティア」という対戦に特化したエリアが追加されたこともあり、強いポケモンの育成を追求することがゲームのシナリオ・システム的にも焚き付けられるようになっている。

その結果、「個体値」が優秀で、「性格」が適しているポケモンというモノを捕獲厳選するプレイスタイルが求められるようになった。そのためには対象のポケモンを多数捕獲したり、育て屋さんでもらえるタマゴによる孵化厳選といったプレイが必要となる。コレにより、生まれつきの能力値である「個体値」「性格」、それから有用な「遺伝技」を持つ個体を手に入れるワケだ。

僕は、こうした乱獲厳選・孵化厳選が、たまらなく気持ち悪くて嫌いだ、というのが今日話したいこと。

初代・第2世代でも、ポケモンを捕獲した時点で決定していて後から変化させられない「個体値」という概念はあった。僕はこの当時から、「能力値が強い個体が出るまで引き直す」ことに嫌悪感があった。第3世代ではこれに加えて「性格」「特性」「遺伝技」だ。どれもポケモン一匹いっぴきが、生まれ持った変えられない性質なので、バトルに使えないと判断したら生まれた瞬間に逃がしてしまう。この扱いが、物凄く気持ち悪くて嫌なのだ。

現実で考えたら、「ペット屋さんで購入した子犬が、思ったように育たなかったので捨てた」とか、「出産した自分の子供が不出来なので育児放棄した」みたいな感覚に近いと僕は感じて、生理的嫌悪感が強いのだ。なんというか、「養鶏農家が良い卵を生む個体を選別する」のとか、「牧場農家が生産性を考慮して繁殖計画を立てる」のに似たような感覚がするのだ。

もちろん、畜産農家を悪く言うつもりはない。生産のために選別が必要とて、「命を軽んじている」ワケではなかろう。生まれたあとも上手に飼育しなければ生産が見込めないワケだし、皆の生活のためにやっていることだ。

そうではなく、「ポケットモンスター」の世界における「ポケモンを捕まえる」という行為は、現実世界でいうと「個人がペットを飼う」とか「自分が子供を生む」といった感覚に近いはずのモノで (少なくとも僕はそう思ってプレイしてきた)、それなのに「生まれつき弱くて使い物にならないから逃がす」というのはどうなのか、と思ってしまうのである。僕は「牧場物語」をプレイしているのではなく「ポケモン」をやりたいのだ。

この感覚は、アニメのポケモンを見て育ったことも影響しているのかもしれない。主人公サトシは、性格に難のあったピカチュウやヒトカゲを仲間にし、愛情をもって育て上げた。ともに戦ってきたバタフリーやリザードンを「逃がす」場面もあったが、それもそのポケモンの幸せを願って決めたことだ。まさに「ペットを飼い、一生を共にする」感覚に近いはずだ。

そうやって一期一会の出会いを果たした「その個体」と向き合って、頼もしい仲間になってもらえるよう付き合っていくのがポケモンなんじゃないか、と、僕は思うワケだ。「乱獲して強そうなのを厳選・あとは逃がす」なんていう非道なことはやる気になれない。


野生で出現するポケモン、タマゴに遺伝する要素などは、表面的には「ランダムに決まる」と言っていい。言って良かった。

しかし、特に第3世代・エメラルド版では、ゲーム起動時からの経過フレーム数に応じて乱数が決まる仕様が明らかとなり、この性質を利用して 1F 技を決めることで、狙った性格・個体値のポケモンを引き当てられるようだ。

僕はアクションゲームやタイミングゲーが基本的に得意ではなく、TAS や RTA で頻発する「1フレーム技」というのが、まず出来ない。「1フレーム」というのを認識できない。よって、僕にとっては「実質的に完全ランダム」なワケだが…。

1フレーム技を決めてまで、生まれつきの能力値が強いポケモンを狙い取りする、というのも、風情がないというか、人間の業みたいなモノを感じて、まぁ不快感があるのである。


「孵化厳選や乱数調整が楽しくてやっている人もいるんだから別にいいだろ」

いや、まさにそのとおりでございます。あなた方がどのようにゲームを遊んでいようと、僕には一切関係のないことです。

「PAR 使って秘技コードで全能力値 999 にしてたようなヤツが何を言ってるんだ」

ごもっともです。実際にはあり得ない数値のポケモンを無理矢理作り出し、ゲームバランスを完全崩壊させていたのは僕です。そうなんですが…

でも、やっぱりキモい!!そんな現実があると思うだけで気持ち悪い!!僕には全然関係ないことだけどそんなことで楽しんでいる人を全否定したい!!

…ということで、自分のサイトで愚痴らせていただきました。スミマセン。


ゲームフリークの開発陣が、ポケモンのキャラクターや世界観を大切にしてきたことは、シリーズの作中に仕込まれた小ネタ群からも容易に想像できる。ではなぜ、結果的に乱獲や孵化厳選が必要となるゲームシステムに落とし込んだのか。このようなプレイスタイルが生まれることを想定していなかった、なんてことはないだろう。

完全な想像になるが、恐らく当時の考えとしては、一本のゲームを長く遊んでもらうためにわざとシステムを複雑化させたのだと思う。ゲームボーイアドバンス時代はまだインターネット接続などの環境はなく、ローカル対戦の他は「カード e リーダ +」による拡張が限界であった。現在の Switch 時代のように、発売後に DLC でコンテンツを増やしたりすることも当時は出来ない。要するにソフトを発売する時点で、全ての要素をカセット内に盛り込んでおかなくてはならなかったワケだ。

そこで、特にルビサファの後発でマイナーバージョンアップ版となるエメラルドに関しては、道中のトレーナー数を増やしたり、「バトルフロンティア」を殿堂入り後の追加要素として盛り込んだりすることで、厳選や育成にかかるプレイ時間を稼ごうとしたものと推測される。

スーマリにおける高難易度版として打ち出された「2」のように、こうしたやり込み要素によって、エメラルド版は乱数調整まで駆使されて今なお遊ばれているのも事実。

しかし一方で。

ルビサファは当初、ゲーム内データとしては過去作のポケモンも存在するのに、ルビサファの2本だけでは全入手ができず、GC の「ポケモンコロシアム」や FRLG の発売を待ち、それらとの通信交換をしないといけない状況にあった。このことから、他作の発売を待ち切れないユーザや、通信環境ややり込みにかかる時間を確保できないユーザの中においては、PAR などを使った改造行為が横行する事態に陥ったと思われる。

DS 世代になってインターネット通信が可能になったことで、強くてレアな個体をめぐる改造行為の蔓延を防ぎたい狙いができたためか、もしくは、スマホゲーの台頭により「サクッと遊べるゲーム」という需要へとシフトしたからなのかは分からないが、世代を重ねるごとに厳選の必要性が少なくなるように調整されていったようだ。僕は第4~第7世代を遊んでいないので詳しくは分からない。

さほどやり込むことはできなかったが、第8世代ソード・シールドの時点で相当育成が楽になっていたし、DLC までやり込んだ最新第9世代スカーレット・バイオレットでは補助アイテムの充実により、ほぼどんな個体であっても「最強の能力値」へと持っていくことが可能になっていた。「捕まえたその個体」を大切にできる優しいシステムになっていて、遊びやすくて好きである。

生まれもった能力値や性格によって『強くはなれない』ことが決定づけられている」第3世代のシステムよりは、「どんな個性をもって生まれても、技術や道具を活用し、努力や特訓次第でその結果が実る」第9世代のシステムの方が、なんというか、「救いがある」ようにも感じる。ゲームの中にまで残酷な現実社会を投影しなくても良いんじゃないかと思うし、現実も「そうであって欲しい」と思える夢のある世界観が良いよな、と。だから僕は、エメラルド時点のポケモンに違和感を覚えてゲームを一旦卒業し、ソード・シールドやスカーレット・バイオレットをプレイしてみて再びポケモンに感動した、という経緯がある。


さて、散々勝手に喋らせていただいた。

GBA 時代の技術的制約と販売戦略からか、ポケモンエメラルドの攻略には「孵化厳選」が必要となるゲームバランスになってしまい、それを合法的に追求する手段として「乱数調整」が研究されたり、一方で「改造行為」が蔓延する事態にもなった。こうしたゲームシステムは最新世代では解消されているワケだが、今から当時のエメラルド版を再プレイしようと思っている僕は、どうしようか。

やはり僕としては、ポケモンの「世界観」が好きであり、生理的に抵抗があるので、エメラルドの「バトルフロンティア」攻略を目指すとしても、厳選作業や乱数調整は行わない方針でプレイしようと思う。その模様はまた実況プレイ動画としてお届けしようと思う。

クリアできないからといって改造コードを使って無双するような遊び方もするつもりはないが、「さいはてのことう」のような、通常プレイではもう絶対に行けない場所を一目拝むという目的では、「文明の利器」に頼ってお邪魔するかもしれない。w