部下に指示を出す時に伝えるべきこと・伝えないこと
部下やチームメンバに指示を出す時に、伝えるべき内容、伝えない方が良い内容。
伝えるべきこと
- 作業内容 : 「〜〜を作って欲しい」「〜〜が○○であるか調査して欲しい」など、一言で簡潔に。
- 作業の目的・背景 : なぜその作業が発生するのか、その作業をしてもらうことでどのような後続作業に繋げるのか。
- 成果物の粒度 : フォーマットやファイル形式。成果物に必ず盛り込んで欲しい観点や項目など。過去に作成例があればそれを展開する。
- 作業の優先順位 : 相手は別の仕事をしている。その仕事を止めてでも優先すべきタスクなのか、どのタスクからやれば良いかを改めて定義し指示する。
- 期限 : 最重要かつ緊急でない指示であれば、相手のやり方に任せて作業の順序を決めてもらうことになるが、その際も期限日はあるはずなので。
指示を出す側は、毎回必ず、この5つをセットに伝えるべき。
伝えない方が良いこと
作業者に制約を課すような内容は伝えない。伝えすぎない。
- その作業の細かいやり方 : 「どこそこのサイトからデータを取ってきて、Excel の○○関数を使ってこのように集計して…」という、具体的な手法は指示しない
- 指示者は、インプットを正しく与えて、求めるアウトプットが返されるかだけを気にするべき。作業者がその間の具体的な処理をどのような方式で行うかまでは口出ししなくて良い
- レアケースや特殊なパターンの対処法 : 指示者の方がその作業をよく知っていて、「ココで○○が起こる場合があって、その時はこうして…」といった細かなパターンにまで指示を入れてしまう場合。聞き手は基本形も分かっていない場合が多いので、あまり余計なことを教えない
- そもそも「異常時はどうするべきか」「特殊なパターンにどう対応するべきか」などが見えているのであれば、さっさとマニュアル化して、マニュアルとして提供すべき
- 「必ずその方式を取らないといけない」ものがある場合は、「成果物の粒度」を伝える際にセットで「必須事項」「禁止事項」として伝える
ちなみに : 「目的意識」は養えない
「作業の目的や背景」は、それらから逆算して「ということは、この作業ではこういうアウトプットを盛り込まなくては」と作業者に考えてもらうために伝えているのだが、目的を伝えさえすれば、作業者が目的意識をもって注意を向け、言語化されていない部分を「察して」上手くやってくれるワケではない。
「目的意識」と称して「察してもらう能力」を部下に身に着けさせたいと思っているなら、早く諦めよう。このような曖昧な能力は定量的に測れないから、指示者の好みにあったアウトプットをたまたま出せる人のことしか評価できない。マインドに注力しても、きっと「上手く教えられない」または「部下が学んでくれない」と愚痴るだけになるだろう。