日本のエンジニアのゴミ記事問題に対する、個人でスキルアップする方法は「アウトプット記事でお金を稼ごうとしてみること」
Qiita で「ゴミ記事問題」というのを目にした。
- エンジニアは全員技術記事を書くことを習慣化した方がいいぞ … みんなアウトプットして育とうぜ、という話
- 日本人ITエンジニアの90%に記事を書いてほしくない … それに対して「日本のエンジニアはレベルが低く、ゴミみたいな情報しか増えやしない」という発端
- 「ゴミ記事が多すぎる問題」に対する私見 … ゴミ記事は評価されないから検索フィルタからも弾かれていくよ、という論
- 「ゴミ記事は書くな」はゴミ記事を増やすことにつながるから避けるべきでは? … 日本のエンジニア全体のスキル底上げのためには、やっぱり沢山書いて、訂正入れて、良いモノ評価して、って流れにしていかないとね、という論
個人的な考えはそれぞれに同意。
- アウトプットすることが実はインプットになっている、聞くだけの人より「まとめ記事」を書こうとする人の方が伸びる、とは僕も思う
- 一方、自分でも何を書いているのか理解できていなさそうな、ゴミ記事が散見される気は自分もしている。海外がどうかは分からんが、Qiita を見る限りは「Bash メモ」とかいうタイトルでコマンドの羅列だけ書いてあるような、他人の役に立たなさそうな記事は見かける
- ただ、そういうゴミ記事があっても、そういうモノは評価されないから、「Qiita デイリーストックランキング」なんかには出てこないし、良記事と比べて目につく回数は格段に少なくなる。「悪いモノは消えて良い物は残って行く」と山下達郎も言っていた。
- アウトプットして成長するのは確かだから、良くないところは訂正やアドバイスを入れて、みんなで評価しあってみんなでスキルアップしていけたらいいよね、というのも、あるべき素敵な姿だと思う。
で、この問題に関連して僕が推奨したいのは、個人の学習成果をアウトプットすることにもインセンティブを与えたらどうだろう? ということ。
僕は、Qiita には記事を一切投稿していない。技術ネタは Corredor という僕の別ブログにしか書いていない。そしてこのブログには「Amazon アソシエイト」と「楽天アフィリエイト」、および「Google AdSense」の広告を貼っている。
Qiita のストックや「いいね」といった、SNS の評価数は、確かに良記事を見極める指標にはなるし、沢山評価されれば承認欲求も満たされるだろう。誰かの役に立てている、という気持ちが持てるのは、執筆のモチベーションを保つためにもあって良いことだ。
しかし、「気持ち」しかインセンティブがないのと、「上手くやったら収益に繋がる」という現実的な利益が見えるのとでは、やはり後者の方が、よりやる気になりやすいと思う。
収益を得られる記事を書こうと思うと、必然的に読者のことを想像するようになる。求められる記事とはどういう風に書いたら良いか。読み手にどのように思わせればアクセス数が増やせるか。商品を買ってもらいやすくするにはどう工夫できるか。
IT 技術系の分野では、みんなそれなりにリテラシーがあるから、ペライチサイトを量産したり、かさ増しした内容のない長文で SEO を誤魔化したりするような、いわゆる「アフィリエイトのテクニック」は通用しにくい。「コイツは収益を得たいだけの、内容のないサイトだ」ということはすぐに見抜かれてしまう。
だから本当に内容・コンテンツで勝負するしかなく、「とりあえずコレをコピペして対応」とか「よく分からないけどコレで解決した」とかいうような、レベルの低い文章では収益に繋がらないのだ。
そうなると、目の前の技術や問題に対して、より詳しく調査し、理解を深め、読み手のためになるような形でアウトプットするようになる。そうしないと収入に繋がらないし、そういう記事を書いていくと収益は右肩上がりで上がっていくからだ。
SNS の「いいね」の数は、画面をタップして、もしくはマウスをクリックして、わざわざ良い評価を付けてくれる、アクティブな評価だ。それは確かに価値がある。
一方、Google アドセンスの場合はクリック報酬型ではあるが、その収益はアクセス数に比例して決まる。サイトへのアクセス、つまり、「いいね」をわざわざ付けはしなかった人たちの存在も、成果に組み込まれることになるので、コチラの方がより「人の目に触れた数」を意識しやすいと思う。
Amazon アソシエイトや楽天アフィリエイトに関しても、「自分の広告を踏んだ人が、期間内に別の商品を買った時」にも収益が発生するので、サイトにアクセスして広告を踏んで、素通りしていった人、という存在も、自分の成果にプラスに作用することがある。
そういう仕組みなので、アウトプットしていく時の目標が「よりアクセス数があり、できれば沢山広告を踏んでもらえるサイトにする」と明確になる。Qiita に学習メモを書き移しているだけだと、「この記事でイイネを100件取るぞ!」などとはあまり考えないかもしれないが、「この記事でこれだけのアクセス数を目指し、それによっていくらの収益増加を目指すぞ!」という目標はもう少し考えやすくなるかと思う。
「読み手」という他人の中には「その内容を忘れきってしまった未来の自分」も含まれているから、いつかきっと「自分が書いた記事を掘り返して助かった」という経験も出てくると思う。
「今の自分」しか見えていないと、未来の自分のためになる文章は書けない。だから他人の役に立つ書き方が必要になるのだが、どうやったら他人のことを考えられるかというと、自分のブログに訪れた誰かがそのコンテンツで満足し、ついでに広告まで踏んでくれちゃうくらいに満足してもらう内容を考えてみれば早いのではないか、というワケである。
アフィカスとしてゴリゴリに収益を求めるのは、IT 分野のサイトでは困難なので、せいぜい「年間のサーバ・ドメイン代をなんとかできること」ぐらいを目標に据えた方が良いかと思う。
まずはそれぐらいの収益が得られるように、求められそうな記事を書く。収益のためには記事の数も大事だが、一番はそれぞれのコンテンツの質である。
僕の場合は、1年ほど広告なしでブログを運営し、その後広告を貼って収益化を始めたが、その時目標としていた金額は数ヶ月で到達した。その後はその収益を最低でも「維持」することを目標にしていたが、今のところ毎月の収益で「前月を大きく割る」結果になったことはない。ほぼほぼ右肩上がりだ。
良いアウトプットをすると現実的な成果報酬が得られる、という状態を作ると、評価の数で承認欲求を満たすだけの状態より、色々と読者のことを気にかけられるようになると思うので、手段の一つとして考えてみると良いかもしれない。