映画「Post ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書」を見た

久々にネトフリ見た。2017年・アメリカ。

以前見た「All The President's Men 大統領の陰謀」という1976年の映画で描かれた「ウォーターゲートビル事件」の前日譚といえる。

ベトナム戦争を分析した機密文書「ペンタゴン・ペーパーズ」が流出し、その内容を暴露したワシントン・ポストのジャーナリストを描いている。実話に基づいた作品。

ペンタゴン・ペーパーズは、国防長官のロバート・マクナマラが作成を命じた文書。彼は表向きは政府の指示どおりに仕事をこなしていたが、裏では政府が隠蔽する実情に憤っており、「いつの日か、本当のベトナム戦争の実情を冷静に分析できるように」という思いから、ペンタゴン・ペーパーズを用意していた。

その作成にも携わったダニエル・エルズバーグという分析官が、その文書を持ち出して複製し、ニューヨーク・タイムズとワシントン・ポストにリークしたのだった。

先に入手し報道したのはタイムズだったが、政府が差止命令をくださんとしている状況下で、ワシントン・ポストとしては文書を入手し公表するべきかどうかが激しく議論されていた。

ワシントン・ポストの編集長であるトム・ハンクスことベン・ブラッドリーは、かつてはホワイトハウスと良好な関係であったが、報道の自由を守るためにも報道するべきだ、と強く働きかける。ワシントン・ポスト社長のメリル・ストリープことキャサリン・グラハムは、トム・ハンクスを信頼はしているものの、マクナマラとも知人であり、文書を掲載することは法律に反する、何より公表したことによる会社の存続への影響を考え、その狭間で悩む。この辺の、当事者たちの葛藤や舌戦の緊迫感が凄い。

結局、メリル・ストリープは記事を掲載することで決断。各紙がそれに続いてワシントン・ポストを支持してくれたこともあり、ホワイトハウスとの裁判にも勝利した。

報道の自由を勝ち取ったのも束の間、警備員が民主党の事務所に忍び込んでいた男たちを逮捕する。それが「ウォーターゲートビル事件」に端を発する事件の幕開けだった…という終わり方。