映画「Doc Hollywood ドク・ハリウッド」を観た

昨日記事にした「ハード・ウェイ」と同じ、1991年公開のマイケル・J・フォックス主演作品。2006年のピクサー映画「カーズ」がプロットを丸パクリしてる疑惑が出てる、元ネタの方。w

あらすじ

ワシントンで働く外科医のベン・ストーン (マイケル・J・フォックス演) は、ロサンゼルスに移り住んで高収入の整形外科医になることにする。命を救う仕事に誇りを持つ同僚達は、金のために転職するベンを冷たく見送る。

ベンは愛車のポルシェでロスに向かっていたが、道中の「グレイディー」という田舎町で交通事故を起こしてしまう。ベンが壊してしまった柵は、地元の判事が自作していた柵だった。

この町は医者不足に悩まされていたので、判事はベンに対し、町の病院で32時間の奉仕活動を命じる。足止めを食らう形となったベンに、町長は「ロスになんか行かずこの町で暮せば良いだろう」と熱烈歓迎してくるのだった。

次の日、目覚めたベンは、湖で全裸で泳ぐルー (ジュリー・ワーナー演) と出会う。ベンは驚くとともに一目惚れするが、ルーは「医者なんだから裸なんて見飽きてるでしょ」「下心がミエミエよ」と軽くあしらう。そんなルーにどんどん惹かれていくベンだったが、彼女はシングルマザーで娘がおり、町の青年ハンク (ウディ・ハレルソン演) に熱心に口説かれていることなどを知る。

ルーは弁護士になり、生まれ育ったこの町に法律事務所を立てたいと夢を語る。一方のベンは、実は生粋のシティボーイではなく、田舎町出身であったことを打ち明けるのだった。

一刻も早く町を出てロスに行きたいベンだったが、車の修理は難航し、町民からは診察のお礼にと豚を貰い受けてしまい、さらには町で唯一のホーグ医師が心筋梗塞で倒れてしまったため、見捨てることもできず足止めを食らい続ける。ベンは面接を受ける予定だったロスの美容外科に電話をし、面接日を延期させてほしいとお願いする。命を救われたホーグ医師は、その様子をこっそり見ていた。

ベンは町の祭りに参加する。そこでルーとダンスを踊る。そこに判事が現れ、奉仕活動は終了と告げる。また、自動車の修理も完了したという。そこにハンクが現れ、ルーを強引にダンスへと連れ出してしまう。一人になったベンは帰ろうとするが、そこにルーが戻ってきて湖に誘われる。「あなたがもうすぐ町を出ていくのは分かっているけど、私…」と語るルー。2人はキスをするが、ベンは一線を越えないようにする。

ベンが帰ると、そこにはハンクがいた。ルーにベタ惚れだったハンクは結婚するつもりでいたと話す。ベンは「他の世界を見てみるのも良いのでは」とハンクに語る。

その夜、ベンは車で町を出ようとするが、道中で産気付いた妊婦と遭遇する。逆子の出産に一人で立ち会うのはベンにとっても初めてで、テンパりながらも無事出産。しかし、祭りの機材を運搬していたトラックがベンの車に突っ込んでしまい、車は大破してしまう。

明くる日、病院でホーグ医師はベンの活躍を褒め、自分が町民の出産に立ち会ってきたことを語る。そして、現れたルーはハンクと結婚するつもりだと語り、ベンに飛行機のチケットを手渡す。ベンは町民総出で見送られ、ロサンゼルスに旅立つのだった。

ロスの美容外科の面接に赴くと、院長は「ホーグ医師から推薦があったので君を雇うことにする」と話す。そうして美容外科医として働き始めるベンだったが、ふとグレイディーの町を思い出して、電話でグレイディーの天気予報を聞いたりしていた。

そんな矢先、ベンは呼び出しを食らう。そこには町長の娘のナンシー (ブリジット・フォンダ) がいた。彼女は再び修理されたベンの車を届けてくれた。また、隣にはハンクがおり、「ルーのことは忘れてハリウッドに出てきた」と語る。

それを聞いたベンは車を走らせグレイディーに向かう。「愛豚」を連れてルーの元に行くと、ハリウッドに未練はないといってルーに告白する。2人は結ばれるのだった。

感想

昨日記事にした「ハード・ウェイ」と同じく、本作も以前、深夜のテレビ放送で見かけたっきりだったので、DVD を買って観ることにした。アマプラでは見放題対象ではなくレンタル扱いだった。

ハード・ウェイがアクションありのコメディで、ドク・ハリウッドはラブコメ路線。いずれも1991年の作品で、BTTF シリーズ後のマイケル・J・フォックスが模索していた頃の作品だ。

前半、医者であるベンを町に引き留めようとうする町民たちにちょっとイラッとしてしまうw。なんだけど、後半は急にベンを見送るムードになっていて、町民側はどういう心変わりなの?という感じ。ベンが未練を感じる演出のために、町民の性格や言動が捻じ曲げられちゃってる感じがする。

ハード・ウェイでも思ったんだけど、本作も終盤のとっちらかり具合が気になる。ベンを軽くあしらっていたルーがどうしてそこまで心変わりするかな?というところもだし、恋敵ポジションのハンクとの駆け引きも微妙だし、ハッピーエンドに向かう前の波風を脚本的に強引に立てておいている感じがして、その辺がなんだかなーと。「摩天楼はバラ色に」の方がまだ流れが自然なんだよね。

マイケルの著書「ラッキーマン」によると、パーキンソン病の兆候に初めて気付いたのが本作の撮影中だったという。若き日のウディ・ハレルソンが出ていたとは。ルー役のジュリー・ワーナーの (あまり必要のない) ヌードシーンがあることだし、2022年の現在から見てみるとまとまりの悪いストーリーなので、もうテレビ放映とかされないんだろうな…。というか、近年の映画作品たちの脚本がいかに洗練されているか、進歩を感じる。w