終了・大幅に過疎った SNS を振り返る

Twitter にイーロン・マスクが介入して以来、大量凍結祭りが発生したりしているらしい。下手したらサ終するんじゃないか、大幅に過疎るんじゃないか、みたいな話もあるらしいので、今回はサービスが終了した、もしくは大幅に過疎ったと個人的に感じている SNS やウェブサービスを振り返ってみる。

これらはあくまで個人的な主観に基づくまとめなので、ご意見や思い出があれば掲示板などでコメントいただけると嬉しい。

完全に終了したサービス

「おもしろフラッシュ倉庫」といえば自動リンク集。後のソーシャルブックマークサービスの先駆けと言って良いかもしれない。いつ閉鎖したとかいう情報が全然ない。

2ch.net の後に登場した掲示板集。この当時は 2ch のデザインやシステムを模した CGI やレンタル掲示板が登場してきていて、「ザビビ」もそれらに倣ったサイトだった。

2005年以降、Google ビデオが YouTube に移行したあたりから動画共有サイトというのは PC 向け中心に発展してきた。ちょうど ADSL が普及し、一部家庭は光回線に移行しつつあった時期で、ガラケーではキツいけど PC なら扱えるデータ量が増えていた頃だった。また、WinMX や Winny、LimeWire、Cabos、Share、Shareaza、BitTorrent などの P2P ソフトの流行が一段落して、こうした「裏ネットワーク」ではなく「表のネットサービス」に違法アップロードが蔓延した時期があった。

ステロクは当時人気だった DivX という動画の圧縮方式を売りにしていたが、あっという間に廃れて消えてしまった。

RSS フィード購読といえば「Google リーダー」一択だった時代があった。急な閉鎖に伴い、移転先が見つからず混乱した時期があったが、現在は Feedly がほぼその代替先として10年近く君臨している。

あんこはうすのサイト自体は残っているのだが、「横スクロールで GO」や WWA のようなゲームを作って公開できるレンタルサービスは終了している。Java アプレットや Flash、Shockwave といったプラグインが、スマホ (特に iPhone) で軒並み非対応となり、インターネットユーザのシェア率的に衰退していった印象。PC 向け専用では生き残れない時代になってしまった。

2005年に Yahoo! が買収、2017年に Pinboard が買収したことでサービス終了。日本人は「はてなブックマーク」に引越してそのままだと思うが、海外の人はどこに行ったんだろう?

レンタル CGI サービスの「CGIBoy」が始めた1サービスだったが、やがて「前略プロフ」だけが人気となった。昔ながらの「100の質問」みたいなのが最初から用意されていて、ガラケー対応の自己紹介ページを作りやすかったために中高生の間で人気になった。僕の世代でいうとちょうど人気が出始めた頃に高校生だったのでその波は感じていたが、僕自身は「コレって百質でしょ?」「個人サイトや mixi が既にあるしイラネ」「『りある』も Twitter やブログみたいなもんでしょ」って感じであまり触れなかった。1・2歳下の後輩陣あたりからは盛んだった印象。

個人情報保護に対する関心が高まったこともあり、実名や住所をホイホイ晒すことになる本サービスはやがて下火になり、鍵をかけたりしやすい Twitter や Instagram などに分散していった印象か。当時は似たようなサービスに「魔法の i らんど」とか色々乱立してたと思う。

Twitter は当初、画像が投稿できなかった。そこで「Twitpic」や「携帯百景」といった連携サービスに画像を投稿するのが主な使い方になっていた。Twitpic は確か Twitter 自身が買収したのかな。

Twitter が買収して始まった動画共有サービス。6秒動画を投稿できる、今でいう「ショート動画」の走り。Instagram や Twitter 本体が動画投稿機能をサポートして過疎って終了、以降は TikTok の台頭や YouTube ショートが登場した感じ。この辺はスマホの性能やネット回線の進歩に応じて、「文字だけ」→「写真投稿」→「ショート動画も投稿可能に」→「長編動画も投稿・閲覧しやすく」(YouTube の他、Netflix のようなサービスも含め) という流れで扱えるデータ容量とコンテンツの形式が変わっていったのかなと思っている。

「ディレクトリ型検索」というと、その時期を過ごしたサイト管理人にとっては一つの「目標」だった。「100万 PV 突破」だの「特定の検索キーワードで1位に表示される」だの、といったサイト人気を示す目標の一つが、人力で審査を受けて掲載されるようになる、「Yahoo! カテゴリ」への掲載だったのだ。僕のこのサイトも2005年頃に Yahoo! カテゴリに掲載されて喜んだ記憶がある。人がサイトの質を評価しているので、カテゴリ検索でヒットしたサイトはお目当ての情報が掲載されていることが多く信頼性が高い、というのが特徴だった。

審査が有料サービス化していったあたりから段々と怪しくなり、サイト数も爆増していたこと、SNS が台頭してきて個人サイトが消えていったことからサービス終了となった。代替サービスとしては、「はてなブックマーク」の「ホッテントリ」の機能がその役割に近いと思う。

元々は「ジオシティーズ」社が始め、日本法人もソフトバンクが作ったものだったが、海外版も日本版もいずれも Yahoo! に買収されていった。「ホームページ」といえばジオシティーズをレンタルすることだった時代。よく容量 5MB で生きてたよな…。CGI などは置けず、「ゲストブック」がレンタルできる程度だったか。海外版・日本版ともにサービス終了に伴い、莫大な情報資産が失われた印象。

前述のジオシティーズよりも容量が多い 50MB がレンタルできたために人気だった、インフォシークの isweb。コチラも無料版から順次閉鎖され、多くの個人サイトにあった情報資産が失われた。Archive.org などでアーカイブされているものをわざわざ見に行かないといけなくなってしまっているため、実質的には「情報は失われた」といって良いだろう。ジオシティーズとインフォシークにあった情報を気軽に見られなくなった現在というのは、物凄く「狭いインターネット」になってしまった感じがする。

日本には既に mixi が浸透しており、海外でも Instagram が定着しつつあった中で登場したので、あまり人気はなかったと思う。実名登録が主だったことから、流入先は Facebook の他、ビジネス面では LinkedIn、質問や会話などの用途では Quora あたりに流入したんじゃないかと推測している。Google Buzz は Twitter に負けた感じ。

国産 Twitter 対抗サービスというのは、2010年ぐらいまではなんやいくつかあったと思うが、それ以降は Twitter 一強になった印象。中高生の間では「前略プロフィール」にリンクがよく貼られていた「りある」(2019-09-02 に閉鎖した「Decoo リアル」など) のようなマイクロブログサービスはいくつかあったが、それも Twitter に負けた感じ。

2ch VIP 板まとめブログ、みたいなのがひとしきり流行ったあと、「私も何かまとめたい」「ついでにアフィリエイト収入がほしい」という要望に答えて (?) 登場・発展してきたサービス。まぁ当初から悪い話が多く、ワケも分からず使っている中高生としかめっ面のオジサンたち、という感じで見てた。

今でいう Pinterest みたいな感じかなと思うんだけど、ピッタリな代替サイトもない感じ。

レンタル掲示板サービスは沢山あったが、「ホームページビルダー」にも組み込まれて長いこと生き残っていたのが teacup. だろう。

大きく過疎ったサービス

元はひろゆきが作ったらしい。知らなかった。2ちゃんねる風の掲示板を自分で立てられるレンタル掲示板サービス。「電車男」の映画やドラマあたりで廃れきり、したらば BBS もその頃には過疎った印象。その後 2ch.net のゴタゴタがあって 5ch.net と 2ch.sc に分離したりしたあたりでワケ分かんなくなったが、今もサービスとして生き残っているのは面白い。

現状が分からないが、ドメインやサイト自体は残っていたので過疎った扱いにした。2011年ぐらいから過疎り始めて、2019年には過去データを大幅に紛失した、みたいな報道がされてたと思う。かつては音楽配信に強みを持つ SNS として人気だった。日本でいうと「バンドやミュージシャンが自身で立ち上げる mixi コミュニティページ」みたいな感じで、利用者はそのページをフォローする、みたいな関係だった。音楽がアップロードできたというのは強かったかな。

「Now Playing」「Now Listening」を共有するサイトで、当時はネットラジオもあった気がする。未だ使っている人もいるようだが、自分はもう止めてしまった。レコメンドのシステムは Last.fm が提供したモノが先進的だったんじゃないかな。

高画質な写真が投稿できるサイトで、「Google Photos」よりも先に、容量を気にせずバックアップできる~というのが強みだった (確か 2TB が上限としては存在していたが、当時の 2TB はほぼ青天井だった)。しかし2018年、フリーアカウントでは保持できる写真が1,000枚までとなり、有料アカウントが推奨されるようになって過疎った印象。今にして思えば、Flickr のこの方針転換あたりから、サブスクだとか、ネットサービスに課金するのは当たり前、みたいな風潮が出来始めた気がする。そして僕は未だ課金に対して抵抗している。w

Yahoo! が絡んでおかしくなったサービスっていうと Tumblr もそうかな。こっちはコンテンツ規制が入って廃れてしまった印象。

質問に○×で答えるコミュニティサービス。今にして思えば何が楽しかったんだろうという感じだが、ガラケーとスマホの移行期って基本的にテキストコンテンツでやり取りするしかなかったので、こういうのが暇潰しになっていた。

ちょっとマニアックかもしれないけど、今でいう Pinterest みたいな、オシャレな画像を転載して掲載できるサービス。w 何で廃れていったのかは忘れた。

「イマココ」を共有するサービス。現在は Swarm というアプリで、Last.fm 同様にコアなユーザが一定数残っている模様。

ガラケーのゲーム系とか MMO とか、チャットアプリ系は全く分からん。時代の波に従って MSN メッセンジャー、Skype から LINE に切り替えただけのオジサンなので…。

他にも何かありますか?

個人的にパッと思い出せて、Wikipedia などから裏取りができたサービス類がこのくらい。思い出せていないだけで他にも色々あるかも。

各サービスの中でちょこちょこ書いてきたけど、

みたいなのがエンドユーザ視点では見えるなーという感じ。

僕は未だに「実体のないインターネットサービスに課金とか考えられない」「データはローカルに持っておきたい」みたいな古いタイプの人間なので、なかなか2015年以降あたりから顕著になった「サービスと課金が結びつくのが当たり前な時代」に不慣れだが、やはり扱っているデータ量、必要なコンピューティング資源、対象とするユーザ数が莫大な量になってしまっているんだろうなと思う。課金でもしないとそもそも成り立たないサービスが多いのだろうなと。

「サーバ障害は起こるもの」というのは理屈では理解していても、日本における水道や電気と同じような「安定した社会インフラ」の一部として見た時に、今の可用性ではちょっと不安が大きいのも事実。「複数の電気会社と契約して停電が起こらないようにしましょう、その代わり月額は2倍になります」なんて言われたら中々ギョッとするのに、「冗長化構成のためにマルチクラウド運用しましょう、AWS と Azure に同額払って普段は片方しか使いません」みたいなこと言われてもねぇ…費用対効果がねぇ…みたいなところあるよね。そんな中でホイホイと課金して、時にサービスを享受できない状況は自分はまだ納得がいかないなー。投げ銭のような応援のために金を払う感覚も持ち合わせていないし。あれマジで理解不能な神経だ。

ビジネス的に色々と難しいのは承知のうえで嘆くんだけど、無料で安定したサービスがもっと戻ってこないかなぁ。自分で作る気概とかはないです。w でもジオシティーズや uic.to や Flickr あたりが全盛だったそれらの時代は、毎日のインターネットが楽しかった気がする。